プロローグ〜二人で異世界へ〜
俺はまさにリア充。それは誰もが認めるであろう。
何故なら、絵に描いたような清純可憐美少女の彼女と今日もデートして来たしな!
でも、もう一日が終わる。
いつもの様に彼女を送り届けて今日は解散。
帰るのが嫌で最後のハグをする。この瞬間。まさにリア充!
根暗オタクなはずの俺にこんな彼女ができるなんてな。
ゴンッ!
鈍器で殴られた様な鈍い音とともに後頭部を激しい痛みが襲った
っていうか、鈍器で殴られたんだろう。多分
いやさ、急すぎない?展開急すぎない?彼女とハグしてたらいきなりゴンッて。誰だ?通り魔か?
色々考えているうちに俺の体は地面に横たわっていた。彼女を守る術もなく、意識が遠のいていった。
視界が闇に呑まれるってこういう事なんだろうな。
(・・・ねぇ・・起きて・・・起きてってば・・)
夢でも観ていたんだろうか。俺の大好きな彼女の声がする。。。
あぁ、本当は今からデートなんだな。うん、そろそろ起きるか。
「やっと起きたー。ねぇ、ここどこ?」
「んー?・・おはよ・・う・・ん?」
目を開けるとあたり一面真っ白の世界!・・・なんてものなら神秘的なもんだが、俺たちは、古風な狭い畳の部屋で、コタツに足を突っ込んでいた。暖かい。コタツの上にはみかんがいくつか置いてある。まあ、定番よね。
俺が思考停止していると、正面にある襖がサッと開いて、
グレーのスウェットに、白のタンクトップをインした痩せこけたおじいさんが現れた。
「およっ、起きたかい?まぁ、色々疑問があるとは思うがお主たち、体の調子はどうだ?」
「はい、体は何も異常はないのですが・・・」と彼女
「そうかそうか、そりゃよかったわい。ていうかそうでないとおかしいしの。逆に。ホッホッホ」
おいじじい何笑ってんだよ。てか誰だよあんた。
「ん?儂か?儂はお主らでいう神様じゃよ。ホッホッホ」
ホッホッホじゃねえよ、このじじい頭おかし・・い?・・・ん?
待てよ、俺さっき声に出ててか?いや、出てないよな?って事は心を
「そう!読めちゃうんだよね!儂!」
・・・。
「あれ?何じゃいそのノーリアクションは。今のワ○ピースなら後ろにバーン!って出てたぞ?って、儂神じゃから出そうと思えば出せるんじゃった!ホホッ!」
どうやらこの能天気ホホホ爺さんの言う事は本当らしいな。まぁ確かに心も読まれ、あのバーン!を背景に実際に3Dで出してたもんな。うん、あれ観たら、信じるしかないでしょ。
「なあ、爺さん、あんたが神様だとして、ここはどこなんだ?俺たちは何で神様なんかとコタツ囲んでんだ?」
「ここはの、儂の家じゃよ。ええじゃろ。築7265年じゃ。ほんでの、お主らは死んだんじゃ。いや、正しくは殺されたんじゃよ」
「は!?死んだって、殺されたってどういう事だよ、現に生きてんじゃねえかよ!」
「あ、築年数スルーの方向なんじゃな。それがの、その体は儂が一時的に保っているだけでな、もうすぐお主らは生まれ変わらねばならん。それが、魂の掟じゃ」
「ちょ!生まれ変わるって」
「まあ落ち着け!横の彼女ちゃんを見習って最後まで聞かんかい。お主らは、殺されたと言ったじゃろ?そのお主らを殺したのが天界の者らしくての。まだ詳しくはわからんが、こっちの不手際じゃったらしい。本来は、記憶を消してから、別の生命へと生まれ変わって貰うのじゃが、今回は特別に記憶をそのままに生まれ変わって貰う。」
「んー、全然納得も実感もないがそういう事か。確かにあの時死んだなとは思ったしな。」
「え、その時の事覚えてるの?私何にも覚えてなくて・・・。」
「そーなのか?まあ思い出しても良い事じゃないし、忘れたままの方がいいさ」
「そなたの言う通りじゃ。覚えてない方がいい記憶というのもある。という事でな、時間も押してるし早速生まれ変わって貰うのじゃが、どうにも記憶をそのままにして元の世界でやり直すのはタブーらしいんじゃ。だからの、お主らには別の世界に行って貰う事になった!それも二人一緒にじゃ!どうじゃ?いいじゃろ?異世界じゃぞ?」
「出たー。異世界転生って奴?いいじゃん。それに二人一緒になら余計いい。」
「おー、やはりそういうと思っておったわい。可愛い彼女ちゃんはそれでいいかの?」
「はい!二人一緒ならどこだって大丈夫です!」
「そうかそうか!あいわかった!では転生を始める!」
爺さんの合図と共に俺たちの体が光に包まれだした
「じゃあの!また何かあれば儂から連絡するからの!最後に!お主らのあっちでの新しい名前を授ける!
【レド・ケミストリー】!
【ナチュ・ラ・グレイト】!
神の導きに従い健闘あらんことを!」
ふわっと周りが白の光に溢れ、光はとても気持ちのいいベッドのようで気付けば瞼を閉じていた。
ここから、俺たちの異世界物語が始まる。