The Little Match Girl
もし「マッチ売りの少女」が詩だったら
年の瀬せまった 大晦日
小さな少女が 雪道の
片すみに立ち 往来の
年越し準備の 人々に
必死にすがり 売るマッチ
少女を残して 死んだ母
形見に靴を 残したが
馬車に撥ねられ うしなった
裸足の少女の 指先は
昼には赤く 変色し
だんだん青く 黒くなり
はじめは痛みを こらえたが
そのうち何も 感じない
マッチは売れず 陽は沈み
家には帰れず 立ちつくす
稼ぎがなければ 父親に
少女はひどく 叱られる
少女を愛した 祖母と母
思い出だけが あたたかく
町を見守る オーディンの
救いの息吹は 雪まじり
鉄のいばらの 現実は
少女の身体に 突き刺さる
立てなくなって 軒の下
月より遠い 窓の中
つららの剣 ダモクレス
マッチを擦れば しあわせの
薪のストーブ 七面鳥
炎が消えれば 幻へ
雲の隙間の 流星群
命の星は 落ち続け
〈あのうちひとつは 私だね〉
少女は最後に つぶやいた
炎に浮かぶ 祖母の顔
やさしく少女に キスをする
流れる涙は すぐ凍り
少女は静かに 目をとじる
みどりの若葉 春の風
夏の太陽 川遊び
すべては夢へと 消えていく
少女の救いは 何なのか
生きた証は 何なのか
誰もが深く 考えた
百年経っても 考えた
「冬の童話祭2018」を年内に書いて、年末年始、楽をしよう!
と思って書いたら、提出規定は、文字数3000以上。
あれっ!?
2527文字足りない!
(#;.;#)ひえー(笑)