お○ま様に摂り憑かれて…大嫌いな「将棋」が大好きになっちゃった!!!~序盤編⑫ お○ま様未来~
20年後――――
その「女性」は商店街に足を運ぶ‥何かを「品定め」する様、素早く視線を左右に‥しかし歩みを止めない…
「よぉ!!!姉ぇさん!!!今日は買ってかないのかぃ!!!」と言う声に足を止める…
その「女性」は、不愉快そうに声の主に、向かい言い放つ…
「1つ‥何時も98円の『トマト』が128円だし‥買わない…
2つ‥この前の『アスパラ』が思ったより筋っぽかった‥だから『柔らかい』と書くのはどぅかと思う…
3つ‥誰が『姉さん』なの?親類にも『まだ』言われないし…貴方より絶対に若いし!!!」と
3つ目が「特に」気に入っていなかった…
「ちょっと待て‥姉さん…じゃなかった『お姉さん』…そんな積りじゃ…」と余計に「女性の気を逆撫で」する…
「じゃ!!!」と、引攣る「笑顔」は勿論笑ってはおらず‥立ち去ろうとするが「女性」に
…
「何でぇ‥『医者』の癖に『ケチケチ』しやがって…」と聞こえた、それが彼女の臨界点であった…
暫くは、振り返らず歩いていた‥ここからは何を言ったかその女性は覚えていない…が
結局トマトを98円にし、アスパラとベーコン(ブロッコリはサービス)を300円(税込)で買う事となった…
「で‥『姉さん』は医者じゃない事は解った…勿論こっちが『悪口』を言っちまった‥申し訳ねぇ…」と
「まだ『姉さん』言うか!!!」とは、内心思ったが、そこは置いておく…
「で‥以前から気になってたんだが…『カバン』に付いてる『駒』は何でぇ?」と聞かれると…
「あぁこれね?『馬』は『お金』が貯まるのよ、だから付けてるの…」と、その女性は答えた
「オジサン!!!ゴメン!!!私、急いでるから!!!」と、手を額付近まで建てて軽く会釈し足早に立去る…
「おじさんって…」と商店主はショックを受けている時に「また来るね!!!」と、笑声で返され
「俺も『将棋』するんだ…今度『対局』しようぜ!!!」と言う「言葉」を飲み込んだ…
「『この女性』はきっと‥良い『将棋』をするに‥違いねぇ…」と思い「言葉」を飲み込んだのだ
振向きもせず、後姿の女性のカバンの止め具付近…
キーホルダーには「馬」の両隣に「田」駒と「国」駒がキラリと光っていた