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1話3幕

「なんで今日こんな疲れてんだ...」

 現在絶賛入浴中。1日の疲れも洗い落としたいところだが、落ちないくらいどっと疲れている。原因はあいつだ。

(なんで俺が...まさかまじであいつが能力者で、俺も能力があるとか...?)

「なーんてそんなバナナ」

 そんなことあるはずない。そう考えて呟く。

 ...え?滑ってる?そうだね、バナナだけにね。皮で滑るっつって。

(明日も学校あるし早く寝るか...というか疲れたからもう寝たい)

 明日の準備をサッと済ませてベッドに倒れ込む。するとすぐに微睡(まどろ)んできた。思っていたより疲れていたようだ。

(あ...電気...)

消さなきゃ。そう思う前に、俺の意識は落ちていた。


 翌朝、携帯電話が鳴る音で目が覚めた。

「ん...?」

 着信は母親からだった。

 時間は6時半。俺がいつも起きる時間とあまり変わらない時間だ。

(しかしまぁ、こんな早朝に電話なぞかけてくるとは、相手の生活習慣を考慮していないな。説教だ。)

 電話に応える。

「よぉなんやおまん、人が寝とんのにようかけてこれたなおい」

 エセ関西弁で突っかかってみる。

「何キレてんのよアンタは」

 なぜ関西弁なのかはツッコまれなかった。

「寝てたっつってんだろ、時間を考えろ」

「あぁごめんごめん。こっちはもう昼だからさ」

 紹介していなかったが、親は二人とも海外で働いている。正直父親も母親も傍迷惑(はためいわく)な人間なので一生帰ってこないでほしい。というかそう言ったら二人とも口を揃えて、「やだ」。理由は俺が困っているのを見るのが楽しいかららしい。まぁ帰ってこなくても電話とかメールとかで困らせてくるんだが。本当に親かこいつら。

「時差くらい頭に置いとけよ...」

「いや〜もうこっち来てそこそこ()つからねぇ」

 ちなみに俺が中学1年の時に両親は海外に行ったので、だいたい3年くらいはあっちで生活している。だからそれ以来、俺はずっと一人暮らしだ。

「それで、用件はなんだ?」

「あぁそうそう、言わなきゃいけないことがあってね」

 なにやら意味深な言葉に(いぶか)しんでいると、とても楽しげな明るい声で、とんでもないことを言ってきた。

「実は北斗には、妹がいます!」

「.................................は?」

 俺は今まで一人っ子だった。少なくともそう思って生きてきた。そのため「妹がいる」などと意味のわからないことをいきなり言われ、疑問符の嵐が渦巻いている。大絶賛困惑中である。

「プリーズインジャパニーズ」

「北斗には妹がいます」

「日本語でお願いします」

「北斗には妹がいます」

「日本語でおk」

「耳聴こえてるアンタ?」

「...いや、意味がわからないんだが」

 自分でも耳が正常か疑う。ていうか疑ってなかったらこんな問答(もんどう)はしない。

「妹がいるとか15年ちょっと生きてきて初耳だぞ。ていうか今までその妹はどこでどう生活してたんだ...」

「I also want to talk on the phone with my brother.」

「!?」

 突然電話の向こうの遠くから、可愛らしい声が聞こえて驚く。

「こら(みなみ)、ちゃんと日本語で話しなさい。お兄ちゃんこれくらいの英語すらわからなくて、なんて言ったかわかってないわよ?」

「わかっとるわい」

 ちなみに今のは、「私も兄と電話で話したい」だ。仮にもそこそこのレベルの高校に受かってるんだからこれくらいの英語は聞き取れるし訳せる。話せはしないが。

(ていうかまじでいんの...?)

「え〜お兄ちゃんこんなのもわかんないの〜?」

「だからわかってるっつの」

 多分、妹(?)には届いてないだろうが、とりあえず抗議する。日本にずっと住んでる高校入りたてが、英語圏にいる人間に比べて英語をわかることなんてそうそうないのだ。

「じゃあ替わるわね〜」

「お、おう」

(急だなぁ)

 しかし急に切り替わるのはいつものことなので気にしない。替ったあとのほうが気にかかる。少なくとも俺の記憶では初めて話す相手だ。若干緊張してしまう。

「替わったよー南だよー」

 わりとフランクな口調で可愛らしい声が聞こえてくる。

「えっと、どうも。北斗です」

「あれー?なんでそんな堅いの?」

 緊張してんだよ、と言おうとした。しかし南さん、少々逡巡(しゅんじゅん)し、

「あー!朝だから息子と一緒に硬くなってるんだね!」

 全世界が固まりそうな爆弾発言をしてくださった。

「朝っぱらからひでぇな...そもそも意味が違うぞ。ていうか女の子がそういうこと言うもんじゃありません」

「えー」

「えー、じゃねぇ。恥じらいを持てよ。」

「恥じらいなんてもん...ママンの腹ん中に置いてきちまったぜ...。」

 南はハードボイルドな雰囲気を出しつつ言う。だが全然ハードボイルドじゃない。

「じゃあすぐそこにママンいんだから取ってこい。」

「えー」

「えー、じゃねぇよ。なんで嫌そうなんだ。」

「めんどくさいもん。」

(こいつ...)

 まさにあの親にしてこの子ありというような感じだ。

 そこで母親の声が入る。

「そろそろ伝えること伝えなさいよ。北斗も学校あるんだし。」

(あ、やべ、そうだった)

 慌てて時計を見る。まだ十五分 ()っていないくらいだった。余裕をもって準備をしてもまだ遅刻の心配はない。ひと安心。

「そうだね、そのためにわざわざ高い料金払って国際電話かけてるんだもんね...。というわけで!衝撃の事実のあとの、衝撃の未来!耳の穴かっぽじって心して聴きやがれ!」

(もうツッコむ気にならん...)

 無駄にテンションが高い。朝からとんでもなく疲れさせられている。なんなんだ俺の家族は。

「来週から私そっちに行くから!」

「はっ?」

「じゃあねー!高校頑張ってね!」

「ちょっまっ」

 ブツッ。

「切りやがった...。」

 状況を飲み込めないうちに次から次へと...知識のない老人を狙う悪徳商法や詐欺みたいだ。

 そっち行くからって、そっちってどの範囲だ?日本ってことかこの家ってことか?

 聞きたいことはいくつかあったが、とりあえず、

「面倒なことになった...。」

 俺は頭を抱えた。

おはようございます、ゆきです

投稿が朝だからおはようございますです

それ以外の時間に読んでる人はどう返せばいいかって?そんなの、おはようございますに決まってます

社会じゃ挨拶は常におはようございますが常識ですからね(嘘)


くだらない前置きはさておき、1話3幕でございます

今回は新しくキャラが(声だけ)登場です

詳しくは(多分)次回以降に!


今回はあんまり後書きとして書くことはないので、ここらで締めようと思います

それではまた次回に!

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