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俺の周りには非常識が多すぎる⁉︎  作者: 冬紀
第1章 魔法使いとの日常
8/14

夕暮れの放課後

「部活を作らせてください!!」

フィルはサキ先生に頭を下げる。

「いやな、部活を作るのはいいんだが……これはどうかと……」

サキ先生の机の上にあったのは部活申請書


【部活申請書】

 ・部活名

   研究部 

 ・活動目的

   世界の不思議を調べる

 ・部員

   フィル=ミュール

   朝比奈 ソウタ

   叉月 サナト

 ・部室  

   部活校舎三階の空き教室

 ・活動時間 

   授業終わりから六時まで


「まあ、部活名は許す他も大丈夫なんだけど……活動目的がダメだな……なんや世界の不思議って、他にもう少しましな活動目的はないのか?」

サキ先生は溜息をつきながら部活申請書をもう一度見る。

「やっぱり、部活目的がな……」

その時、

「それは、部活申請書だな……?」

「わ、校長!! いきなりですね、そうなんです……」

いきなり後ろから声をかけてきた校長に部活申請書を見せる。

「ま、面白いし……許可する!!」

そんな突然の判断にサキ先生は驚き、フィルは笑顔になる。

「「いいんですか!!」」

その二人は、はもっているようではもっていなかった。

そして、いつの間にか部活申請書には許可印が押されていた。



放課後になりオウカさんと学校案内の約束を果たすため、オウカさんを教室で待っていた。

「オウカさん……遅いな」


部活から出るのに手こずっているのだろうか……


そう思っていると廊下を走る足音が聞こえてきた。

「ごめん!! 朝比奈君、少し手こずっちゃって」

オウカさんが教室に入ってきた。

「いいよ、俺が案内頼んだんだし」

「そっか、じゃ行こうか」

オウカさんは俺の肩を叩くと教室を出る。

「そういや、オウカさん体操服なんだな」

俺のふとした質問にオウカさんは振り返ると

「うん。陸上部だしね……え~っとここは音楽室ね」

案内をしながら質問に答えてくれる。

この後もオウカさんは少し早口ながら、学校の案内をし俺の質問にも答えてくれる。

ルルに聞いてもよかったんだが、こうゆう青春のイベントは大事にしていきたい。


しばらくして案内が終わろうとしていた時、オウカさんが

「そう言えば朝比奈君、告られたんだったね」

と、俺の胸を指差しながら、意地悪く笑う。

「え、何で知って……って、はぁ~聞いてたんだな」

いきなりの質問に戸惑いながらそう答える。

そう、俺はさっきオウカさんを待っているときになぜか一年生の 猫美 モモカに告られた。

俺は一回もあったことがなかったが、猫美 モモカは俺を知っていたようだ。

「君も隅に置けないね……で、どう答えたの?」

そのままニヤニヤしながら、楽しそうに話す。

「はは、いったん保留にしてきた……、もういいだろ?!」

俺は少し、顔を赤くしていった。

「朝比奈君、こうゆう事慣れてないね……?」

その言葉には、恋愛のこととはまた違う意味が込められているような気がした。

「なあ、少し話を聞いてくれるか?」

あまり自分のことを話さないが、なぜかオウカさんには話したくなった。

「うん、いいよ」

なぜかその時のオウカさんはいつもの元気良さとは違い、優しい声でそういった。


「ちょっとした昔話なんだが……俺は小さい頃から人というものが分からなかった。多分みんなはそんなことを思っても深く考えないんだと思う。でも俺は必要以上に考えてしまった。その頃から、人というものが怖くなった。しかし普通はそんなことを思っても普通に学校生活を送れば、すぐに慣れる。でも家の事情で俺は転校ばかりして人とのコミュニケーションがとれなかった。そうなると中学校、高校一年俺は人が怖いという思いは消えなかった。隠せてはいるがいつ裏切られるかいつ突き放されるか……そればかり考えいた。でも、こうしてオウカさんみたいな友達ができてからそう考えることはなくなった。ま、まだ一日だけどね……よかったよ」

俺は昔のことを思い出しながらどこか遠くを眺めていた。

「ふ~ん、そうゆうことね……」

オウカさんは一瞬真剣な顔をし、意地悪くまた笑う。

「じゃあさ、人の恐怖を無くすため私と友達以上になってみる?」

オウカさんは俺との距離を詰める。

俺はそれが本気なのか冗談なのか分からず、とまどいながら距離を取ろうとする。

しかし世界がそんな行動を許さなかったのか俺は何もないところで転んでしまう。

オウカさんはその上に跨り、

「朝比奈君って定番のことしてくれるね」

そう笑うがいつもとは違いなぜか真剣さが伝わる。


 え、本当に……


「ソウタ、私と……」

何気に名前で呼ばれたことにドキッとしながら、オウカさんの真剣な雰囲気に呑み込まれる。


しかし、オウカさんがそのセリフを言おうとしたとき、教室のドアが開く音がした。


「ソウタ君案内終わった……?」

教室に入ってきたのは、フィルだった。

そして、この状態を見て勘違いしない人はいない……俺はとっさにフィルに状況の説明をしようとしたが……勘違いは生まれなかった。

「だ、大丈夫ですか?! 怪我とかしてませんか!!」

多分、フィルはこういった場面を見たり体験していないのだろうだから純粋に場面を受け入れるが、この状態の知識がない……

さすがのオウカさんもこの反応は予想していなかったのかさっきの真剣な雰囲気とは違い

明るい雰囲気で

「いや~、ソウタがたおれちゃってさ~本当、困ちゃうよ」

 

困った行動はフィルの方だと思うのですが……


俺も勘違いされると思ったので少し拍子抜けした。

「じゃ、私部活あるから……ソウタ、フィルちゃんまたね」

そう言って、教室を出る。

俺は一応状況を説明し、俺も帰るとフィルに伝えた。

「じゃあな、フィル」

「はい、また明日です。ソウタ君」

フィルが右手に部活申請書の紙を持っていたが嫌な予感しかしなかったので半ば強引に教室を出る。

そして、俺の心情はそれどころではない。


さっきオウカさんが起き上がる寸前耳元で


「返事期待しているよ……」


と、言ったのだ。

あれは冗談だったのか真剣だったのか次オウカさんに会うまで悩まされるのであった。



今日、一日が長かったな~と思いながら、帰りの電車に乗り、自分の家へと向かう。

今頃家では、アヤがご飯を作ってくれているのだろう。

「ただいま~!!」

「あ、お兄ちゃんおかえり」

家に帰ると、いつも以上に明るい声でアヤが迎えてくれる。

「もう、ご飯できてるから先食べちゃってくれる?」

微かにだが、うまそうな匂いが漂う。


 多分今日はカレーだろう


俺は、久しぶりのカレーに心躍らせながら夕飯の席へと移動する。

アヤは、どんなに遅くても俺と一緒にご飯を食べてくれる。

そんな、些細な優しさを感じなら、いただきますと言ってカレーを食べる。

子供のようにカレーを食べる俺を見て、優しく微笑みながらアヤはカレーを食べ始める。


「そう言えば、今日此処の近くの駅で殺人事件があったんだって、お兄ちゃんその駅利用していたよね?」

急に突飛押しもないことを言うので反応に困りながら、

「うん、多分その駅だと思う……今日の朝人だかりもできていたし」


 あの人だかりは殺人事件の野次馬だったのか……


しかし、こんなことを食事中に話すことではない。

そう思い、ふと話の話題を変える。

「あ、思い出した!! 今日少し気になって家に電は掛けたんだけどなんでいなかったの朝、少し心配したよ?」

アヤも、今の話は相応しくないと理解したのか、ごめんと言って俺の質問に答える。

「朝?私も今日から学校だったんだよ? お兄ちゃんとは少し時間は違ったけど……陽城学園、朝いないのは当然だよ」

そう言えば今日アヤも学校だったことを思い出す。

「あ、ああそうだったな、ごめんごめん」

そんな俺を少し心配するように笑いながらアヤは、カレーを食べる。

その後もいろいろな話をした。

学校の話や、今後のことも……


その中でも特に学校の出来事はとても楽しい物だったのでアヤにたくさん話した。


 もちろん、魔法使いの話はしていないが……


こんな楽しい普通の日常を送れることに少しの感動と、少しずつ普通とは違う何かを感じる不安の中、今日のことを楽しくおかしく話した。


たくさん、たくさん話した。


そんな楽しさに浮かれていた俺は、この時アヤがとても悲しく冷たい目をしていたことに気付くことはできなかった……

8回目の投稿です。

やっと、1日が終わりました。

長いですね......w


これからテンポよくタンタンタンっと物語を進めていく予定です。


また、暇があれば感想をよろしくお願いします‼︎


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