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俺の周りには非常識が多すぎる⁉︎  作者: 冬紀
第1章 魔法使いとの日常
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魔法使い レイン=フィルミュール

パッァーン!!

当然窓の割れたような音を聞いて、目を覚ます。

「な、なんだ……!? おい、ルル聞こえた? 」

俺は、端末の画面を見る。

しかしそこのは真っ暗な画面しかなかった。電池切れだ。

「あれ? 充電は満タンだったはずなんだけどな……よっぽどルルって電気くうのかな」

俺は端末をしまい立ち上がり、さっき聞こえた音の方へ行ってみる。

「音が聞こえた方が職員室の右側の方だったから……あ、職員室の隣って階段だったっけ」

階段に付くとふと違和感に気付く。

「そういや、こんな高校の中暗かったかな」

階段の段が良く見えず転びそうになる。

「おっと、危なかった。誰も見てなくても転ぶのはださいよな」

そう言って、足元に気を付けながら最後の段を上り切り顔を上げると、そこには割れた窓の破片と共に変な格好をした女の子が倒れていた。

「……。」

俺は何かの見間違いだと思い、目をこすりもう一度見る。

しかし、そこのはやはり変な格好の女の子がいた。

「うん。気のせいだな」

俺は、その女の子を無視し次の階へと昇る……

「ちょ、ちょっと待ってくださいよっ!!」

事は出来なかった。

「いや、無視はないでしょ!! こんな可愛い子が倒れていたんですよ!! 」

その女子はぐっと俺へと近づく。

俺はその分下がり、もう一度女の子の格好を見て

「お、おれそんな変な格好してる奴助けたくない……から」

そう言ってもう一度階段を上がろうとする。

「いやいや、待ってくださいって!! 」

その女の子が俺の手を引く。

「離して……?」

「嫌です」

「何で?」

すると、その女の子は真剣な顔になり、少しの沈黙の後何かを決したように俺との距離を詰める。

「手伝ってくださいっ!!」

「嫌です」

「即答っ?!」

すると、さらに俺の手を強く引き、

「何でですか~!!いいじゃないですか、どうせ暇なんでしょ~」

俺はその言い方のいらっと来たので、無理やりその手を離し階段を上る。

「あ、すいません!! 冗談です!! あぁ、ごめんなさい、ほんとちょ、事情だけでも~」

そう言いながら、涙まで流してしまった。

さすがの俺も泣かれてまだも頼まれてしまったらほっとくこともできない。

上りかけていた階段を下り事情を聞くことにした。

しかし立って聞くというのも長くなるなら疲れるので窓の割れた破片を足で払い二人が座れるだけのスペースを作りそこに座った。

変な格好の女の子につられて床に座る。

「事情を聞く前に名前とその格好の説明を」

俺は少しめんどくさそうな顔で溜息をつく。

「なんですか今のはぁ~って、聞くって言ったんだから少しぐらい興味を持ってくださいよ、私の名前は、レイン=フィルミュールです。魔法使いやってます。気軽にフィルと呼んでください」

魔法使いは、少し自慢げな顔で言った。

「……。」

「……。」

長い沈黙の中魔法使いはそのまま自慢げな顔を保ち、俺は呆然と立ち尽くした。

そしてまたしばしの沈黙の後、

「それだけかよっ!! 魔法使いやってますってだけで納得すると思ってんのか? そんなコスプレ見せるだけで、俺を止めてるんだったら俺は帰るぞ」

すると、魔法使いは少し不満げな顔で

「え~、今の説明で何が足りないっていうんですか、あなたの理解能力が足りないんじゃないんですか」

と、俺の頭を指差す。

俺は、階段を上り始めた。

「ああああ、何でですか? 無視しないでください。おねがいします!! あ、ちょっとうわあああ、ほんとに待ってくださいって」

そう言いながら、魔法使いは女の子とは思えない力で俺の腕を思いっきりつかむ。

「いたたたっ!! いたい! いたいから!! 分かったちゃんと聞くからその手を離せぇええ!!」

そして俺と魔法使いはまた定位置に戻った。

「で、ちゃんと説明してくれよ。事情とか何たらを」

すると、魔法使いは真剣な顔の戻り説明を始めた。

「それははるか昔……」

「はい、ストップ!!」

俺は頭を抱えながら魔法使いの顔の前に手を置いた。

「なんですか、今から真面目に話そうとしていたのに」

魔法使いは少し不満そうな顔でそういった。

「いやな、確かに俺はちゃんと話せとは言ったけどなんではるか昔のことから話し始めてるんだよ。おかしいだろ」

するともっと不満そうな顔で

「ここまで説明するのは~、はるか昔から説明しないと~、理解できないんです~」

俺はその言い方に少しいらっとしたが、また無視するとループしそうなので我慢した。

「分かった。もう遮ったりしないから、話を続けてくれ」

「じゃあ、続けますよ……はるか昔、私の住んでいるレイン王国ともう一つの王国シヴァル王国の二つが戦争をしていました。その大半の戦争は魔法戦争でしたが魔法戦力がほぼ一緒な両国は他のことでも争うことになりました。魔法を禁止した戦争、魔物をどれだけ倒したかの勝負、国民参加型じゃんけん大会など……それはもう……」

「はい、ストーーーー―ップ!! ごめんな? 遮らないって言ったけどなんだよ!? 国民参加型じゃんけん大会って、すっごい平和だなびっくりしたわ。シリアスムードから一気に現実に引っ張られたわ、じゃんけんで争うとか滅んでしまえそんな王国」

魔法使いはまた不機嫌そうな顔で頬を膨らませたが俺が頭を下げるとまた真剣な顔に戻り話を続けた。

「それはもう、いろいろなことで争いました、がいずれにせよ結果は引き分けでした。しかしその引き分け続きの争いもレイン王国の王が変わったのち変わっていきました。そして追い込まれたシヴァル王国は、法で禁止されている禁じ手を使ってしまいました。悪魔召喚です。それに気づいたレイン王国だったはとめにいきましたが、その時にはもう手遅れで悪魔召喚が終わっていました。それと同時に悪魔召喚がなぜ禁止されていたのかを知りました。使われた魔方陣から次々と悪魔が召喚されそのシヴァル王国は悪魔に乗っ取られました。その日から悪魔の猛攻が始まりました。すべての王国が悪魔軍に侵略され人間はすべて奴隷として使われるようになり、悪魔軍はとうとうその世界では物足りず、ここ地球に目を付けたのです。今は精神を乗っ取ることしかできないので、私たち地球で活動していた魔法使いが乗っ取られた動物たちを倒してきました。そして、まだまだ下っ端の私が今その悪魔に追われ戦っているというときにあなたに出会いました。このような過去があり今にいたるのです」

長い話が終わり、俺は今の状況を頭で整理した。

「つまり、その悪魔軍? とやらを倒すのに手伝ってほしいと……」

すると理解してくれたのがうれしかったのか魔法使いは急に立ち上がり、

「そうなんです!! しかもあなたは私が倒れているふりをしているとき悪魔に襲われてはいけなかったので結構強力なバリアを張っていたのに、それに干渉されず素道理で来たのはあなたが私より魔力が高いということ!! なぜ同じ魔法使いなのに事情を知らないのかは、分かりませんが……とにかく私とあなたが協力すれば今向かってきている悪魔を倒すことができます!!」

そう言って目をキラキラさせながら両手でガッツポーズをとった。

おっと、この魔法使いちょっと誤解しているようだ。

「えーっと、魔力とか何だか知らないが俺は魔法使いでもなんでもないんだ、ただの一般人だよ。だから手伝うことはできない。そもそもお前に言ってることすら俺はまだ信じていないというか信じられるか魔法使いとか悪魔とか……もういいだろ……」

立ち上がりながらそういって職員室に戻った。

だが、なぜが魔法使いもついてくる。

俺は、ついてきた魔法使いを無視しふとした疑問を呟いた。

「そういやそろそろ入学式終わっていい頃なのに、人ひとりいないな……」

その疑問に魔法使いもとうとう呆れ、

「何言ってるんですか、此処は私たち魔法使い側の世界なんですから一般人はいるわけないじゃないですか。ホント何も知らないんですね」

そのあと魔法使いは、優しく微笑んだ。

 いやいや、笑ってる場合じゃないから

「え、ちょっと待ってよ。魔法使い側の世界? なんだよそれ、からかうのもいい加減にしてくれよ。まるでほんとにいるみたいじゃないか、魔法使いとか悪魔が」

すると、また微笑みながら

「またまた、実際に目の前にいますしあなただって魔法使いじゃないですか」

「いやいやさっきも言ったけど俺ただの一般人だよ?」

「え……? 冗談ですよね」

俺の真剣な表情にさすがに気付いたようだ。

「うんん、一般人」

しばしの沈黙の後

「えええええええ!!! 嘘でしょ?! 私勘違いして……、どうしよう、一般人にこの世界のことがばれたらその人を殺さなくちゃいけない……ああ、でも私のせいだしどうしよう」

魔法使いは、聞こえないと思ってぶつぶつと言っていたがまる聞こえだった。

 てか、さらっと殺すとかってワード出てなかった??

「なあ、魔法使い、今何って……」

俺は、今のことを聞き返そうとまだぶつぶつ言っている魔法使いに声をかけた。

しかし、その声は魔法使いには届かず、代わりに職員室の廊下の壁が何者かによって壊され、壁が崩れる音が学校内に鳴り響いた。


4回目の投稿です。冬紀です。

前と結構時間が空いてしまいましたがこれからも投稿していきます。

また、暇があれば感想などよろしくお願いします。

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