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掲示板の秘密を知ってしまった

 いい匂いがする、今日はカツカレーか。目の前ではゴージャスなドレスを着た女性がスプーンを口に運んでいる。

 そんな服を着たままでカレーなんか食べちゃダメだよと一言いいたいが、声を出すことができない。

 あぁ、いわんこっちゃない、服に黄色い染みをいくつもつけちゃって。彼女は服が汚れるのを気にする様子もなく、ほんとに美味しそうにカレーを食べている。


「爺や、これより湯浴みをするので準備してまいれ」


 カレーを食べ終えた女性がロール状に巻いた金色の髪を手に、側にいるザ・執事といった風の初老の男性に声をかける。

 心の中でキターと叫び、彼女が風呂に行くのをじっと待つこと十数分。姫様用意が整いましたと幼女が呼びに来て、それについていく。

 俺はというと、行けーと心の中で叫ぶが一向に動かない。あぁ、彼女が行ってしまう。


「ミフォーレもついてまいれ」


 俺に言ったのだろうか、彼女の言葉が発せられた後、目に映る光景が変わっていく。彼女の姿が中心に映っている。そう、俺は彼女の後をついて歩いているのだ。俺、グッジョブv

 

「姫様、お召し物を失礼いたします」


 幼女が二人、姫の服に手をかける。と、そこで俺の目の前は真っ暗になってしまった。

 そして俺は股間に何やら嫌な感触を感じつつ目を覚ますことになる。あぁ、やっちまった。認めたくないものだな。自分自身の、若さゆえの過ちというものを。




 次の日もあの女性の夢を見た。俺は叱られている。


「ミフォーレ、どうして私の言うことが聞けないの?」


「姫様をお守りするのが親衛隊のわたしの役目です」


 姫のきつい言葉にも真っ向から反論する俺かっけー、じゃねーよ、勝手に口が動いてるんだ。


「私はあなたも女性なんですから、もっと綺麗な服を身に着けるべきだと申し上げてるだけです」


 どうやら俺は夢の中では女性で、姫様にもっと女らしくしろと言われているらしい。


「もういいわよ、罰として今日は私の横で抱き枕になること」 


 天蓋つきの大きなベッドで俺は微動だにせず彼女に抱きつかれている。蛇の生殺しだ、1分1秒がとても長く感じた。天井から釣り下がっているピンクの薄い布の襞をひとつ、ふたつと数えていく。と、その時間を切り裂くものがきた、寝返り打って向こうを向いていた彼女がこちらに戻ってきたのだ。

 そして彼女の足は見事股間にHit

 その瞬間、夢の中では女性のため、あるはずもないにも関わらずち○こに激痛が走った。これは実際にはないはずなのに痛みを感じるという幻肢なのだろうか。

 そこで意識が途切れ、気付いたのは自宅のベットの上であり、体中がかちこちにこりまくっていた。


 俺はいつものように2chを巡回しているが、最近見る夢が頭から離れない。

 姫様の風呂か、覗きたかったな。

 姫様との添い寝、あれはよかった? のか?


 呟いた言葉が、ふと記憶の隅から常駐スレを思い起こさせた。

 急ぎギコナビから該当スレのログをチェックする、やっぱりだ。


 




191 名前: この名無しがすごい! [sage] 投稿日: 2015/11/09(月) 23:34:11.11 ID:07PjLMIc

カツカレーでも食ってろ



192 名前: この名無しがすごい! [sage] 投稿日: 2015/11/09(月) 23:43:29.46 ID:id4FwQP/

お前いつもカツカレーって言ってるな

ノシ 風呂入ってくる



193 名前: この名無しがすごい! [sage] 投稿日: 2015/11/09(月) 23:44:11.11 ID:6DoVCWw3

やべー、今日の模試最低だったわ

お先真っ暗だ



194 名前: この名無しがすごい! [sage] 投稿日: 2015/11/09(月) 23:46:21.31 ID:k+Xkvih2

>>193

漏れでよかったら慰めてやんよ

おねーさん?が枕元で添い寝してやんよ



195 名前: この名無しがすごい! [sage] 投稿日: 2015/11/09(月) 23:49:53.01 ID:OepJifmq

お前女だったのか?



196 名前: この名無しがすごい! [sage] 投稿日: 2015/11/09(月) 23:55:21.31 ID:k+Xkvih2

>>195

ち○こ挟むから安心してくれ



 やっぱりだ、カツカレー食って? 風呂入って、ブラックアウト。

 添い寝、俺は女―これは前から夢の中ではそうだったよな―、ち○こに激痛、間違いない、夢はこのスレの通りの内容だ。

 大きな発見にこの身を歓喜に震わせたが、掲示板を眺めていてもうひとつの大発見をしてしまった。

 そう、俺は掲示板でまことしやかに囁かれているある噂を思い出したのだ。


『2分22秒22に書き込みをおこなうと夢の中で異世界へ行くことができるんだってさ』




190 名前: この名無しがすごい! [sage] 投稿日: 2015/11/09(月) 23:22:22.22 ID:W3picaFd

暇だー、というか眠らなきゃいけないのに眠れない




 俺の書き込みはこれだ。書き込んだ時間を見ると23時22分22秒コンマ22

 偶然とはいえ、2が7個も並んでいる。

ち○こ挟んだまでは見た、ええぃ、それはいい、次だ次を映せ、これからの俺の夢を。そうそうだそう。えーい俺の手め、何をやっておるか。




197 名前: この名無しがすごい! [sage] 投稿日: 2015/11/10(火) 00:07:53.01 ID:OepJifmq

オナニーして寝るわ、白壁のように濃いやつ噴射してやる



198 名前: この名無しがすごい! [sage] 投稿日: 2015/11/10(火) 00:14:04.99 ID:SDV23NgW

長い時間かけてたプラモが完成した

ずっと眺めていたかったけど

肩こったんで外いって体動かしてきた

コリもほぐれてやっと自由になったわ



199 名前: この名無しがすごい! [sage] 投稿日: 2015/11/09(月) 00:28:36.39 ID:id4FwQP/

うるせー

消防車がこんな夜更けなのにカンカン鳴らしながら走り回ってるわ



 震える手を鎮めつつマウスのホイールを少しずつ回していく。

 今日の夢の予定はこれか! ついに来た、おなにーた~いむ。おなにーするのは女の姿の俺か? それとも姫か? やべ、興奮して今夜は眠れそうにないわ。




 俺は護衛という任務のためか、姫に露出癖があり、俺に見せつけさせるためにここに待機させられているのか、微動だにせず姫の痴態を見守っている。

 うぉー、咆えろ俺の魂のち○こよ!

 ようやく姫の自分を慰める行為が終わったとともに、俺は嬉しくもあり、虚しい時間も終わりを告げた。

 どのくらいの間こうして見ていただろうか、姫の命令のもとぴくりとも動くことを許されずに見守っていたため体の節々が悲鳴をあげている。

 姫のご苦労だった、もうよいの言葉をいただき、やっと体を弛緩させることができたが、肩を回してみても体中のコリはとれそうにない。

 そこで俺は姫の許しをもらい、部屋の外へと出て体を動かした。するとなんてことでしょう、コリもほぐれて体が自由になったではありませんか。

 こいつ・・・動くぞ!

 自由自在とはいかないが、このように動きたいと思い浮かべると体がその通りに動いている。

 いろいろ検証してわかったことがある。俺の考えがこの体の持ち主の考えに干渉して行動をある程度制御することができるようだ。


 カンカンカン


 外から繰り返し鐘を叩く音が聞こえる。


「姫、城の厨房が火事だそうでございますぞ。ここまで火が来ることはまずないことと存じますが、念のため逃げるご用意をお願いします」


 老執事がいつものごとく、慌てる風もなく静かに扉を開き部屋の中へと入ってきた。

 そこで俺は現実世界へと引き戻され、若さゆえの過ちという名のねちゃつくブリーフを洗濯機へと放り込む。


 

 大した内容の書き込みもなかったこともあり、それから4日間は特にこれといったイベントも起こらずにただなんとなく過ぎていった。

 といってもその間に分かったこともある。

 忠実でいつも礼儀正しいあの老執事、彼はごくたまに好色そうな笑みを浮かべたかと思うと、さり気なく姫にタッチしていくのだ。

 他にもある、姫に仕えるメイドのひとりが姫のティータイムの片づけでトレイに食器を乗せ下がった後、影でぐへへへへぇといいつつカップ舐めているのを目撃してしまった。ここには変態女も紛れ込んでいる。

 そして5日目の夜から姫の夢は見なくなった。


 それから俺は2分22秒22に書き込みを成功させようと苦労していたが、そこでまたひとつ発見をしてしまう。


2話か3話で終わると思います。

まだ続きは書いていないので次の投稿は未定。


オープン掲示板にあわせて、感想をだれでも書き込み可能にしてみました。

でも、配慮してね。

作者のHPは既に赤色よ!

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