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宮藤シズル

「ごめんリナ、僕今日バイト休むから」

「えーっ! なんでー」

 帰宅するなり僕はリナに今日のバイトを休むことを伝える。当然のことながらリナはその理由を聞きたがってきた。

「実は……ちょっと体調が悪くて……」

 言い訳も既に考え済みだ。

 リナのことだ、こう言えば無理強いはしてこないだろう。

 本来ならこういうことはリナも一緒に連れて行くべきなんだろうけど、まだ完全に手掛かりが見つかったとは言えない状態でリナをぬか喜びさせたくはなかった。

「えーっ! 大丈夫なの永明!」

「うん、たぶん寝てれば治ると思うよ。だからさ悪いんだけど今日のバイトは……」

 店長とシフトに入ってくれ、そう僕が言いかけると、

「えへん! そういう時はこのリナちゃんに任せなさい!」

 リナが予想外のことを口にする。

「えっ」

「待ってて永明、今リナが治癒魔法かけてあげるからね。どこらへんが調子悪いの?」

「ちょ、ちょっとリナ」

 しまった! この展開は予想していなかった。

「んじゃ変身しまーす」

 あーもう、なんでこんなにノリノリなんだよ! どうすればリナを止められるんだ。

「お嬢」

 まさにリナが変身呪文(例の自称魔女っ子っぽいセリフ)を唱えようとすると、アルキマがリナを呼び止めた。

「お嬢は治癒魔法を使わない方がいいぞよ。昔、風邪にかかったニーナ嬢に治癒魔法をかけたら逆に悪化したのを忘れたぞよか」

「あっ……」

 アルキマに言われてハッとするリナ。

「ちょ、ちょっと! なにそれ! なんでリナの魔法ってそんなに怖いの!」

 いくら仮病とはいえ、今まさに本当の病人にされそうになった事態に僕は恐怖する。

「お嬢は変化魔法以外は本当にだめぞよ」

「いやーあはは~。まぁ誠意努力中ってことで」。

 いや、それほんとにシャレにならないって……。

「大丈夫だよリナ。その気持ちだけで僕は嬉しいから」

 僕はリナに動揺を悟られないように努めて穏やかに答えた。。

「永明……。うん、わかった。それじゃあ今日のバイトはリナに任せて、永明はゆっくりと休んでて! 帰りにお弁当買ってくるからー」

「うん、ありがとう。いってらっしゃい」

 僕はリナを笑顔で見送る。

「ふぅ……」

 何とか誤魔化せた……。

 リナに嘘をついてしまった罪悪感と魔法をかけられなかった安堵感から思わずため息が漏れた。



「やぁ」

 声を掛けると宮藤シズルはこちらを待ちかねていたように妖艶な笑みを浮かべる。

「お待ちしておりましたわ」

 夜のアーケード街は思ったよりも人通りが少なく、宮藤シズルの露店の場所もすぐにわかった。

 ただ宮藤シズルはフード付きの黒いマントを羽織っており、いかにもその手の人って感じがして学校の時よりも数倍話しかけづらい。

 その貫禄のある雰囲気からパッと見た時は人違いかと思った程だ。

「では相談内容をお聞かせ下さい」

「学校でも言ったと思うんだけど、魔女について教えて欲しいんだ」

「ふふふ、魔女について教えて欲しいですか……まるであなたは魔女が存在していることを当然と言わんばかりの口振りですわね」

「……」

「まぁいいですわ。そもそも魔女というのは一般人が思っているようなメルヘンな存在ではないのですよ。あなたはそれをご存じですこと?」

「え、と……魔法が使える女の子で使い魔とかがいて……寿命が僕等人間より長かったり、とか?」

 僕はリナを思い浮かべながら口にする。

 ついでに魔法が下手くそでお気楽な世間知らず……なんてことは言えない。

「まぁそれが一般人の考える典型的な魔女ですわね」

「え? 違うの?」

「ええ、本来魔女というのは悪魔や悪霊と契約を交わした人間、つまり取り付かれている人間のことを指すのです。ですからわたくし達のような霊媒師の担当分野となるのですわ。あなたのような魔法が使えて~という類は完全なるファンタジー世界の住人ですわね」

「そ、それじゃあ僕が言ったような魔女っていうのは存在しないの?」

「まぁ端的に言いますとそうなりますわね。わたくしが今まで見てきた自称魔女と名乗る人物も、そのほとんどが虚言、妄想、幻想の類でしたわ。もちろん本人は本物の魔女と思い込んでおりましたので除霊作業は施しましたけどね、ふふふ」

「そ……そんな……」

 宮藤シズルの言葉に僕は肩を落とす。

 せっかく手掛かりが見つかると思ったのに……また一から振り出しか……。

「わかった、ありがとう。とても参考になったよ。料金はいくらかな?」

 これ以上はここに居てもしょうがない、そう思い僕は料金を払って立ち去ることにした。

「お待ちなさい」

「え?」

「一人だけ、あなたのおっしゃるような魔女に心当たりがあります」

「ほんとっ!」

「ええ、と言ってもわたくしが直接見たわけではないのですけれど……。わたくしの祖父が昔出会った女の子なのですが、祖父はその子のことを絶対に魔女だと断言しておりましたわ。祖父はこの世界でも指折りの霊媒師で魔法といったマヤカシの類を信じる方ではありませんでした。その祖父が魔法で女の子に助けられたと言うのですから、本当のことなのでしょう」

「そ、その女の子は今どこに!」

「さぁ、まだわたくしが幼少の頃の話ですし、何より祖父が遠征に行った時の話みたいですから直接の知り合いではないかと」

「なら宮藤さんのおじいさんに聞いてみてくれないか!」

「無理ですわね」

「ど、どうして!」

「祖父は3年程前に亡くなりましたから」

「そ、そんな……」

 くそっ! その女の子がリナの妹さんかもしれないっていうのに……。なんでこうもタイミングが悪いんだよ!

 手掛かりが掴めそうで掴めないもどかしさに苛立つ。

「ただ祖父は生前、毎日のように日記を書いておりました。わたくしが祖父の部屋を調べればあるいは何か手掛かりが見つかるかもしません」

「えっ……ほんとっ!」

「はい」

「ぜ、是非頼むよ!」

「百万円ですわ」

「え?」

 一瞬耳を疑う。ひゃ、ひゃくまん? それってまさか……。

「祖父の部屋に入ることは我が家では禁止されておりますの。偉大なる霊媒師であった祖父には死後もその偉大さを称えて訪れる人々が後を絶ちませんわ。その聖域を汚すことはたとえ孫であるわたくしでも許されないこと。もし見つかれば、わたくしもタダでは済まされないでしょう。そんなリスクが高いことを無料でやるほど、わたくしは聖者ではありませんことよ」

「百万……」

 その言葉を呟くと金額以上の重みがのしかかってくる。

 どうしよう……さすがにそんな貯金はない。今から貯めたって何ヶ月かかるんだ。こうしてる間にもリナの妹さんがどうなっているかわからないのに。

 できれば一刻も早くリナを妹さんに会わせてあげたい。

 くっ……。仕方ない、本当は使いたくなかったけど、借金するしかないか……。

「わかった、用意するよ。だから宮藤さんはおじいさんの部屋で手掛かりになる物を探して欲しい」

 よほど意外だったのか僕のその言葉に宮藤シズルは目を見開く。

「あなた……正気ですの?」

 どうやら僕が諦めると思っていたようだ。

「たしかに百万っていう金額はキツイけどね……。でも、それでも僕はその女の子に会わなきゃいけない理由があるんだ」

 そう、全てはリナのため。はるばる異国の国から何のアテもなく妹を探すためにやってっきた女の子。その苦労を考えたら百万くらいどうってことないよ。

「一つ……聞きたいですわ。あなたがそこまで魔女についてこだわる理由は何ですの? 最初はただの世間知らずのオカルトマニアか何かと思っておりましたわ。でも、どうやらそんな生易しい理由ではないようですわね」

 そう尋ねる宮藤シズルの表情はそれまでとは違い真剣そのものだ。

「……」

 リナのこと話してもいいんだろうか? 普通の人ならともかく、宮藤シズルなら簡単に信じてくれるかもしれない。それに、もし本当に宮藤シズルのおじいさんが会った女の子がリナの妹なら、最初から事情を話しておいた方が後々面倒事はないかもしれない。

 そう考え、僕は宮藤シズルにリナの事情を話すことにした。

「実は知り合いに本物の魔女がいるんだ。その子は妹さんを探してわざわざこの世界にやってきた。だから宮藤さんのおじいさんが会った女の子が彼女の探している妹さんかもしれないんだ」

僕の言葉を聞くと、宮藤シズルは一瞬ビクリと体を震わせ静かに呟いた。

「本物の魔女……」

 さすがの宮藤シズルもこれには驚いたようだ。

「信じてくれるかな?」

「……にわかには信じ難い話ですわね。ですが、あなたのその切羽詰まった顔を見れば嘘を言っているようには思えませんわ」

 今の僕ってそんな切羽詰まった顔してたのか……。

「いいですわ。では、その魔女にわたくしを会わせて頂けます? その話が本当なら先程の件は無料でお引き受け致しますわ」

「えっ」

 無料という言葉に思わず反応してしまう。

 宮藤シズル、一体どういう心境の変化だ……。

「ふふふ、実はわたくしも『本物の魔女』には興味があるんですの。おじい様に幼少の頃からその話を聞かされていて、いつかわたくしも会ってみたいと思っていたのですわ」

 戸惑う僕の姿から心境を察したのか、宮藤シズルはそう口にした。

「ただし」

「えっ」

「もしその話が嘘だった場合、慰謝料として五百万円払ってもらいますわよ」

「ご、五百万!」

 学生アルバイトの身にとっては想像もできない金額に思わず叫んでしまう。

「当たり前ですわ。なんせこの超エリート霊媒師、宮藤シズルを騙したのですから。それくらいの制裁はさせてもらわなければわたくしのプライドが許せませんわ」

「ちなみに……払えなかった場合どうなるの?」

 僕の質問に宮藤シズルはニヤリと口元を上げ、妖しい笑みを浮かべながらゆっくりと、

「あなたの魂を抜かせてもらいますわ」

 そう答えた宮藤シズルの目はとても冗談を言っているようには見えなかった。

 あぁなるほど……噂の魂が抜かれるってこういうことだったのね。

 リナが本物の魔女でなかった場合を想像して、僕の額からは自然と冷や汗が流れるのだった。



「お疲れ様、リナ」

「え? 永明!」

 店から出てきたリナに労いの言葉を掛けると、リナは驚きの顔を見せる。

 あれから僕は宮藤シズルを連れ、アルバイト先の入り口でリナのバイト終わるのを待っていた。

「どうしたのこんなところで? 寝てなきゃダメじゃん!」

「う、うん……それなんだけど」

 どこから説明すればいいんだろう……。

 悩んでいると、リナは宮藤シズルの方に目を向ける。

「あれ? その子は……」

 リナと視線が合うと宮藤シズルは薄ら笑いを浮かべ、

「はじめまして、わたくしは宮藤シズルと申しますわ。あなたが噂の魔女ですこと?」

「えっ、あ、うん……。て、永明! これどういうことなの?」

 自分の正体がバレているこの状況に、リナはわけがわからないといった様子で僕の方を見る。

「ごめん、実は僕が体調が悪いってのは嘘だったんだ。本当はバイトを休んだ理由はこの宮藤さんに会いに行くためだったんだ。騙してごめん」

「ええっ! 何で!」。

 僕はリナに今までの経緯を説明した。

 一通り説明し終えると、リナはあっけにとられたように固まってしまう。

 そうしてリナは静かに口を開いた。

「……それじゃあニーナに会えるかもしれないの……」

「うん、でもそれにはリナが魔女だってことを宮藤さんに証明しなきゃいけないんだ。だからさ、いつもの頼むよリナ」

「ニーナに会える……ニーナに会える……」

 リナは僕の言葉をまるで聞いていない様子で、一人でぶつぶつと呟く。

「リナ?」

「ニーナに会えるんだ! やったぁーー」

「うわっ」

 突然リナが大声を上げて両腕を空に掲げる。

 びっくりした僕は思わず後ずさってしまった。

「ちょっとリナ! 人の言うことちゃんと聞いてるの? まだ妹さんだって決まったわけじゃないんだよ。それにその前にリナが魔女だって証明しなくちゃいけないんだから」

 じゃないと僕の魂が抜かれるんだってば……。お願いだから話をちゃん聞いて!

 一人舞い上がるリナに僕は焦りながら再度説明する。

「わかってるって。だいじょーぶ! 要するにリナが魔女っ子だって証明すればいいんでしょ?」

「う、うん」

 本当に大丈夫かな?

 浮かれるリナの姿に不安が拭いきれない。

「それじゃあまずは変身するよ~。マジカル~ラディカル~タンジェント~」

 ──ピカー──

 リナが呪文を唱えるとまばゆい光がリナの姿を包み込む。

「この光は……」

 その光景によほど驚いたのか宮藤シズルは驚愕した顔を見せた。

 やがて光が収まり、リナの姿が浮かび上がり、

「じゃじゃーん。魔女っ子リナちゃん参上!」

 前回と同じく魔女っ子姿で決めポーズをするリナ。

 もう変身はしなくていいって言ってるのに……。

 なんだかんだで本人もあの姿を気に入っているらしい。

「か、可愛い……」

「え?」

 思わず宮藤シズルの方を振り向く。

 今、可愛いっって言わなかった?

「こほん……な、なんですの?」

 やっぱり気のせいだよね……。

「ところで、こんなことでは本物の魔女とは認められませんわ。マジシャンなら早着替えなど造作もないことですから」

 やっぱり変身しただけだとみんなそう思うんだな……。

「へへーん。そんなのわかってるよーだ。それじゃあとっておきの見せちゃうから」

 そう言うとリナは例の呪文を再度唱え出した。

 リナの奴、得意の変化魔法を見せる気だな。

 ん? でも待てよ……。この展開って……。

 前にも似たようなことがあったことを思い出し、僕の頭に嫌な予感がよぎる。

「え~い」

 そうこうしているうちにリナは僕に向けて手に持っているスティックを向けてきた。

──ピカー──

 やっぱりだ!

「リナ! ちょっと待っ……うぎゃーーー」

 痺れる感覚と同時に僕の体はだんだんと小さくなっていく。

──ピョーン、ピョーン──

 次の瞬間には案の定、僕はバッタの姿になっていた。

「やったーー。大成功ーーブイッ!」

 大成功じゃないよ! なんでいつもバッタなんだよ! 早く元に戻せ!

──ピョーン、ピョーン──

 必死に訴えようとするも言葉が出せるわけもなく……僕はただ飛び跳ねることしかできない。

「バッタ……信じられませんわ……

 青ざめた顔でバッタになった僕の姿を見つめる宮藤シズル。

「あなた、本当に魔女ですのね」

 その言葉にリナは誇らしげにドヤ顔で、

「だからそうだって言ってるじゃん」

 どうやら宮藤シズルは無事リナが魔女だということを信じてくれたようだ。

 てっ、それはいいから早く元に戻して!

──ピョーン、ピョーン──


「ふぅ……生き返った」

 人間って素晴らしい。あの姿から元に戻るとつくづくそう思える。

「て、リナ! だから僕をバッタに変えるのやめてって言ってるでしょ! なんで犬とか猫とかすぐに思いつきそうな生き物じゃないんだよ!」

「だってリナ、バッタさん好きなんだもん。あの必死に飛び跳ねてる姿見てると、なんだか胸がキュンとしてくるんだよね」

 目を輝かせながらバッタについて語るリナ。

 相変わらずリナの感性にはついていけない……。

「とにかく、今後は僕をバッタに変えるの禁止。次やったらもう絶交だからね」

「がーん! そ、そんな……」

 リナは膝をついて大げさにショックを表す。

 そんな僕等を横目で見ていた宮藤シズルは半ば呆れ気味に口を挟む。

「こほん……盛り上がってるところ申し訳ありませんが、わたくしのことお忘れですか?」

「あ、ごめん宮藤さん」

「どうやらあなたの話は本当だったようですわね。そちらの方が魔女だというのは信じますわ」

「じゃあ、あの話は!」

「ええ、もちろん約束は守らせてもらいますわ。手掛かりが見つかる保証はありませんが、できる限りおじい様の部屋を調べますわ」

「ありがとう宮藤さん」

 喜びのあまり思わず宮藤シズルの手を握る。

「べ、別にあなたのためにやるわけではありませんことよ。わたくしも魔女について興味があるだけですわ」

 ふんっと鼻を鳴らし宮藤シズルは僕から顔を背けた。

「それともう一つ」

「え?」

「その『宮藤さん』というのやめてもらえます? あなたの方が曲がりなりにも年上なのですから、そんな呼ばれ方は虫唾が走りますわ」

「じゃあ何て呼べばいいかな?」

「『シズル』で結構ですわ」

「わかった。それじゃあ改めてお礼を言うよ。ありがとうシズル」

 僕の言葉を聞くと宮藤シズルは妖艶な笑みを浮かべ、

「ふふふ、こちらこそ貴重なサンプルを提供して頂き感謝しておりますわ。河辺せ・ん・ぱ・い」

「っ!」

 シズルのアダルトな色気に、思わずドキッとしてしまう。

 自分の気持ちを悟られないように咄嗟にリナに話を振って誤魔化す。

「ほ、ほらリナもシズルにお礼言って」

「うん、ありがとうシズシズ」 

「シズシズ……」

 リナの奇怪な呼び方にシズルの眉がピクリと動く。

「え? だってシズルちゃんでしょ? だからシズシズ」

 リナ……さすがにそれはないでしょ。どう見てもシズルがそんな可愛いあだ名を許すはずがないよ。

 そう思っていたのだが。

「いいですわ。特別にその呼び方を許して差し上げましょう」 

 シズルは意外にもリナの呼び方をあっさりと受け入れる。

 意外だ……。どう見てもシズルはそういうの嫌がりそうなタイプだと思ったのに……。

 てっ……あれ?

「シズシズ……シズシズ……ふふふ」

 ふとシズルの方を見れば、シズルは耳を澄まさないと聞こえないくらいの小声で自分のあだ名を繰り返し呟いていた。

 その顔が妙に嬉しそうなのは気のせいだろうか……。

 もしかしてシズルって意外にも中身は少女趣味だったりして。 

 まさかね……あはは。

「なんですの? 人の顔見ながらニヤニヤとして」

 気づけばシズルがこちらをジト目で睨んでいる。

「あ、いやなんでもないよ……あはは。とにかくこれからよろしくねシズル」

 あぶない……こんなこと考えてるのがバレたらシズルのことだから『失礼な方には魂を抜いて差し上げますわ』とか言いそうだよ。

 こうしてシズルの協力を得られた僕達は、また一歩リナの妹探しについて前進することができた。

 願うなら、その少女がリナの妹さんでありますように。


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