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心音と少年少女怪盗団3
目の前に立っていたのは、巨乳の女の子だった。
「………」
びっくりして声が出ず、お互いずっと見つめ合う格好になった。
その女の子の顔はどんどん赤くなり、やがて真っ赤になった。
「あ、あの…?」
180cmはあるだろうその巨体は、リボンやひらひらのレース、ピンクや白の小物で飾られている。
肩の少し下くらいまで伸びた髪はふわふわしていて、毛先の方は茶色くなっている。
どっからどう見たって可愛らしい女の子で、声も仕草も完璧な女子だった。
ただ、身長がでかい。
ずっと男だと思っていたけれど、この巨体なら自分の体を持ち上げるのはもちろん、抱えて走ることも余裕であろう。
何よりも、自分は男だ。
170cmで中2の平均身長より充分高い。
そんな僕よりもはるかに高い彼女は、思い切り頭を下げて謝った。
「その…ボーッとしてますけど…どこかで頭を打ったのならごめんなさい!
ああぁぁ、あと!さっきのおじさん達の事は…忘れて…」
…え?
いろんな情報が一気に頭の中に入ってきて、パニックだ。
一体、どういうこと…?