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第百六十五幕 三日目

それから三日後の昼、花衣と朧が笠を被った旅人姿で現れた。

「花衣さん、朧さん」

ユギから彼らが来たことを伝えられ、仕事を抜けた加具土は二人を見て、笑顔で応えた。

「元気そうね」

「はい」

「さっそくだが、本題に入るぞ」

三日ぶりの再会もそこそこに、朧が言った。


「拘束されていた暁月村の人々を村に帰すことが決まった。幾ばくかの補償金を与えて、宮大工や農業職員も派遣して村の再建をする手はずになっている。明日には村人達が暁月村に向かうだろう」

「そうですか。・・・よかった」

活杙や角杙、胡蝶と赤子とヨミは無事だろうか。そうであるならば、明日には向かわなければ。遠目から見るだけでも確かめたい。

「ありがとうございます。伝えていただいて」

軽く頭を下げれば、「いいのよ」と花衣は笑い、ひらりと手を振った。

「あ、夕霧さんはこの国を出て用心棒になるそうです」

知り合い(?)だろう夕霧の事を知りたいだろうと、加具土は夕霧の今後について話した。

「そうか」

「そう。あいつらしいわね」

朧は軽く頷き、花衣は納得したように頷いた。

「会われますか?呼びますよ」

最後の別れになるかもしれない。加具土が言えば朧は首を横に振った。

「いや、いい。用心棒ならまた会うこともあるだろう」

「そうね。そう簡単にくたばりはしないでしょうから」

同僚(と思われる)気安さからか、花衣が物騒な事を口にしながら同意する。

「そうですか・・・」

彼らなりの絆のようなものがあるのだろう。加具土は納得するほかなかった。

「加具土、道中気をつけてね」

「息災でな」

「はい。お二人もお元気で」

花衣と朧は天穹へ戻った。その道を歩く彼らを加具土は見えなくなるまで見送った。



花衣と朧を見送った加具土が宿の廊下を歩いていると、宿泊者らしい二人の男が歩きながら話しているのが目に映った。

「なぁ、お前知ってるか?」

「何をだ?」

「小闇様が亡くなられたんだよ」

「ぅえ!?本当か!?」

――小闇。その名を耳にし、加具土は思わず息を呑んだ。

「本当さ。何でも殺されたらしい」

「殺された!?誰に!?」

「あー、名前までは分からん。だが、その犯人を見つけて捕らえて処刑したって話だ」

「そ、そうなのか・・・。初めて知ったよ」

目を丸くし、動揺した様子の男にもう一人の男は考え込むように顎に手をかける。

「天穹じゃその話題で持ちきりだ。・・・やっぱり離れてると情報は届かないってことか」

「どうした?」

「いや、おれ、瓦版作ってるだろ?あれを天穹だけじゃなく、この国全部に届けられたらいいって思ったんだよ」

「それは・・・。すごいと思うが、さすがに無理じゃないか?仮に届けられても、文字を読めない奴だっているだろうし」

男の言葉に瓦版職人の男は納得した表情を浮かべるが、次の瞬間、何かを思いついたらしく、目を輝かせた。

「それもそうだ。・・・あ!こんなのはどうだ!瓦版を読む奴――読売(よみうり)をさ、この国のあらゆる村や町に派遣させるとか」

「悪くはないと思うが、この国にいくつ村や町があると思ってるんだよ。読売を集めるのも大変だし、それに、そこへ読売が二つ返事で向かってくれると思うか?たぶん、旅費とかけっこうかかるとおもうぞ?」

瓦版職人は男のにべもない言葉に肩を落とすと、非難するかのようにじっとりとした視線を男に向けた。

「おまえなぁ。そう俺の考えをバッサバッサと切り捨てるんじゃねぇよ」

「切り捨ててるわけじゃねぇよ。可能性の話を言ってるんだろうが。それを聞いてやるかやらないかはお前次第じゃねぇのか?」

「・・・はぁ、言ってくれるな」

瓦版職人は苦笑するが、次の瞬間、自らの頬を両手でぱんと叩いた。

「うし!お前の言葉でやる気が出てきた。帰ったら、さっそくやるぞ!」

「・・・ま、頑張れ。応援はしてる」

気合いを入れた瓦版職人に対し、男が応援の言葉を送った。


 二人の男の会話を聞きながら、加具土はこの国と人々が少しずつ変わっていくのを感じ取った。それが良い方向か悪い方向かは分からない。けれど、失うものがあるのと同時に、生まれるものがあるのだと気づいた。



翌日、加具土と夕霧は風車の外にいた。

まだ、仕事が始まる前の朝ではあったが、透き通った青空が広がり、快晴だった。旅に出るには絶好の日和だろう。

風車亭の周囲に自生する林は、風が吹くたびにさらさらと葉音をならし、下から香る土の匂いが鼻をくすぐる。

 加具土と夕霧、二人の前にはトワ、長治郎、沙霧、ユギ、征矢のほか、風車亭で働く面々が見送りにきていた。

「皆さん、三日間お世話になりました」

「どうも」

深々と加具土がお辞儀をし、怪我が治り、包帯を外した姿の夕霧が片手を上げる。

「夕霧」

征矢の声に夕霧が顔を向ければ、彼に向かって征矢が黒く四角い何かを投げる。

「三日分の給料だ」

黒い何か―それは墨色の財布だった―の中身を確かめた夕霧が片眉を上げ、征矢を見た。

「多くないか?」

「餞別だ。門出祝いだと思ってとっとけ」

祝いと言葉にしている割には雑なやり方だったが、それが征矢なりの励ましなのだろう。

「じゃ、ありがたく」

夕霧はにっと口角を上げ、懐に財布を入れた。


夕霧と征矢のやりとりを見ていると、ユギが近づき、枯草色の財布を加具土に差し出した。

「はい」

「・・・ありがとうございます」

夕霧と同じように中身を見れば、やはり三日分の給料にしては多い金額が入っていた。

顔を上げてユギを見れば、ユギは笑って言った。

「返品は受け付けないわよ。お金はありすぎても困るけど、なさすぎても困るものよ。何かあったらちゃんと使いなさい。これは正当な報酬なんだから」

「・・・はい」

ユギの思いを無下にしてはいけないと加具土は頷き、財布を懐に入れた。


「かぐちゃん!」

「トワちゃん・・・」

トワが加具土の手をぎゅっと握った。その目は微かに潤んでいる。

「落ち着いたらまた来てね!かぐちゃんなら大歓迎よ!」

手に感じる温かさと表情から、本気であることが窺える。気持ちの真っ直ぐないい子だと加具土は思った。もし、またこの国に寄ることがあるなら、訪れよう。

「・・・ありがとう。その時はよろしくね」

無くした手で握り返せないことを残念に思いながら、加具土は笑みを浮かべた。


「ほい、これは返すとさ」

沙霧が短刀と剣を夕霧に差しだす。それは、夕霧が預けたものだった。

夕霧が征矢の方を見る。征矢が肩をすくめて言った。

「なに、ここに置いといても宝の持ち腐れだ。お前さんに返す。用心棒として働くんだ。必要だろう。代金は三日間働いてくれた礼で十分だ」

「・・・・・」

夕霧はしばし、短刀と剣を見つめ、やがてそれらを掴み、腰に差す。

そして、沙霧と向かいあった。


「沙霧」

「なんだ?」

「怒られな――、じゃない、辞めさせられない程度に頑張れよ」

「それは励ましてんのか?」

「十分励ましてるぞ?」

「全然そう聞こえないんだが。まぁ、いい。あんたに心を込められたら鳥肌がきそうだ」

「よく分かってるじゃねぇか」

夕霧が口角を上げて笑う。

「ま、あんたは死なない程度に頑張れよ」

夕霧と沙霧は、励ましているのかけなしているのかよく分からない言葉を互いに贈っていた。


「ユギさん、征矢さん、それから皆さん、ありがとうございました。このご恩は一生忘れません」

改めて、加具土は深々と頭を下げる。

「そんなにかしこまらなくてもいい。人手を増やしてくれたんだ。礼を言うのはこっちの方だ」

征矢が顔をくしゃりとさせて笑う。

「夕霧がいるから大丈夫だろうけれど、道々気をつけてね」

旅の無事を祈るように、ユギが加具土の頭を撫でた。

「はい、気をつけます」

まるで祖父と祖母ができたようで、加具土は胸に温かなものを感じながら頷いた。


「じゃ、行くぞ」

夕霧に声をかけられ、加具土は答える。

「はい」

夕霧はなごり惜しさなど微塵も感じさせず、背を向け歩き出す。加具土はもう一度風車亭の面々に頭を下げ、夕霧の背中を目指して駆けだした。

「「「元気でねー!」」」

「「「達者でなー!」」」

彼らの言葉を背にしながら、加具土は風車亭を後にした。


          ※※※


ユギ達と別れ、加具土と夕霧は小裏(しょうり)へ向かった。

小裏は、木工細工や家具、包丁や鍋などの金物を作る職人の町だった。

そのためなのか、立ち並ぶ市も野菜や米などの農作物を売る店は少なく、木で作られたかわいらしい玩具や、木目を基調とし、美しい光沢を放つ箪笥や棚、日の光を浴びてぎらりと光っているが、丈夫そうな包丁や鍋類を売る店が多かった。

 暁月村で開かれた市とは出している店の種類が違うので、加具土は興味をひかれ、店の商品をちらちらと見ながら、見向きもせず真っ直ぐ歩いている夕霧の後をついていった。


 人並みをかき分け歩いていると、加具土達の脇を通り過ぎる子供達がいた。

六、七歳、十、十二歳、十四、十五歳と年齢の様々な子供達だったが、皆それぞれ、いくつもの笠を背中に背負い、あるいは手に持っている。その子供らの後ろには大人の男が一人いた。その大人の衣の裾には二人の幼い――三つ編みを輪のように結んだ少女と長い髪を頭の上に縛り上げた少女――がおり、それぞれ男の裾を引っ張っていた。

「りしんーー」

「りしんさん、もうすぐですよ!」

二人の少女が男の名を呼ぶ。

――りしん。

聞き間違いでなければ、もしや。

加具土は、幼い二人の少女に引きずられるようにして歩く男の顔を見た。

「理真さん!」

その顔は間違いなく、理真だった。

男――理真が立ち止まり、見えない目で加具土を探すように左右を見回した。

「理真?」

加具土の声に気がついたのか、夕霧も足を止め、声を上げる。

すると、理真の顔に笑みが浮かんだ

「聞き慣れた声だと思えば、お前達か・・・」

見えないはずの彼の目線は、確かに加具土と夕霧に向けられていた。

「りしん?」

「この人達、りしんさんのおともだち?」

二人の少女が立ち止まった理真を見上げる。

「あ、あぁ。まぁな。マナ、雲雀(ひばり)。先に行ってなさい。後から追いつくから」

友達と問われ、戸惑いながらも頷いた理真は二人の名を呼び、先へ行くように促した。

「えー、あぶないよー」

「そうですよ!どこへ行くか知らないでしょう?」

眉を寄せ、不安な表情を浮かべる二人の少女に理真は安心させるように笑みを浮かべる。

「大丈夫だ。お前達の足音は覚えている。私は耳がいいからな。離れていてもすぐに分かる」

「ほんとう-?」

「ほんとうですか?」

訝しむ幼い少女らに理真は優しく諭すように言った。

「本当だ。ほら、皆が先に行ってしまうぞ」

だが、三つ編みの少女は不満げだ。頬を膨らませ、理真を見る。その手をもう一人の少女が握った。

「・・・わかりました。先にいってます。待ってますからね。マナ、行こう」

縋るような眼差しを理真に向けてから、少女は三つ編みの少女――マナの手を引いて歩き出す。

すると、マナが不満げな声を上げた。

「えー、あたしもここにいたいー」

理真を心配する言葉を発していたとは思えない年相応の態度だったが、雲雀は首を振り、マナの背を押すように歩いた。

「だめだよ。さぁ、いっしょにみんなのところに行こう」

マナと雲雀は互いに言い合いながらも、先に行った子供等の元へ向かっていく。

その姿は、やがて人混みの中へ消えていった。


「・・・気をつかわせてしまったか」

見えぬ目で、先を行った二人の少女を見つめていた理真に苦い笑みが浮かぶ。

「理真さん、あの子達は?」

どうして、理真が子供達と共にいるのかが気にかかり、加具土は尋ねた。

「あの子達は、威々(いいや)の社に住む子達だ。皆、孤児で十人ほどが神主の世話になっている。だが、社も裕福ではないからな。笠を作って毎日売りに来ている。わたしはあの子等の子守兼用心棒といったところか」

「お前が子守か。昔のお前を知っている奴が見たら、驚きすぎて腰ぬかすだろうな」

夕霧の言葉に理真も同意するように頷いた。

「わたしもまさか子守をすることになるとは思わなかった。今までは人の命を奪うか、何かを壊すことしかしてこなかったからな。子供と触れ合うことなど考えもしなかった」

憂いのある表情は、子供と触れ合うことに対する戸惑いも混じっていた。

「どうして社の子供達と暮らすことになったのか聞いても?」

加具土が経緯を聞くと、理真は口を開いた。

「・・・怪我も治り、歩き回れるようになった頃、今後の身の振りを考えていたら、悲鳴が聞こえてな。気になって向かってみれば、賊に神主と子供らが襲われていた。賊はわたしが目も見えず、腕もないことを甘く見ていた。その隙をついて叩きのめしたら、子供らに三食昼寝付きで雇われた」

「雇われ・・・、ぶっ!」

雇われたという言葉が壺に入ったのか、夕霧が吹き出し、肩を震わせる。

「断らなかったんですね・・・」

子供と触れ合うことなど考えもしなかった、という理真だが、彼らと出会ったことで心境の変化でもあったのだろうか。すると、理真の顔が渋い物を食べた時のような珍妙な顔になった。

「・・・断ったんだが、何度も何度も頼まれるから根負けしてな。仕方なく、というか諦めた」

「お前が諦めたって・・・!そいつら、どんな頼み方したんだよ!」

いちいち壺に入るらしく、夕霧は笑いながら体を二つに折る。

「全く。元気そうで安心したよ・・・」

理真が笑い続ける夕霧に、半目になりながら呟く。そして、疲れたように息を吐いた。

「お前、死ぬつもりだったろう?」

「あ?俺、そんなこと言ったか?」

笑いすぎ、目に溜まった涙を拭いながら、夕霧が首を傾げる。

「言ってはいないが、お前のやった事を考えればそうするしかないだろうと察することはできた」

「なるほど、なるほど」

うんうんと軽い調子で頷く夕霧に理真が眉を寄せ、加具土に声をかける。

「加具土。わたしの聞き間違いだろうか。やけに軽い調子なんだが」

「いえ。間違いじゃありません。軽いです」

「そうか。生き延びたから、性格が軽くなったのか」

「軽くなってねぇよ。っていうか、お前、俺が生きてて驚かないんだな」

心外だという表情を浮かべた夕霧は、次の瞬間、訝しげに理真を見る。

「驚いてはいるが。だが、加具土がいてお前がいたからな。彼女がお前を説得して、その他もろもろあって、結果生き延びる方をお前が選択したと考えれば納得はいく」

淡々と理真は理由を告げる。その言い方は、見てはいないはずなのにずいぶんと的を射た答えだった。

「・・・見てきたような言い方しやがって。なんか腹立つ。だいたい正しいけどな!」

唇を尖らせ、夕霧は不満そうな顔を隠そうとしなかった。

「拗ねているのか?なぜだ?」

不思議そうに首を傾げる理真に加具土は苦く笑う。

「言い当てられたからですかね・・・」



「さて、話を続けたいとは思うが、あまり長居できない。これ以上距離が離れると、本当に見失う」

「・・・そうですか。わざわざありがとうございます。会えて嬉しかったです」

「いや、私も会えて嬉しかった。時に加具土」

改まった風に名を呼ばれ、加具土は理真を見る。

「・・・・村の事、お前を刺した事、本当に申し訳なかった!」

勢いよく頭を下げる理真に加具土は驚く。

「あの時の私は小闇のためにと、その事しか考えていなかった。お前を刺した後、小闇に腕を切り落とされたが、それでも今度こそ小闇のためにと思い、動いていた。だが、残った腕を落とされ、小闇が駒としてしか見ていないことに改めて気づかされた。いや、気づいてはいたが、あそこが自分の居場所だと信じ、その場所に居続けたかった」

理真はさらに続ける。

「私は、今まで自分のしてきた事に後悔を感じたことはなかった。小闇の剣として生きてきた私にとって、小闇の存在は絶対だった。だが、死ぬはずだった命をお前に救われ、そして、子供らと暮らしているうちに、私は私のしてきた事がいかに罪深いことか気がついた。いや、突きつけられたというべきか。謝っても、以前の村が現れるわけでも、お前のあの時の恐怖や記憶が薄れることはないだろうが。それでも謝りたい!」

「理真さん・・・」

今まで貯めていた思いを吐き出すかのように言葉を連ねる理真に、加具土はただ圧倒される。

けれど、理真が心の底から謝りたいと思っていることは伝わってきた。

「・・・頭を上げてください。あなたの気持ちは分かりましたから」

理真が頭を上げる。その顔は叱られるのを待っている子供のようだった。

「生きてください。子供達と一緒に。私が言いたいのはそれだけです」

理真の眉が大きく寄せられ、口元がへの字に曲がる。

瞳に涙こそ浮かべていなかったが、まるで泣くのを堪えているようにも見えた。

理真は小さく息を吐くと、唇を無理矢理引き上げた。

「・・・ありがとう。助けられた命だ。しっかり生きる」

「はい」

その言葉に加具土はしっかりと返事を返した。


 理真が夕霧の方へ見えない視線を向ける。夕霧も理真の方に顔を向けた。

「元気でな、理真」

「あぁ、お前もな。生き急いだりするなよ」

「その台詞、そのまま返すぞ。ガキどもが泣く羽目になる」

「分かっている。無駄にはしない」

「おう」

理真は夕霧と加具土を見回し、言った。

「では、私はこれで」

「あぁ」

「お元気で」

加具土が声をかけると、理真は頷き、踵を返す。そして、少女達が向かった雑踏へ迷うことなく歩いていった。



「理真さん、夕霧さんの名前、言いませんでしたね」

加具土は理真が一度も夕霧の本名である朝霧と呼ばなかったことに気がついた。

「オレが生きているとバレないために呼ばなかったんだろう。全く知恵が回る」

どこか呆れた口調の夕霧だが、理真が向かった方向を見つめる瞳は優しかった。

「・・・さて、オレ達も行くか」

「はい」

加具土は頷く。そして、夕霧とともに歩き出した。


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