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第百二幕 終焉

「アリエル、どうして、ここに・・・」

会わないと決め、別れたアリエルがここにいるということに、せいは驚いた。

アリエルは、戸惑うように青を見ると、ゆっくりと口を開いた。

 柔らかで、優しい音が青の頭の中に響く。

『あなたの氣と、光介さんの氣が森の外から感じ取れました。そして、怒りや憎しみといった本来感じることのない嫌な氣も』

アリエルは、青の背中越しから光介を見やってから、再び青に目を向けた。

『本当は、迷いました。別れた以上、私があなたに迷惑をかけるわけにはいかない。でも、尋常でない氣にいても経ってもいられなかった。一体、何があったんですか?』

張りつめた表情を浮かべ、アリエルは青を見つめる。

 青は、口を開こうとして、閉じた。アリエルの強い眼差しから逃れるように、顔を伏せる。

アリエルを巻き込んでもいいものか迷ったのだ。光介を、――人間を助けたと精霊達に知られれば、アリエルの立場が悪くなる。彼女に肩身の狭い思いはさせたくない。

 青は顔を上げた。

「・・・何でもないんだ。来てくれてありがとう。俺も光介も大丈夫だから」

安心させるよう、笑みを形作る。だが、アリエルは大きく眉を寄せた。

『それで私が納得するとでも?馬鹿にしないでください』

アリエルは、つかつかと近付く。

 光介に視線を映したアリエルは、彼の腕がないことに気付いたのか、ハッと息を呑む。しかし、きゅっと唇を引き結ぶだけで何も言わなかった。光介の前に膝をつき、アリエルは、その額に手を当てた。

「お、おい・・・」

『堂々と別れを告げた私が言うのも何ですが、これくらいの事で尻込みしようなんて思いません。思っていたら、ここにも来ません。私は、あなた方に関わるつもりでここに来たんです』

きっぱりとした口調で言うと、アリエルは光介の額から手を離した。

『・・・熱がありますね。すぐに休ませないと』

アリエルは、青の方を向く。その目は、覚悟に満ちていた。

『少し歩きますが、岩場の下に狭い洞窟があるんです。人一人が横たわる分には問題ない広さだと思います。そこに行きましょう』

有無を言わせない態度で、アリエルは両手で光介の両脇を掴むと、力を込めて持ち上げた。

『うっ・・・』

だが、意識のない成人男性を支えるのは、さすがにきつかったらしい。たたらを踏み、倒れ込みそうになるアリエルを見た青は、慌てて光介の肩を掴み、安定させる。

 アリエルの必死な様子に、青も覚悟を決めた。

「お前の気持ちはわかった。だから、そう無茶をするな。俺が光介を運ぶ。アリエルは、その洞窟に案内してくれ」

その目を懇願するように見つめれば、アリエルの肩からゆっくりと力が抜ける。

 青は、光介の体を持ち上げ、肩に担いだ。

『大丈夫ですか?』

感心したように目を瞠りながら、アリエルが心配そうな声を上げる。

「あぁ、平気だ」

すんなりと頷く。アリエルは不安そうにこちらを見つめていたが、本当に平気だった。

やはり、友のためとはいえ、気持ちを偽るのは、気分がいいものではない。

『・・・では、行きましょう。こっちです』

平気だという言葉に、納得したのか折り合いをつけたのか、アリエルはそれ以上何も言わず、光介を担ぐ青の前を歩き出した。


 アリエルが案内してくれた洞窟は、本当に人一人が横たわれるくらいの幅が狭く、天井も低いものだった。かがむことはできるが、立ち上がれば、頭をぶつけてしまうくらい低い。

だが、助かった。アリエルが提案してくれなければ、あの泉のそばで、光介の具合がよくなるまでの数日を過ごさなければならなかった。

 青は、光介を洞窟に寝かせ、そばに佇むアリエルを振り返った。

「俺は家に帰って、枯草と毛布を持ってくる。アリエルは、光介を見ててくれるか?」

『わかりました』

アリエルが頷いた。


大樹の家に戻った青は、奥から地面に敷く枯草一束と、毛布を二枚、引っ張り出した。

(目が覚めたら、喉が渇くかもしれないな)

葉の器では心もとない。何か水を溜めることのできる容器があればいいのだが。

周囲を見回してから、青はある物に目をつけた。それは、一升瓶だった。

 光介と出会った間もない頃、酒は飲まないと言ったところ、じゃあ、茶なら飲むだろ、となぜか一升瓶に入れて持ってきたのだ。

 飲む習慣なぞなかったが、断るのも面倒くさく、仕方なく受け取り、茶に罪はないと飲んだところ、その香りと味にはまってしまい、しばらく見様見真似で茶に似たものを作り、飲んでいた。アリエルと別れた頃からは、茶を作って飲むこともしなくなったが。

 そのため、一升瓶は部屋の角で転がるだけになった。捨てて土に帰してもよかったが、なんとなく捨てることが躊躇われ、そのままになっていた。

(・・・これなら使えるな)

青は、一升瓶を手に取った。


 青が、枯草一束と毛布、そして一升瓶を持って戻ると、アリエルが驚いたように目を瞬かせた。

「一升瓶・・・?」

青が苦笑を返す。

「光介からもらったやつだ。部屋の角に転がっていたのを持ってきた。すぐには食べられないとは思うが、水分は摂った方がいいだろうからな」

『そうですね』

アリエルが立ち上がり、両手を青に差し出した。

『手伝います。その枯草を光介さんの下に敷きつめればいいですか?』

「あぁ。枯草を敷いたら、その上に毛布をかけてくれ。布団の代わりにするんだ」

『なるほど。それでは、私が敷き詰めます。青様は光介さんをお願いします』

「わかった」

光介を洞窟から出し、青は再び光介を担ぐ。長草で縛った枯草をほどき、アリエルが洞窟内に敷き詰めるのを見つめながら、青は静かに寝息をたてる光介の様子を窺った。

 布団を作り、光介を寝かせた青は、アリエルと相談し、交代で光介を診ることに決めた。 


「うっ・・・」

呻き声を上げ、光介は瞼を開けた。腕を失くし、熱を出してから三日が経っていた。

「光介!」

声をかければ、光介の目が青に向く。青の瞳に、なぜお前がいるのかという訝しげな色が宿る。

「喉、渇いているだろう?飲むか?」

湧き水の入った一升瓶の注ぎ口を光介の口元にもっていけば、戸惑いながらも光介は口を開き、水を飲んだ。喉を鳴らし、口元から水が零れるが、光介は飲み続けた。

三日も何も口にしていないのだ。光介の反応も当然といえた。

「果物もあるぞ」

そう言って、皮を剥いた枇杷びわを差し出す。光介は、手を動かそうと右腕を動かすが、右手を失っていたことに気づき、左手を伸ばした。

 傷が痛むのか、または動かしにくいのか顔を顰める。

「無理するな。口を開けろ」

すると、光介は首を横に振った。

「熱を出してるわけじゃない。気遣いは無用だ」

そう言い、左手を下ろしはしなかった。

「・・・わかった」

病み上がりだからと言っても聞かないだろう。

青は枇杷を光介の掌に置いた。光介は口を開け、枇杷を食べた。


癒しの水の効果もあり、傷口は化膿することもなかった。熱は下がり、光介は枇杷以外の果物も食べることができるようになった。

 だが、それでも片腕を失ったことは大きく、一日の大半を寝て過ごしていた。


せい、俺の刀はどこにある?」

それから幾日が経った頃、灰色の雲が覆う空の下、光介が思い出したかのように聞いてきた。

寝ることに飽きたらしく、地面にあぐらをかき、緑生い茂る木々に視線を向けたままの男の姿は、かつて復讐者だったとは思えないほど穏やかだった。

「お前の刀は、角熊かくゆうがいた森の中だ。二つに折れて使い物にはならないぞ」

また、刀を持って何かをするのではないかと危惧した青は、刀の所在とその状態を心なしか強い口調で告げた。

「・・・そうか」

青の心持ちとは裏腹に、光介はそう口にしただけで、あとは何も言わなかった。

 重苦しい沈黙が辺りを漂う。その空気を振り払おうと、青は小さく息を吐いた。

ちらりと光介を見れば、その目は薄曇りの空へ向けられていた。

 今がいい機会かもしれない。青は、光介が起きたら聞きたかったことを尋ねた。

「一つ、聞いてもいいか?」

「なんだ?」

「・・・なぜ、村の人間を皆殺しにした?」

「・・・・・」

光介の横顔に変化はない。

「お前が復讐したかったのは、杏里や夕輝を死に追いやった奴らだろう。村の人間全員ではなかったはずだ」

凪いだ瞳を空に向け、目線をこちらに向けず、口を開こうとはしない光介に青は焦れ、思わず声を荒げた。

「あそこには、子供もいた!夕輝くらいの赤ん坊もいたんだぞっ!!」

わかっていたはずだ。わかっていて、光介は刃を向けたのだ。その心境が青には信じられなかった。

 知らず息を詰めていたらしく、息を何度も吸っては吐く。

はぁ、はぁ、と自身の荒い息遣いだけが辺りに響く。

しばらくして光介が口を開いた。

「・・・生きるためだ」

光介は続けた。

「あいつらは、俺の刀を狙い、俺を殺そうとした。だが、俺は角熊かくゆうを殺さなければならなかった。生きて、それを遂げるために、俺は彼らを殺した。それだけだ」

光介はきっぱりと言い切り、顔を青の方に向ける。土色の瞳は、強い光を宿していた。

「俺は後悔していない。しているとすれば、杏里の手を離し、夕輝を守れなかったことだけだ」

断言する光介に、青は口を開こうとして、しかし、何も思い浮かばず、口を閉じる。

いくら非難されようとこの気持ちは変わらない、そんな表情を光介は浮かべていた。

弱音も言い訳も吐かない光介は、いっそ清々しかった。

 村人達にも非があったことに、言いようのないやりきれなさを感じながら、青は光介を見つめることしかできなかった。


体力を回復し、やがて、光介は片腕でも自由に動けるようになった。

 これなら、社会に戻ることも可能だろう。だが、青にはひとつ気がかりなことがあった。

光介は、雨の降る日――小雨だろうと大雨だろうと、ふらふらと夢遊病のように森の中を歩き回り、足元に落ちている木の枝を拾い、刀のように振るう時があった。俯き、その表情は分からなかったが、異様な殺気を光介が放っているため、迂闊に声をかけることもできない。

だが、激しい大雨の時は、さすがに声をかけた。その刹那、光介は枝を振り上げ、振り下ろした。ただの木の枝とはいえ、斬られたと錯覚させるほど、光介の剣技は冴えわたっていた。アリエルも同じようにされたことがあるという。

  そして、光介は、しばらくふらふらと彷徨うと、糸が切れたように倒れるのだ。


青は思った。こんな状態の光介を社会に戻していいのだろうか。

森の中にいるからまだましだが、村や町には、刀の代わりになるものがたくさんある。

光介自身が気づかないうちに、誰かを傷つける可能性がある。その危険がある以上、光介を戻すことが最善だとは思えなかった。

 悩んだ結果、青は光介に告げた。

「・・・そうか。わかった。なら、俺はここにいた方がいいんだろう。町に出て、意識もなく誰かを傷つけたくはない。今後も迷惑をかけると思うが、よろしく頼む」

そう言って、光介は青とアリエルに頭を下げた。

頭を下げられるとは思わず、互いに顔を見合わせていると、悲哀を滲ませた声音が聞こえてきた。

「俺は、もう昔の俺には戻れない・・・」

その声に、青は思わず振り向いた。

そこには、残った左手を見つめ、大きく眉を顰め、自嘲気味に口角を上げる光介の姿があった。


 それから、いくつもの季節が巡った。

光介の顔には、皺ができ、髪にも白いものが混じるようになった。

 

ある日、光介は血を吐いた。自分で採った果物や魚を自ら起こした火で調理している最中のことだった。

 光介はごほごほと咳をしながら、赤黒い血を口から吐き出した。それは、河原一面に飛び散る。

「光介!!」

『光介さん!!』

驚き、立ち上がった青とアリエルは、蹲る光介に駆け寄った。

 光介は、吐くものを全て吐き出すと、そのまま意識を失った。


 光介を寝床に運んだ青とアリエルは、効果のある薬草を煎じ、飲ませた。

しかし、何日経っても目を覚まさない。どこかの村で医者に診てもらったほうがいいのではないだろうかと思ったが、その医者が青の姿を見ることのできる人間とは限らない。だからといって、そのまま村に光介を放置すれば、症状を悪化させるだけだろう。

 アリエルと話し、さんざん悩んだ結果、青は、光介を村に運ぶことに決めた。


 青は、細くなった光介の腕を掴み、その背に乗せようとした。その時、光介の瞼がゆっくりと開いた。

『青様、光介さんが!』

光介の背を支えていたアリエルが、驚きの声を上げる。その声に、青が顔を向けると、しっかりと目線をこちらに向けた光介がいた。

「青、村には行かなくていい」

「お前、話を聞いていたのか!?」

目を見開く青に、光介は続けた。

「俺の体は俺が一番わかっている。村の医者に診せても意味はない」

否定的で、自分の命を諦めるような光介の言葉に、青は声を荒げた。

「何を言ってる!!診せなければ分からないだろう!最初から諦めるな!!」

鼻息荒く詰め寄る青に、光介は視線を逸らした。

「・・・俺はもういい。もう、十分生きた」

光介は、疲れたように息を吐く。

病人なら労わらなければならないだろうが、生きる気力を失っている光介を見て、青は心が軋むと同時に、怒りを感じていた。

「お前が勝手に生き死にを決めるな!お前は生きるんだろう!!先に死んでいった者達の分まで!!」

時折、光介は寝言で『・・・俺は、生きる。生き続ける』と呟いていることがあった。

それは、まるで戒めのようにも贖罪のようにも聞こえた。弱音も言わず、言い訳もしなかった光介の本当の心の声だと思った。

 死なせてたまるか。青は心のなかで叫んだ。

人は精霊とは違い、寿命にも限りがある。だが、生きられる可能性があるなら、何を言われようとその可能性にかけたかった。初めてできた友をこんな形で失いたくはない。

「目が覚めたなら、お前、医者に自分の症状を話せるな。手近な村に降ろすから、診てもらえ」

有無を言わせず、青は光介を背負い、飛んだ。


 青は、嫌がる光介に村人から医者の家を聞きだし、その家の前に連れていった。そして、引き戸を開け、医者の前に光介を突き出した。


だが、分かったのは、余命一カ月という残酷な結果だった。


 自分の命に限りがあると知っても、光介は泣き出すことも、取り乱すこともなかった。

ただ、くる時がきたとでもいうように、泰然自若としていた。

 青は、唇を噛み締めた。

光介が生きられる可能性を見つけようとした結果、彼を追い詰めるような事をしたのだから。

「そんな顔をするな、青。余命なんてのは、曖昧なもんさ。もしかしたら伸びるかもしれないし、短くなるかもしれない。それでも、俺は生きる。これで自死なんかしたら、それこそ殺した人間に顔向けができなくなる」

ハッとして、顔を向ければ、光介は苦笑に似た笑みを浮かべていた。

青に言われるまでもなく、光介は分かっていた。自分のあり方を。

「・・・すまない。余計な事をした」

そう口にすれば、光介はふっと小さく笑った。

「気にするな。お前は悪くない」


 余命が申告された後、青は、己やアリエルが持ってきた薬草を煎じ、光介に飲ませることで一応の延命を試みた。一時しのぎではあったが、やらないよりはましだと思ったからだ。村で治療をするかと光介にも尋ねたが、今更知らない土地で暮らしたくはない、青とアリエルのそばにいた方が安心すると言われ、結局、光介は森に帰ってきた。

それから、一カ月と三日ののち、青とアリエルに見守られ、光介は眠るように息を引き取った。

 享年、五十六。

精霊を友とし、妻と子を殺され、多くの人間を殺した男の最期としては、ひどく静かで呆気ないものだった。


『精霊の森』の端に、青は、光介と杏里、夕輝の墓を作った。アリエルが、湖で摘んだ花を置く。

土を盛り上げ、三つの枝を刺しただけの簡素な墓の上に、白く小さな花が揺れた。

その様子を見つめながら、青は光介が息を引き取る一週間前のことを思い返していた。


「・・・俺は、地獄に行くんだろうな」

病魔に蝕まれ、起き上がることもできなくなった光介は、即席でつくった布団の上に体を預けながら、誰にともなくぽつりとそう呟いた。

寂しげで苦しそうなその声が、青の耳に焼き付く。人間の死生観では、罪を犯した人間は地獄に行くという。そうだというなら、光介は杏里にも夕輝にも会えないことになる。

「・・・これは古い馴染から聞いた話だが、この世界に地獄はないらしい。ただ、空にあるという高天原たかまがはらと地の底にある根之堅洲国ねのかたすくにに精霊や人の魂は落ちると言われている。魂はその二つと現世を巡り続け、途切れることはない。ようするに、魂は生まれ変わり続けるという話だ。もし、そうなら二人に会えるかもしれないぞ」

期待を口の端に乗せ、光介を見れば、目だけを青に向け、口元に緩く笑みを浮かべていた。

「お前の言ったことが本当だとしても、俺は二人に会えないだろう。杏里を見捨て、夕輝を助けられなかった不甲斐ない父親だ」

自身を卑下し、光介は厳しい光を瞳に灯す。

そんなことはない、と口にしても、光介は自身を責め続けるだろう。

「光介、自分を赦せるのは自分だけだぞ」

青の言葉に対し、光介が返すことはなかった。


 

『自分を赦せるのは、自分だけ』。

そう言った青だが、己も人のことは言えない。

 友を――光介を止めることができなかった。止めることができていれば、罪を背負うことなく、少しでも心の重荷を減らすことができただろう。それを光介が納得するかどうかは別として。けれど、現実はそうはいかなかった。

光介は仇を討ち、村の人間を殺した。そして、その罪を背負いながら、病で亡くなるまで生き続けた。


その事実が、棘のように青の胸に突き刺さっている。それは、生き続ける以上、消えることはないだろう。

 だが、これは自分が背負うものだ。誰に強制されたわけでもない。

もし、同じ事が起きたら、今度こそ後悔しないように動こう。こんな思いは一度きりで十分だ。


 青は、墓の前に立ち、膝を折った。そして、三つの枝に優しく触れる。

「ゆっくり、眠れ」

この場所に彼らの魂は留まっていないだろうが、それでも言わずにはいられなかった。

けれど、まるでそれに答えるように、供えた白い花の花弁が小さく揺れた。


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