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フィフロスヴ  作者: 煎茶
勇者の章
11/12

Number.11 プロテクション

「イルマ"卿"...」星を眺めていたら、部下の一人が話しかけていたころにも気が付かなかった。

「その呼び方はやめてくれ...」ハスファド・"イルマ"。この王国有数の貴族、イルマ家の末裔...

だから、今でもイルマ"卿"と呼ばれている。もう、そんなものは何の意味もなさない筈なのに...


「......この付近で、人間同士の戦闘が確認されました。"国境"ギリギリです。」

「国境、ね...入ってきたら排除するし、そうでなければ放っておく。いつも通りで良いだろう。」

「そうなんですが...一人は額の装飾に赤い宝石をつけていると報告が。」

「......?なんだと...?」私は目の色を変え、部下をにらみつけた。


「?いま、何か...」視線を感じたが、今はそれどころではなかった。

ハイフィスに目を取られ、フィティがまた彼の仲間に捕らえられたことに気づかなかった。

彼女は屈強な男に抱き着かれ、身動きが取れずにいる。


「おおっと...前みたいにはいかないぜ?こいつに近づけばこの首が飛ぶぞ!」

男が短剣をフィティに突き付けたことで、さらに焦りを募らせた。

とにかく、早く...早く"用事"を済ませなければ。


「気乗りはしないんだがな...逃げられても困るんでね」少女を人質にせよ、など命じてはいないが...

まあよい、殺しはしないだろう。これで気兼ねなくミナトの首をもらえそうだ。


「おっ...!」そんなことを考えた矢先、ミナトがこちらへ向かって飛び込んできた。

よーやくやる気を出したか!...と思ったのだが。

「剣を捨てた......?」


この用事を済ませるのに、剣は邪魔だ。なので走りながら捨てておいた。

剣の代わりに掴むのは...ハイフィスの、肩だ。

ハイフィスが反応するよりもはるかに早く、彼の両肩に掴みかかった。


「うわ!?」素っ頓狂な声を出してしまったのは、ミナトが掴みかかってきたからだ。

両肩を掴まれて、身動きが取れない。

「くそ...離れろ...!」抵抗してみたが、それもむなしく私の身体は押し倒されてしまった。


「くそー!やめろ離せー!!私にそのような趣味は無いぞー!!」無駄だと分かっているが、身体全体を動かして脱出を試みる。しかしミナトの力は想像以上に強い。私の抵抗などものともしない。


「俺にだってそんな趣味はない!黙っておとなしくしてろ。」ハイフィスが何か言っていたが、無視して押さえつける。

こんなことをする目的はただ一つだ...

「対象魔法は......"ブレイン"。我が名において...ハイフィス・フェイビデイへ永久の加護を与える...」


詠唱と共に、"用事"は済んだ。

加護魔法


分類:???


あらゆる魔法を跳ね飛ばす"加護"をかける魔法。

それぞれの魔法に対応した加護魔法が存在し、例えば"ブレイン"に対応した加護魔法なら"ブレイン"のみを跳ね飛ばす。

使用できる者は"テレポート"や"ブレイン"よりも少数である。

使用の際は固有の詠唱が必要。

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