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だいしょう

 「私」が歩みを進めると分岐点にさしかかった。それは左右どちらかを示すものかと思えば、そうではなかった。あるのは未知。誰かが歩んだかもしれないし、そうではないかもしれない。少なくとも「私」は知らないから未知である。

 立ち竦んでいると、あるヒトが追い越す際にこう洩らした。ここまで来たからにはもう引き返せない。

 しばらくそのままでいると、あるひとが横切る際にこう洩らした。こうなるはずではなかったのに。

 気がつくと彼らが通った場所にうっすらと道があるように視える。恐れを抱きながら振り返るとそこには同じようなものが視えた。もっと意識を遠くに送ると似たようなものがいくつも視える。ただ視え方は異なる。それらは鉄道のようであり、車道のようであり、歩道のようでもあった。他には歩むものたちの数だろうか。

 いくばくかの時が過ぎたとき、虚空にむけて一歩踏み出した。すると、うっすらとだが道ができている。


 何か思い悩んだとき、いくつかの選択肢があるとしよう。何を選んでも相応の結果を受け取れる。しかし、対価も求められるだろう。


 何かを選んだとき、別の選択肢があったことを忘れられないだろう。しかし、得られたものがある。それに大小はあれど成果と代償だ。


 決断を迫られたとき、こう考えてはどうだろうか。すでに代償は支払われた。得られるのは成果のみである、と。そうすれば「私」はラクでタノしめるようになれる。きっと。

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