片道切符の遠距離恋愛
初めまして、天川裕司です。
ここではシリーズでやってます『夢時代』と『思記』の原稿を投稿して居ります。
また、YouTubeドラマ用に仕上げたシナリオ等も別枠で投稿して行きます。
どうぞよろしくお願い致します。
少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。
サクッと読める幻想小説です(^^♪
お暇な時にでもぜひどうぞ♬
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無課金でやっておりますので、これで精一杯…と言うところもあり、
お見苦しい点はすみません。 なので音声も無しです(BGMのみ)。
基本的に【ライトノベル感覚のイメージストーリー】です。
創造力・空想力・独創力を思いっきり働かせて見て頂けると嬉しいです(^^♪
出来れば心の声で聴いて頂けると幸いです♬
でもこの条件から出来るだけ面白く工夫してみようと思ってますので、
どうぞよろしくお願いします(^^♪
タイトル:(仮)片道切符の遠距離恋愛
▼登場人物
●遠井義雄:男性。35歳。イケメン。在宅ワーカー。パニック障害を持っている。結婚に憧れている。遠距離恋愛の彼女あり(でも遠距離じゃ耐えられなくなっている)。
●恋野近子:女性。30歳。義雄の目の前に現れる近場の恋人。義雄の部屋の隣に引越す。超絶美女。
●壁野素子:女性。41歳。義雄の遠距離の恋人(交際7年目)。義雄一筋。義雄とはここんとこずっとメール・電話でのやり取りだけ。バツイチ。2歳の息子と3歳の娘がいる。
●春日野静子:女性。30代。義雄の「いつもそばに居てくれる恋人が欲しい・伴侶が欲しい」という欲望・夢から生まれた生霊。
●女性A~B:普通にネットやってる女子。一般的なイメージでOKです。
▼場所設定
●義雄の自宅:普通のアパートのイメージ。
●バー「欲のネット」:お洒落な感じのカクテルバー。静子の行き付け。
●アイテム
●「テンポラリ・デザイア(Temporary desire)」:特製のカクテル。これを飲むといっときの欲望が叶えられる。だがその後は現実に戻り、自分の足で人生を歩むようにしなければ、とんでもない目に遭ってしまう。
NAは遠井義雄でよろしくお願いいたします。
メインシナリオ~
(メインシナリオのみ=4775字)
ト書き〈義雄の自宅〉
俺の名前は遠井義雄。
今年35歳になる在宅ワーカーだ。
いっときからパニック症を患い、普通に会社で働けなくなってしまった。
こんな俺にも彼女はいる。
でも遠距離恋愛だ。
義雄「あいつと付き合って7年か。もう3年会ってないなぁ」
今は世間で疫病が流行っており、まともに会う事も出来なくなった。
だから今、2人を繋ぐのは電話とメールだけ。
ト書き〈彼女の紹介の感じで〉
彼女の名前は壁野素子(41歳)。
現在、名古屋に住んでおり、俺は大阪に住んでいる。
だから会うとなれば、何時間もかけて人混みの中を往来し、
公共機関を利用しなければならない。
自粛生活の中では大変な事。
しかも彼女はバツイチで、2歳の息子と3歳の娘がいる。
義雄「子供を抱えてのマンション暮らしか。やっぱ大変なんやろなぁ」
ト書き〈近場の恋人が欲しくなる〉
義雄「はぁ〜アカンわ!ちょっくら気分転換や!飲みに行こ!」
そんな或る日。
俺は遂に不毛の毎日に耐えられず、行き付けのバーへ飲みに行く事にした。
そこは客がいつも少なく、自粛を強いられるこの世情でもまだ大丈夫。
ト書き〈バー「欲のネット」〉
歩いていると…
義雄「あれ、新装か?」
全く見慣れないバーがある。
名前は「欲のネット」。
義雄「ふぅん。変わった名前やなぁ。ちょっと入ってみるか」
見た感じはお洒落なカクテルバー。
客は殆どいない。
俺はカウンターに座り飲んでいた。
するとそこへ…
静子「こんにちは♪ご一緒してもよろしいかしら?」
いきなり1人の女性が声を掛けてきた。
見ると綺麗な女性。
歳の頃、30代くらい。
義雄「あ、どうぞ」
断る理由も無いので即OK。
女性の名前は春日野静子。
恋愛コンサルタントをしてるらしい。
彼女は不思議なムードを漂わせてくる。
何となく、
「昔からずっと一緒に居た人」
そんな10年来の知己、幼馴染のような感覚をもっている。
心が和らいだ俺はつい、今の悩みを彼女に打ち明けていた。
静子「なるほど。遠距離恋愛ですか」
義雄「ええ。でも今じゃもう、僕は独身と同じです。はは、男はやっぱり罪作りな生き物なんでしょうかねぇ。誰かと付き合う時、きっとその人がそばに居てくれないとダメなんですよ。少なくとも僕の場合はそうなんです…」
静子「そうですか。でもそれはおそらく誰でも同じですよ。男性だけじゃなく女性も、やはり愛する人はそばに居て欲しい…そう思っている筈です」
義雄「でも最近はもう、連絡も殆ど無いんですよ。月に1回あるかないかで。まるで彼女の心は別の誰かに移ってしまったような感覚もあって…。もしかして彼女、本当にイイ人でも見付けて、そいつと宜しくやってるのかも…」
静子「考え過ぎですよ。恋愛はいつだって、相手を信じる事が大切です。逆に信頼できているからこそ、連絡の頻度が減ったとも受け取れるでしょう?」
義雄「でもよくあるじゃないですか?本命の恋人は横に置いて、別の誰かと浮気するって話!女性は本能的にそういうこと平気で出来るんでしょう?」
俺は過去に、こんな感じでフラれた事があった。
静子「これは手厳しいご意見ですね。でもそれは偏見ですよ。全ての女性がそうではありません。それに、そんなふうに思われてる彼女がもし真剣にあなただけを愛していたら、きっと彼女は確実に悲しい思いをしますよ?」
静子「本来、遠距離恋愛は普通の恋愛よりも純粋なものです。体の関係・欲の関係を除外できる分、純粋にその相手を愛する事が出来ます。ですから今あなたが置かれているその環境は、本来とても素晴らしいものなんですよ」
義雄「で、でもさっきも言ったように僕は会いたいんです!」
義雄「彼女、もしかすると本当に浮気してるかも知れないんです。もう1ヵ月くらい前に電話をくれた時ですが、その時、なんとなく横から男の声が聞こえたような…そんな気がしたんです。その事は今でもはっきり覚えてます」
静子「なるほど。その事も含め、じかに会って確かめたい、と言う事ですね」
静子「でも本当に浮気していたらやはりツライ。その事への不安と恐怖も入り混じって、どうしていいか分からなくなっている。そういう事ですか」
義雄「ま、まぁそんな単純なものでもないですけどね…」
何となく見透かされたようで腹が立った。
静子「分かりました。あなたのお悩みを私が少しでも軽くして差し上げます」
義雄「え?」
そう言って静子は、カクテルを1つオーダーした。
静子「どうぞ。それをお飲み下さい。それは『テンポラリ・デザイア』と言う特製のカクテルでして、それを飲めばきっと今抱えておられる欲望は満たされます。その夢が現実のものとして、いっとき、目の前にやって来ます」
義雄「は、はぁ?」
静子「きっとあなたの目の前に、新しい恋人が現れます。今抱えておられるその不満や欲望を、彼女にぶつけてみて下さい。きっと彼女はそんなあなたを包容し、少なくとも今のあなたの不満や不毛の生活は解消されるでしょう」
義雄「そ、そんな事が…」
静子「ですが義雄さん。これだけは守って下さい。そのカクテルの効果はいっときのものです。その効果が許す期間を過ぎれば、あなたは必ずまた現実に立ち戻り、自分の足で人生を歩むようにして下さい。さもなければ、きっとあなたの前にとんでもない不幸がやって来るでしょう。これはお忘れなく」
訳が解らなかった。
でも、
・今抱えている欲望と不満が解消する
・夢が叶えられる
と言う静子のその言葉に、俺の心はすぐ動いた。
俺はそのカクテルを一気に飲み干した。
ト書き〈近子登場:義雄の部屋のドアをノックする)
近子「今度隣に引っ越してきた、恋野と申します。よろしくお願いします」
義雄「あ、どうもよろしく」
超絶美女!
俺のもろタイプ。
彼女の名前は恋野近子。
今年30歳になる独身OLらしい。
ト書き〈交際〉
運命の日はいきなり訪れた。
義雄「まさか君みたいな子が僕と付き合ってくれるなんて」
近子「私も。まさか引っ越し先に、あなたみたいな理想の男性がいたなんて」
俺達は付き合った。
ト書き〈数日後〉
それから数日。
俺達はいろんな場所へデートに行った。
そして、将来を約束するかのような関係になってしまった。
けれど…
義雄「…そういえば言ってたっけ、静子さん。夢が叶えられたそのあとは、必ずまた現実に戻り、自分の足で人生を歩むようにって…。もしこの近子さんとの出会いがその夢だったとしたら、この恋は終わらせなきゃいけない」
義雄「う〜〜嫌だ嫌だ!近子さんと別れるなんて絶対嫌だ!そうだ!素子は最近、俺に連絡を寄越さなくなった。つまり他にイイ人を見つけたからだ!」
義雄「それに素子はバツイチだ。子供もいて、もしこのまま素子と結婚できても、一から生活を築き合える訳じゃない。それに素子はもう41。一緒になっても俺の子供を産めないかも知れない。それならいっそ、近子と一緒に…」
ト書き〈素子からの電話〉
悩んでいた時、素子から急に電話が入った。
素子「あ、義雄ちゃん?久しぶりー♪ちょっとだけ声聞きたくなってさ」
義雄「素子…」
素子「最近なかなか連絡できなくてゴメンね。ホント忙しくてさぁ、働いても働いてもお金たまらないのよ。なんとか働ける内に働いとかないとね」
少し心が動く。
やはり素子とは7年も付き合ってきた仲。
それなりに想い出も沢山ある。
素子は元々尽くすタイプの女だ。
交際当初は本当にいろいろ良くしてくれた。
俺の為にマフラーやセーターを編んでくれた。
障碍を持つ俺の為にいつも向うから会いに来てくれた。
誕生日には必ず手製のプレゼント。
更に小さいながらもバースデーケーキを必ず買って来てくれた。
もう誰も俺の誕生日なんか祝わなくなったのに、素子だけは祝ってくれた。
義雄「な、なぁ素子、今度落ち着いたらまた」(遮るように素子が話す)
素子「あ、ゴメンゴメン!すぐ行くから待ってて!ごめんね義雄ちゃん、もう行かなきゃなんないから切るね!店長が急かしててさぁ、じゃあねー」
一方的に切れた。
この店長こそが、ずっと前から素子の周りをうろついていた浮気男。
義雄「フッ…やっぱり、もうあいつも変わったってこったな。終わりだ」
俺はこの時、素子を捨てた。
ト書き〈近子と結婚の約束をする〉
義雄「近子、結婚しないか?」
近子「ほ、本当に?信じていいの?」
義雄「ああ♪」
近子「嬉しい」
その時だった。
部屋のドアが開いてないのに、部屋の中にいつしか静子が立っていた。
静子「あれほど言ったのに、約束を破ったわね。近子さんとの甘い生活はいっときの夢。その夢に溺れちゃいけない。現実に返らなきゃいけないのよ」
静子「現実とは義雄さん、あなたの事をこれまで現実の生活で支えて来てくれた、あの素子さんとの生活の事よ。あなたは素子さんの元へ返り、彼女と2人で生活を紡いで行くべきなのよ。あなたは彼女の事を誤解しているの」
義雄「い、嫌だ!素子はもう昔の素子じゃないんだ!ついさっきもアイツから電話が掛かってきたけど、全く今まで通りだ!店長とか言うあの浮気相手と一緒にいて、いけしゃーしゃーと自分の事ばっか喋ってたんやからな!」
義雄「あんな浮気女と一緒にいるなんて、もう耐えられん!あんな女より、この近子さんと一緒にいたほうが…って、アレ?近子さん…?近子さん!?」
振り向いた時、近子はもう部屋に居なかった。
義雄「な…なんで…」
静子「言ったでしょう。近子さんとの甘い生活はいっときの夢だと。もうあの特製のカクテル『テンポラリ・デザイア』の効果は切れたのよ。世界中のどこを探しても、もう彼女はいないわ。あなたは現実のスタート地点に立ったのです。あとは素子さんとの現実の生活に歩み出すだけだったのに…」
静子「それに義雄さん。素子さんは初めから浮気なんてしてませんよ。彼女は本当に仕事上の付き合いで店長と一緒に居ただけ。あなたへの愛は1つも変わっていません。それを見抜けなかったあなたは、独り善がりな不満を募らせて、ただ自由奔放に、自分の夢と称する欲望へ向けて走っただけです」
静子「そう、変わったのはあなたの方です。彼女は本当にあなたと会う為だけに貯金して、その為に働きづめに働いて、子供の面倒を見ながら家事もして、毎日の生活を送って来ていたのです。全ては昔のように、あなたとのゆったり・まったりとした生活を取り戻す為に、身を粉にして働いたのです」
義雄「そ、そんな事、なんであんたが…」
静子「さて、あなたには自分がしでかした事のツケを払って頂きます。言った筈ですね。約束を破ればとんでもない不幸がその身にやって来ると…」
そう言った途端、俺の意識は飛んだ。
ト書き〈義雄はインターネットの中だけに存在する住人となる〉
義雄「ねーどう、今度会わない?食事代ぐらい奢るよ?」
女性A「あ❤この人、割とタイプかも?…ええぜひ、お願いします…と♪」
義雄「ねーどうかな、今夜駅前で会わない?」
女性B「お、なかなかのイケメンじゃん♪…うん、ぜひ会いましょう…と♪」
義雄「へっへへ、早速、2人の女を引っ掛けてやったぜ…。でも…どぉやったらこのインターネットの世界から抜け出られるんだよおぉおぉ〜!!」
ト書き〈義雄の悲惨な状況をパソコンで眺めながら〉
静子「ふぅ。結局、義雄はインターネットという電子の空間にだけ生きる、体を持たない存在になってしまった。そういえば、義雄が素子さんと初めて出会ったのも、このインターネットを通じての事だったわね。覚えてるかな」
静子「私は、義雄の『いつもそばにいてくれる恋人・伴侶が欲しい』と言う欲望から生まれた生霊。あの近子も私が作り上げた架空の人物。そんな架空と永遠の愛を誓うなんて、義雄はやっぱり女性を見る目が全く無かったわね」
静子「義雄は2度とこの空間から抜け出る事は無い。これ迄の自分のあり方を反省し、本当の孤独がどんなものか、身をもって知る事になるでしょう…」
少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。
サクッと読める幻想小説です(^^♪
お暇な時にでもぜひどうぞ♬