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#0001. 『地球に落ちてきたモノ』 act.1


 意識が覚醒する。


 いつもの自分のベッドの上で。残念ながら。


 なにやら夢を見ていた気がするが、知覚系のもたらす情報と入れ替わるかのように霧散してしまう。


 うー。


 建屋に隣接するグラウンドから、号令や気合や悲鳴が響いてくる。


 最悪の寝覚めだ。


 寝起きで恐縮だが、俺の名はJDだ。ジェイディー、ね。


 もちろん偽名だ。 本当の名前はもう忘れた。


 名前なんか、なんでもいい。



 日本産まれの日本人だが、故あって、今はここ、アメリカ合衆国に居住している。


 永住権?居住許可? 入国許可? なにそれ。


 いいんだよ。当の合衆国政府に、半分飼い殺しにされてる身だから。



 ここはテキサス州某所にある、某PMC(民間軍事会社)の施設だ。


 紛争地帯で傭兵をやってた時に知り合った社長の伝手で身を寄せている。


 俺も一応、顧問的なポジションで所属している事になっている。


 んで、基地内の建屋のひとつを買い取って、俺のオフィス兼住居にしているんだ。


 新築しなかったのは、単に時間的に待てなかったからだ。



 オフィス……そう、俺はここで、私立探偵のような、何でも屋のような仕事をしている。


 個人事業主でもあるのだ。裏の。


 大抵は、政府機関からの依頼で、表沙汰に出来ない案件の処理をしている。


 もう少し具体的に話すと、指定された個人や集団を殺すんだ。


 調査とか捜査とか逮捕とかは、別の者がやる。そういう要員がちゃんと居る。


 俺は、ただ殺すんだ。


 高度な暗殺とかはやらない。できない。そんな技術は無いから。


 だいたい、正面から突入してドンパチやって皆殺しにするのが、俺のスタイル。


 スタイリッシュさの欠片もない。


 その辺は改善したいと思っている。



        □ □ □  



 ああ、眼が冴えてきた。


 観念して起きるかね。



「……モニカ、インフォメーション」


『ナッシング。ボス』


「えー。無いってことはないだろう。天気とか気温とか教えてくれ」


『ナッシング。ボス』



「くそ。ぽんこつめ」


『私への、ぽんこつ呼ばわりは、ハラスメントに該当します』



『あっ。アポイントメントが一件入っています』


「ぽんこつ発言は撤回しないからなー」


『09:00 FBIのモリタ捜査官が仕事のお迎えに来訪の予定』


「あー。例の件か」



「いま何時?」


『時計をご覧になればよろしいのでは?』


「くっ」ヒクッ


「あのなあ、ひとり暮らしで寂しい俺の話し相手になるのも、お前の重要な仕事なんだぞ」


『現状に於いて、私はその職責を十全に果たしています。ボス』


「そうだが。そうなんだが。その、もっと質的な部分をこう……」


『現在08:30 そろそろシャワーを浴びられては?』


「くっそ」



 ぽんこつエージェント・システムは、今日は機嫌が悪いらしい。


「モニカ。客が来たら、オフィスまで誘導して、応接コーナーで待たせとけ」


『了解。ボス』


「それと、コーヒーでも淹れてやれ」


『無茶言わないでくださいよ』


「はっはっはっ」


 モニカがリモートで扱えるコーヒーメーカーでも買うかな。


 それと配膳用のワゴンと。


 いや、いざ全部を無人でやろうとすると、結構大変だぞ。


 結局、汎用ロボットアームが必要になるのか。


 碌なことにならない予感が……。


 などと考えつつ、


 俺は『緊急脱衣』で全裸になると、バスルームに急いだ。




  □ □ □ □ □ □ □ □ □




 身支度を整え、オフィスの応接コーナーに向かうと、一人の男がソファから立ち上がった」


 胸にでっかく『FBI』と描かれたボディ・アーマーを着けた現場装備だ。


「初めまして、ミスター・オライオン」


「FBIから来ました、モリタ捜査官です。御高名はかねがね伺っています」


 三十代前半。中々男前の醤油顔だ。


「日系のひと? 身分証見せて」


「四世です。どうぞ」


 モリタは薄い笑顔を浮かべつつそう言うと、胸の前に身分証を掲げた。


 ふーむ。どうやら本物っぽい。


「まぁ、掛けてよ」


 身分証をまじまじと見詰めてから、着席を促す。


 コーヒーでも出したい所だが……。


 やはり人間のアシスタントが欲しいなぁ。背が高くて、おっぱいの大きい。



 ついでに、どうでもよいという風に尋ねてみる。


「御高名ってどんな?」


「詳細は不明ですが、我が国のカタストロフィックな事態を解決されたとか」


 えー、なんだそりゃ。


 そこまで大層な話でもなかったと思うが。いや、そうなのか?


 というか、その程度レベルでも事件の存在が漏れてるのってマズいんじゃないの?


 事件自体が『無かった事』にされてるのに。


 その為に俺は、千人近くの関係者を殺して回るはめになったのに。



「ふーん。あんまり余計な事を探ってると長生きできないよ?」


 こいつを始末する依頼が舞い込む事がないようにと、切に願う。


 先に見知ってしまった人間を殺すのは、やっぱり気分がよくない。


「よく言われます……」


 おいおい、マジか。


 こいつの三年後の生存確率は、ゼロだ。


「だいぶお疲れの様子だけど、大丈夫なのか?」


「問題ありません」



「ふむ。それで?」


「これからペンタゴンまでお送りします。そこで事態の詳細をご説明した後、現地にお連れします」


「そう」


「私は、貴方の身分を証明する為に、本件に携わる間、常時同行致します」


 監視を兼ねて、ね。


 まぁ確かに、公的には居ない事になっている俺は、一人だと自分の身分を証明することが出来ないから、必要ではある。


「了解した。戸締りするから、ちょっと先に出ててくれ」





「モニカ。聞いていたな?」


『はい』


「どうだ?」


『モリタ捜査官は実在します。顔紋から99%以上の確率で本物でしょう』


『依頼の案件に関すると思われる報告書が二日前から活発に飛び交っていますが、機密レベルが高く、詳細に辿り着くには時間がかかります』


「そうか。そっちは続けてくれ」


『了解、ボス』



「では数日空けるが、留守を頼む」


『了解、ボス。お気を付けて』


「ああ」


「俺が居ないからって、ひとりでふらふら遊びに行くなよ?」


『そんな事……不可能ですってば』





  □ □ □ □ □ □ □ □ □




 MD500か。大丈夫かな。


 俺はモリタに促されヘリに乗り込むと、座席の上のヘッドセットを装着する。


「お待たせした。よろしく頼む」


「了解」


「ところで機長。俺、体重が一トンあるんだけど、離陸の時はその事を頭に入れておいてくれ」


「はぁ?」


「すぐにわかる」


「……了解」


 ローターの回転が加速し、浮上するかというタイミングで……まだ地上でモタモタしている。


「ぐ、なんだか異様に重い!」


 誰に言うともなく機長がうめく。


 な。言ったろう?


 積み荷のイメージからの想定重量と実際の重量との齟齬で混乱する。


 いつもそうなんだ。


 エンジンの回転が高まり、機体が恐る恐るといった挙動で浮上してゆく。


 機体の積載量的には余裕がある。


 高度を上げてからはスムーズに水平飛行に移行した。




  □ □ □ □ □ □ □ □ □



 はぁ。


 ペンタゴン、ペンタゴン。


 ここを訪れるのはなんだかんだで四~五回目だが、日々を不真面目に生きている俺にとっては、シリアスな空気が眩しいというか、場違い感が物凄くて萎縮してしまう。


 俺とモリタはエスコートの兵士六名に囲まれて館内を誘導される。ボーっとしてても目的地に着くって素晴らしい。


 兵士達が何故か完全武装で自動小銃まで携えているので、モリタは居心地が悪そうに肩を竦めている。


 俺としてはいつもの事なので気にしない。対応は丁寧だし。




 たぶん……彼らは俺のことを、バナー博士のような存在として認識しているのだと思う。


 そう考えると、とても優しい気持ちになれる。


 もちろん、緑色の巨人なんかに変身とかしないし、できない。


 何も言わずとも貨物用エレベータへ誘導された事からも、ちゃんと俺の事を『わかって』いるのが知れて安心できる。


 俺は体重が重いから、職員用エレベータは使えないんだ。重量制限に引っ掛かって。ビーって鳴るの。




 相手がビクビクしていると、こちらも緊張するし、そういう時に比喩としての『暴発』は起こりやすい。


 そして相手を皆殺しにしてから、『またやってしまった』と空しく立ち尽くすんだ。


 この十年で、何度も何度も何度も経験してきた。


 ……よく考えてみれば、変身しないだけで、やってる事はハルクと同じなような気がしてきた。



 そうだな。。


 潔く自分をハルクだと思えば、周囲の反応に気を揉んだり、不快にならなくて済むんだ。


 なんだか凄い発見をした気分だ。



 うーーむ。



 益体もない事を考えている内に目的地に到着し、会議室に通される。


 兵隊さんはここまでらしい。


「ありがとう」


 と、にこやかに声を掛けると、若い兵士はヒュッと緊張を露わにした後、取り繕うように無言で会釈をして踵を返した。


 毎度の事でも少し傷つく。自業自得とはわかっていても。




        □ □ □  



 はてさて、通された会議室は、ややこじんまりとしていたが、その反面、上品で高級感溢れるものだった。


 そして、中央に立つのは、俺が苦手とする爺さんだ。


 うへぇ。


「ミスター・オライオン、よく来てくれたね」


 爺さん、満面の笑みで、両手を広げて歩み寄ってくる。


 ひぃーっ。構い過ぎの飼い主に当たったペットの気持ちはこんなだろう。


 ぐっと右手を突き出す爺さん。


 気が進まないが、観念して握手。


 ひぃーーっ。左手を被せてきた。 


 シェイク、シェイク


 この爺さん、俺の何を気に入ったのやら。


「去年のクリスマス以来だね」


 あーはいはい。無かった事になってる核爆弾テロ事件ね。


「ご無沙汰してます。大統領補佐官」


「そんな他人行儀にならず、気安くジャックと呼んでくれたまえよ」


「えぇー。それはちょっと」


 他人なのでー。


 いや、この爺さんのノリだと、『孫娘を嫁に』とか言い出しかねん怖さがある。


「今回の件は、大統領も深く憂慮している。是非とも君の力添えで解決に導いて欲しい」


「私は別に、Xファイル案件の専門家というわけではないのですが……」


「ふっふっふ。これまでも、常識の埒外の事象・事件を解決してきた、君の能力を、私は高く評価している」


「君のような存在は、我々にとっては救いだ」


「はあ、過分なお言葉、痛み入ります」


「まぁ、微力を尽くしますよ」


「うむうむ。よろしく頼むよ」




「では、こちらへ来てくれたまえ」


 ちらと見ると、モリタはドアの傍で空気になろうと努めていた。


「大佐、お待たせしましたな。彼がオライオンです」


 大佐さんとやらはロシア軍の礼服を着ていた。ベンタゴンの中で?いいけど。


 五十代半ばか。立派な髭を蓄えていらっしゃる。


 権威主義の臭いが。まぁ上級佐官なんて皆そんなもんだが。


「こちらは、ロシア大使館の駐在武官、ケルゲレンコ大佐だ」


「ケルゲレンコだ。よろしく」


 ちょ、名前ーーーー!?


 それはちょっと駄目だろう?


 あんたの事は『ゲレンコ大佐』と呼ぶようにする!


「JDです。よろしく」


「JD?」


「オライオンは通り名ですね。自分では使いません」


「なるほど」


「さて、この後、私も現地に同行する予定だ」


「事情を伺っても?」


「我が国の気象観測衛星が制御を失い、貴国に墜落した」


「なにぶん高価な機材故に是非回収したいのだ。観測データも取り出せるかもしれぬしな」


「ところが、その墜落現場が、今回の事件と重なっていて手が出せないというわけだ」


「私は何をすればいいので?」


 と、爺さんの方に問う。


「事件の解決が最優先だ。そのなかで、衛星の回収に一定の配慮をしてやってくれ」


「なるほど。わかりました」


「ところで大佐、貴国の衛星と今回の事件との関連は、なにか考えられませんか?」


「さて。想像もつかんね」


「もうひとつ。その衛星の名前を教えてください」


「……『アウローラ』だ」



        □ □ □  



 大統領補佐官の爺さんはさっさと居なくなり、俺とゲレンコ大佐は隣の会議室へ移動した。


 モリタは影のように付いてきた。気配を消すのが上手くなってるじゃないか。


 次の会議室は二十人程の軍服やスーツ姿でごった返していた。


 ズカズカと部屋に進入すると、スーツ姿の一団に囲まれた。



「DHS (国土安全保障省)のキースです。よろしく」


「DARPA (国防高等研究計画局)のタイラーです。どうぞよろしく」


「ATF (アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)のペックだ。よろしく」


「CDC (疾病予防管理センター)のダニエルズです。どうぞよろしく」


「FWS (内務省魚類野生生物局)のマクレガーです。よろしく」


 あーはいはい。俺を都合よく使いたい方々、ごくろうさんです。


 ブラッド・ピット似のペックは、何処かで見た事があるな。


 あと、FWSは何しに来たんだ。



「オライオン、よく来てくれた」


「グレン大佐。どーも」



「正体不明の存在を確認し、捕獲又は殲滅する」


 自然公園


「キャンプ客五人が犠牲になっている。


「現時点では、地球外生命体であると想定している」


「サーモによく映るので。プレデターを常時二機張り付かせて監視している」


 地図を広げ、該当箇所で指先を滑らせ円を描く。



「衛星の墜落地点は判明してるのですか?」


「ああ、上空から映像で確認している」


「目標は何故か衛星を中心として、周囲をウロウロと俳諧(はいかい)している」



「接触はうちの兵士と学者チームでやる」


「あんたは保険だ」


「最悪の状況になったら、なんとかしてくれ。そうだな、逆上した目標が暴れ出して、我々がの攻撃では歯が立たない場合だな」


「もう少し早めに動きますよ」


 俺一人生き残っても、報告が大変だ。


「邪魔をしなければオーケーだ」



  □ □ □ □ □ □ □ □ □



 そのままゾロゾロと連れ立って移動した。


 輸送機での長時間のフライトの後に車で移動。


 現場の仮設拠点に到着とた時には、もう陽が落ちていた。



 今日はこのまま休んで、翌早朝に行動開始との事だった。



        □ □ □  



 俺は、宛がわれたテントで寛いでいた。


「モニカ。いい子にしてるか?」


『イエス。ボス』


「状況は?」


『こちらは特に何もありません』


『新しい情報も得られていません』


「そうか。こちらは今現場で、明朝まで待機だ」


「で、ちょっと調べてほしいんだが」


「一昨日に墜落したロシアの人工衛星『アウローラ』について、情報を集めといてくれ」


「気象観測衛星との事だが、軍事用の偵察衛星とかの類と踏んでる」


「できれぱ機体の仕様が知りたいな」


『了解、ボス。お任せください』


「よろしく。オーバー」




  □ □ □ □ □ □ □ □ □



 翌早朝 06:00


 邪魔しないからと懇願して、俺は接触班に同行を許された。


 拠点から車両で十分程移動した、森の入口だ。


 ここには大型テントを並べた仮設拠点が設営されている。


 森と拠点との間には、M3ブラッドレー騎兵戦闘車が四両、静かに佇んでいる。


 接触班は、誰だか知らんが学者先生五名と、護衛の兵士二十四名だ。


 プラス、おまけで俺っと。


 済々と森の中に踏み込んで行く一行。俺は最後尾にちょろりとついてゆく。



 なにげなく生命探知スキルをアクティベートし、驚いて立ち止まってしまった。


 目標は上空の無人偵察機が常時捕捉しているとの事だったので、油断していた。


 うーわ。ナニコレ。


 生命探知のレンジ内が真っ白だ。


 ターゲットと思われる光点はレンジ境界付近にかろうじて視認できる。


 ターゲット以外の光点、接触班の面々は視認不能。白昼の星だ。


 この状況って、ようするにターゲットの生命力が桁違いに大きい事を示唆している。


 それも4桁くらいは違うぞ。


 成体のドラゴンだって、これの百分の一くらいだった。


 なんだ? 神様とか、天使とか? そういった類なのか?


 正直言って、帰りたくなってきた。


 これは戦って勝てる気がしない。


 俺は、円満に敵前逃亡する為の言い訳を考え始めていた。



 接触班は結構前後に伸びた隊列で進んでいた。


 先導する斥候グループは、GPSを頼りに迷うことなく目標へ近づいてゆく。



 うわー、どうしよう。


 かつてドラゴンとの交流を持った事のある身から言わせてもらうと、力の差が隔絶している相手との交流は難しい。


 相手の望むがままの振舞いに、こちらは何もできないのだから。


 俺の場合は、言葉が通じた事と、ドラゴンが人間を良く知っていて、歩み寄りと配慮を示してくれてた。


 それと同じ事を期待するのは無理があるだろう。





 遠くで銃声。


 やばい。最悪だー。


 滅茶苦茶に撃ってるな。


 俺の前を歩いていた兵士達が走り出す。


 仕方がない!


 泣きたい気分で俺も走り出した。





 兵士達に続いて走っていると、暫くして銃声が途絶えた。


 えー。全滅か。




 現場に到着すると、肉の焼け焦げた臭いが漂っていた。


 見渡す範囲で五、六人が倒れてる。


 頭が無かったり、胴体に大穴が開いてたり。


 破口から薄っすらと煙が立ち上っている。


 ああ、何があったが知らんが、こうもあっさりと破綻するとは。



 !!



 ターゲットを目視で確認。


 身長百二十センチ程度の人型。


 腕がやや長いか。そのシルエットは、サルのようにも見えなくもない。


 『ダイ・アナザー・デイ』のオープニングのマグマレディみたいな感じ


 ボディは気体のようにも見える。プラズマかなにか?


 そう、TVの科学番組で見た、木星の表面みたいな感じ。


 なんなんだろうな、コイツ。


 一緒に問到着した兵士に手を上げ、迂闊な行動を控えるように制する。


 

 兵士が滑って気付かれた。


 やべ


 放電のようなもので二人の兵士が倒された


 ままよと銃を抜き撃ってみるが、全く手応えが無かった。


 まるで煙の柱を礫がすり抜ける感じだった。


 正直、この時の自分の判断はどうかと思う。



 一瞬で目の前が真っ白になり、胸に衝撃。


 放電?を胸に喰らったのだろう。


 そして、意外と穏やかに意識が暗転した。




     (つづく)



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