属性選択と技能
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☆属性の説明
基本的に火、土、金、水、木、風で構成される。
イベントや魔術系統技能、技術に影響を与える。
また、得る属性によって能力成長値にボーナスがある。
※将来的に魔術など属性が関わる技能を取得したいと考えている方は対応した属性を取得することをお勧めします。
~先天属性値~
生物が生まれながらにして持つ属性。決して消えることがない。
~後天属性値~
何らかの手段によって後天的に得る属性イベントや特定の神への信仰などで取得することができる。
☆属性の設定
『火属性』
能力成長値:筋力値
『土属性』
能力成長値:耐久値
『金属性』
能力成長値:器用値
『水属性』
能力成長値:知力値
『木属性』
能力成長値:精神強度値
『風属性』
能力成長値:ランダム
『ランダム』
下記の特異性質を取得し属性をランダムで選出する。
特異性質【輪廻の誘い】
〇属性をランダムに選出する。この性質は一度取得すると外せない。
〇運命力が強くなる。運命力が強くなるほど特別なイベントが発生するようになる。
〇この性質は定着効果が存在しない。
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説明をざっと読む。
重要そうなのは取得できる技能に影響することとイベントに影響することだろう。ただし詳細は分からず何の属性を選択すべきかの指標にはなりえない。
魔術は属性を持っていなければいけないようだ。そういえばライゼン団長は金属性で使っている魔術も金属性だった。
どの属性が一番戦闘に向いているのだろう。一見攻撃に向かなそうな金属性という属性もうまく使って攻撃に生かせていたあたりどれを選んでも一定の使い道はありそうだ。
ここでも考えて決めるよりも運命力を増やした方がよさそうだ。
「ランダムで、特異性質を取得します」
『分かった。特異性質【輪廻の誘い】を取得します。……取得しました』
決めかねて結局ランダムを選択する。運命力を高めてイベントを発生させたい。
また視界が白みだすんじゃないかと身構えていたが先ほど種族を選択した時のような演出はなかった。
困惑して自分の体を見回していると見かねたルカが説明のウィンドウを出してくれる。そこには「胸を見て」と書かれていた。
何を破廉恥なと思いながら着ていた貫頭衣の隙間から胸元を覗くと胸にこぶし大の深緑色の石が埋まっていた。
ライゼン団長の手首にあった石と似ている。思索に耽っていると服をつまんでいた私の手首にも石がついていた。
ルカが説明ウィンドウを出してくれる。
【輝石:生きとし生けるものすべての胸に存在する石のような器官で生命活動に必要不可欠。人間の手首には副輝石というものも存在している。】
心臓のようなものだろうか。
ゲームの世界の人間には不思議なものが付いているものだなと思った。
……そういえば身長は大きくなったけど胸は大きくなってないんだ。しかも胸の先がなくなってる。
目に入ってしまうとどうしても気になってしまう。
年齢制限やゲームのシステム上の問題だろうかとくだらないことに思考を割いているとミラーボールさんの、
『あなたは木属性になった』
という声が聞こえてきた。
忘れていた。
思考を属性に関することに戻す。
木属性はどのように使えばいいのだろうか。ライゼン団長のようにうまく生かす方法を模索してみる必要がありそうだ。
けれど今考えていても分かることはないと判断して思考を切り上げる。
「次に技能の説明をお願いします」
『うん。今表示するね』
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~技能についての説明~
何かを行うための技術。学問、芸術、生産、そして戦闘など多岐にわたる。
全ての人間が輝くため、生きるために研鑚を積んで得たかけがえのないもの。
〇取得方法
技能の取得に制限はなく、取得方法は多岐にわたる。イベントでキャラクターに教えてもらうことで得る、行動を起こすことで自然と入手する、特定の条件を達成することで得ることが出来る。
〇技能の表記
『技能名』:習得度【現在パフォーマンス/現在ポテンシャル】
例:
『徒歩』:30【20/30】
・習得度
技能の習得しているレベル。最大で100。後述する技能タスクをこなすことで上昇する。
習得度が向上することによってパフォーマンスの下限が上昇し、現在ポテンシャルの基準値が上昇する。
・パフォーマンス
技能を発揮する際のパフォーマンス。
戦闘の場合は与えるダメージなど、芸術系、生産系の技能では作成したものの品質に影響がある。
数値は調子、満腹度、気力、性質などに影響され、表層記憶域に存在する時間にも影響される。
・現在ポテンシャル
一番状態の良い理想のときに発揮できるパフォーマンスの最大値。
技能の種類によって基礎ステータス(道具を扱う場合器用値に、学問系だと知力値)の影響を受ける。
・技能タスク
技能を向上させるために行うこと。こなしていくことで技能の習得度が向上する。
また、こなしていくとパフォーマンスが上昇する。
例:
『剣術』:1【1/10】
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~技能タスク~
・常設
〇素振りを100回しよう。『0/100』
〇モンスター10体を剣術で倒そう。『0/10』
〇剣を10分以上帯刀し続けよう。『0/600』
・特殊
〇剣術を使用し、5回連続で弱点に攻撃を当てよう。
〇剣術でロンレーユを10匹倒そう。『0/10』
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・
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・表層記憶域
記憶の表層。使用したばかりの技能は記憶に新しい。
技能を使用するときに必ず表層記憶域内に入る。したがって使用していない技術は次第に表層記憶外に追いやられる。
表層記憶外に追いやられた技能は表層記憶域に存在していない時間と表層記憶域との間にいくつ技能が存在するかに影響されてパフォーマンスが低下していく。このときのパフォーマンスの低下は知力の値に依存する。
パフォーマンスを戻すためには技能を使用する、あるいは技能タスクを行う必要がある。
例:
表層記憶域|1【基礎剣術】2【足運び】3【モンスター知識】4【動体視力】5【受け身】|
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要約すると技能タスクをこなしていくことで技能の習得度のレベルが上がる。習得度が上がればパフォーマンスの下限と現在ポテンシャルが上がり、戦闘でダメージを有効的に与えることができるということのようだ。
技能を取得に制限がないようだがパフォーマンスが表層記憶域に入っていなければいけないことを考えるといきなり手を広げすぎてもうまくいかなそうに見える。
……まぁ、現実でもそうですよね。
ずっとやっていないことって忘れていく、スポーツや芸術でも体がなまっていくという表現をする。ゲームの世界でも同じだったということだろう。
私は技能を取得する際になるべく絞っていく方針に決めた。
「えっと、次にこのルデマラージュ? というやつの説明をお願いします」
『了解だよ』