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【書籍化】乙女ゲームの設定で私に義弟なんていなかったはずだけど、トキメキ止まらないので悪役令嬢辞めて義弟に恋していいですか?  作者: 雨宮レイ.
第1章

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79.【SS】5ヶ月目の天使。(ユリウス目線)

本日2話目です!

 






「ウィル!一緒にお菓子を食べましょう?」

「はい!姉上!」

「ほら、汗を拭って?風邪を引いちゃうわよ」



 天気が良く暖かな日差しが僕らを包み込むある日。いつものように庭で剣を振るウィルの元に愛しいティアがタオルを持って駆け寄っている姿が目に映る。


 いつの間にか日常となったこの光景に僕はつい口元が緩むのを感じた。



「あっ、ユリウスお兄様っ!お兄様も一緒にいかがですか?」



 そんな僕に気づいたティアが大きく手を振りながら笑顔を見せる。



「うん、頂こうかな。すぐ行くね」



 そう答えればティアはぱあっと表情を明るくさせて嬉しそうに笑う。



 いつの間にかレディーになっていた可愛い妹の笑顔は、身内びいき無しに世界一可愛いと僕は思う。


 顔が可愛いとか、笑顔が可愛いって言うのは当たり前だけど、それだけじゃなくて。

 見えない部分の綺麗さが、よりティアを輝かせるのだと僕は思う。



 本当に、いい子に育ってくれた。



 僕の妹は生まれた時から天使のような存在だった。

 冷めきっていた僕の心を溶かしたのも、紛れもない彼女で。そんな彼女は擦れる事無く優しく女神の様な女の子に成長した。


 僕の自慢の妹だ。

 だからこそ、どこぞの馬の骨とも分からない男に取られないかずっと不安だったんだけど……



「これはいちごで、こっちはレモン。それからこっちがチョコレートで……」



 そう言いながら手元のクッキーの味を説明しているティアと、そんなティアを優しい瞳で見つめる弟のウィル。


 その眼差しは、僕と似ていて。でもやはり少し違っていて。いつか彼のこの視線が交わればいいと僕はいつからか願うようになっていた。


 まさか自分の天使が取られるかもしれないというのに、こんなにもあっさり誰かを認める様になるなんて少し前の僕には考えられなかったな。



「お兄様は何味がお好きですか?」

「そうだね、僕はレモンかな?あっさりしていて美味しいよね。」

「はいっ!私も好きですわ!」



 この笑顔がいつか僕以外のものになるのかと思うと少し寂しくもあるけど。



 あぁ、でもこの笑顔が昔から変わらないからきっと。きっと、ティアは大人になっても今と同じように僕に笑いかけてくれるのではないかとも思う。



 ティアが1番初めに呼んだのは僕の事だった。



「にー、にー!!」


 あー、とか、うー、とか。これまでも行ったことがあったけど、この言葉は初めてだった。

 それが本当に僕のことを呼びたかったのか、それともただの意味の無い言葉なのかは分からない。でも、僕が近くにいる時にだけその言葉を口にすると母上は言っていた。


 そして少し大きくなったティアはハイハイしながら僕の後ろをずっと着いてきていて、僕が振り向けば嬉しそうに「にーにー!」と言いながら笑うようになった。



 だからきっと、あの頃からティアはずっと。ずっと僕のことを呼んでくれていたのだと思う。



 それがいつの間にか、こんなにも大人になった。

 まだまだ先だと思いつつもつい、想像しては泣きそうになる。



 離れていかないでと思う反面、幸せになって欲しいとも思う。

 6歳差がこんなにも大きいだなんて思わなかった。




「ティア」

「お兄様?」

「ありがとう」



 元気に育ってくれてありがとう。



 僕に幸せを教えてくれてありがとう。




 幸せそうな笑顔を見せてくれてありがとう。




 君が僕の妹である事が、きっと僕の最大の幸福だよ。




「えっと、どういたしまして?」



 僕の突然の感謝に首を傾げるティア。



 そんな姿も僕の目には愛おしく映る。



 どうか、どうかいつまでもそのままで――。




 僕は初めてティアの前で声を上げて笑ったのだった。







20211014.



少しお休みをいただきます!

次回更新はまたご連絡させて頂きます!




本日10月14日で私が小説を書き始めて5ヶ月になりました!

この5ヶ月で本当にたくさんの方に作品を読んでいただけて、ランキング入りもさせて頂けて本当に嬉しく思います!!!

ブックマーク、感想、レビュー、誤字脱字報告などなど、本当にいつもありがとうございます!!!



これからもティアとウィルとユリウスをよろしくお願いします!!

ついで程度に雨宮レイ.もよろしくお願いします!!!




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