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【書籍化】乙女ゲームの設定で私に義弟なんていなかったはずだけど、トキメキ止まらないので悪役令嬢辞めて義弟に恋していいですか?  作者: 雨宮レイ.
第1章

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39/85

39.ヒロイン補正って理不尽すぎませんか?

ブックマーク&作品評価ありがとうございます!

 




 天気の良いある日、今日も今日とてお兄様とウィルの実技稽古を見に来て3人でいつものようにお菓子を食べながらお茶をのんでいると、お兄様が口に運んだ紅茶のカップを机に置いてからゆっくりと口を開いた。



「そう言えば、今朝父上から聞いたばかりでまだ公にはなっていないけど、アルフレッド殿下に魔力が発現したみたいだよ。」

「えぇっ!?!」



 あまりにも突然のお兄様の言葉に私は再び令嬢らしからぬ声をあげた。



 それもそのはず。


 とうとう来てしまったのだ……



 アルフレッド殿下によるとばっちりフラグが!!!!




 9歳になった王太子は突然魔力を発現させる。

 魔力とは普通生まれた時から宿っているもので、突然発現するなんて前例がない。さらに現在の王族の中に魔力持ちはいないため、皆王太子のその力に期待する。


 しかし、その力は魔力持ちの平均以下の力でしかなかったために、周りからの過度な期待により王太子は性格を拗らせ、国一番とも言われる魔力持ちのお兄様にコンプレックスを抱き、憎み、そのお兄様の妹である私も憎み敵対心を持つという、とばっちり物語が隠しルートで展開されていたのだ。



 そしてその魔力を発現させた今、王太子によるとばっちりフラグが立ったのである!!



 王太子が魔力を発現させ、お兄様と私を憎むと王太子は私たちに敵対心を向けそのせいで仲違いした後、いずれこの世界に来るヒロインに対しての私の嫉妬心をわざと煽るのだ。そしてその結果私はヒロインを虐める悪役令嬢になり断罪される。



 例え私がヒロインを虐めなくても、この世界は恐らく王太子ルートであり、ヒロイン補正などによって私は事実無根の罪をでっち上げられてゲーム通り断罪される運命になるだろう。



 ……なぜそう思うかって?前世で読んだ悪役令嬢系の小説はみんなそうだったからだ!!


 ヒロイン補正?ズルくない??

 事実無根の罪?なにそれ酷くない??


 なんて内心悪態をつく。



 ヒロイン補正、それはヒロインだけが受けられる恩恵であり、前世で読んだ異世界転生や悪役令嬢系の物語によくありがちな話で、ヒロインに有利に物事が進むことを言う。


 つまり、この世界が王太子ルートだとすればヒロインがやって来た後彼女は王太子と恋に落ちる。

 そして、私が悪役令嬢としての行動をしてもしなくても、ヒロイン補正が働いた結果、きっと私は悪役令嬢に仕立て上げられるだろう。



 なんて理不尽な!!!!!!



 この世界、悪役令嬢に厳しすぎませんか!?

 このゲーム内の悪役令嬢は悪役令嬢なのに名前どころかキャラデザすら無く黒い影での登場だし、ヒロイン補正のせいでやっても無い罪をやったと言われる(予定だ)し!!!



 それにゲーム設定の(悪役令嬢)は王太子にはとばっちりで敵対心持たれるし、実は恋心を抱いていた幼なじみにはこっぴどく振られるし、近衛騎士団団長にはその鋭い剣で斬り付けられるし、宮廷魔術士には優秀なお兄様(ユリウス)とは違う出来損ないの妹だと毛嫌いされる。そして極めつけは、隣国の王子様による同じ空気を吸いたくない発言だ。



 美しく綺麗な作画で描かれる隣国の王子様は顔面が尊く性格も良いため人気No.1キャラである。さらに大人気声優が声を担当し、美しい顔から囁かれる甘く蕩けそうな声にファンはもちろん、他のキャラを推している人ですらキュン死したという。

 ……もちろん私もその中の1人であるが。



 しかし、全ての選択肢で正解を選び続けることによって出現する隠しルートにて、優しく美しい隣国の王子様のその優しい笑顔から吐き出される聞き間違いかと思ってしまう発言には賛否両論あったものの、1部の女子の性癖を開花させてしまったとも言われている。



 とまぁ、まだ出会ってもない隣国の王子様の話をしても意味は無いからとりあえず横に置いておこう。


 ただ、きっとゲーム内のヒロイン目線で見るのと、実際に美しい顔を前にして言われるのではダメージが全然違うんだろうな……と予想できるが、今の私には是非ともそんな未来が来ないでくれ。と願うことしか出来ないのである。


 ……無念。




 それよりも、今は王太子の事を考えなければ。隣国の王子様より自国の王子様ってね。



 ウィルがこの家に来る前に王太子のとばっちりフラグを回避しようとしたけれど、結局有耶無耶なまま。気づけば約1年が経過していた。


 そして完全にとばっちりフラグを折っていない以上、まだ断罪フラグの回避は出来ていない事になると今更ながら気づく。



「これまでに前例のない事だからね、公表はまだ先になるみたいだけど」

「そうですか……、殿下が魔力を……」

「うん、それで今度殿下に魔力操作を教えるために王宮へ行くんだけど、もし良ければティアも一緒に行かないかい?」

「私、ですか?私もいいのですか?」

「うん、問題ないと思うよ。それにウィルも行くけど、ティアが一緒の方が嬉しいだろうしね」



 いつの間にそんなことが決まっていてウィルも行く事になっていたのか気になる所は多いが、ウィルも行くなら、と私は二つ返事で答える。



 これは、チャンスかもしれない!

 まだ発現したばかりで、今はまだこれから魔力量も増えるだろうと期待されている段階だ。という事はまだ王太子はお兄様にコンプレックスを抱いていない。今の段階でフラグをへし折れば、私は将来断罪されずに済むかもしれないのだ。




 ――今度こそ!やってやるー!!!!!と、気合を入れているクリスティアは、既にアルフレッドのフラグがへし折れていて、アルフレッドに関して折らなければならないフラグが()()()()である、ということには気づいていない。



 さらにアルフレッドがクリスティアに対し特別な感情を抱いている、という事実を知る者ももちろんこの場にはいないのであった。


 



そして、王宮にてバチバチに火花を飛ばした争いが起こるのはもう少し後の出来事である。











20210615.



次回更新予定日は6月29日です。


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