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第5話 今すぐ焼いてきます!
ある日、セヴェリにねだられて大急ぎで作ったクッキーを食べさせると、またも大笑いされてしまうサビーナ。
セヴェリの考えていることはよく分からない。
すると来客があったので、その対応をする。
お客は、妖精のように美しいレイスリーフェ・クラメル。セヴェリの婚約者であった。
セヴェリの部屋にレイスリーフェを通し、お茶を持っていこうとするもセヴェリにいらないと言われる。
レイスリーフェの護衛の者は別の部屋に通していたので、そちらにお茶を持って行くと、不穏な声が聞こえてきた。
「それを正すために、わざわざレイスリーフェ様がここまで出向かれているのだ」
「それでも俺は、レイスリーフェ様がお決めになった事ならば従う覚悟はある」
「冗談はやめてくれ。俺は正騎士兵相手に、大立ち回りを演じたくはねぇぞ」
サビーナには何を言っているのかわからなかったので、気にせずに中に入り、二人の護衛騎士にお茶をそそいだ。