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たとえ貴方が地に落ちようと【簡易版】  作者: 長岡更紗


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第47話 うん、リック臭がする

川に入ったサビーナは翌日、見事に風邪をひいてしまった。

夕方になると、セヴェリが様子を見にきてくれる。

軽い抱擁を交わしたあと、疲れてはいけないからとすぐ出て行ってしまった。

もう少し一緒にいて欲しいと思ったのは、風邪をひいて寂しくなっているからだ。

その後で、リックバルドも部屋に入ってくる。


挿絵(By みてみん)「大丈夫か、サビーナ」

挿絵(By みてみん)「しんどい、苦しい、死にそう……」

挿絵(By みてみん)「分かった、今から遺言を書いておけ」

挿絵(By みてみん)「ちょ……死なないから!」

挿絵(By みてみん)「まぁ言い返す元気があるなら、そう心配はいらんようだな」

挿絵(By みてみん)「でも節々痛いよー……喉も痛いよー……」

挿絵(By みてみん)「一体何があったんだ? セヴェリ様に謝られたが……」


問われて、サビーナは昨日のことを話した。

相変わらず腹の立つ兄の物言いにヒートアップしていると、だんだんと息苦しくなってくる。


挿絵(By みてみん)「うー、もうダメ……」

挿絵(By みてみん)「大人しく寝てろ」

挿絵(By みてみん)「うん、そうする……」

挿絵(By みてみん)「じゃあ、俺は帰るからな」

挿絵(By みてみん)「え!? 行っちゃうの?」

挿絵(By みてみん)「お前は風邪を引くと、いつもより余計に我儘になるな」

挿絵(By みてみん)「だって……」

挿絵(By みてみん)「まぁ、今日くらいは居てやる。病気の妹を置いて帰って来たと言っては、親父に向ける顔がない。それに、お袋に真剣で斬られかねんからな」

挿絵(By みてみん)「ぷっ」


リックバルドの母親は元冒険者で、天真爛漫な人だ。

夜も更けてくると、リックバルドは当然のようにベッドに入って来た。


挿絵(By みてみん)「もっとそっちに寄れ。狭くて敵わん」

挿絵(By みてみん)「リックがでかすぎるんだよ……」

挿絵(By みてみん)「文句言うなら帰るぞ」

挿絵(By みてみん)「えー、ダメ」


 リックバルドとこうやって一緒に寝るのは久しぶりだ。

目の前の胸に顔を寄せると、思い切り息を吸い込んだ。


挿絵(By みてみん)「うー……うん、リック臭がする」

挿絵(By みてみん)「何だ、それは。臭いのか?」

挿絵(By みてみん)「まぁ良い匂いってわけじゃないけど、私にとっては安心できる匂いかな」

挿絵(By みてみん)「そうか。レイスもそう思ってくれていれば良いが」


 リックバルドからレイスリーフェの名前を出されて、サビーナは少し眉を顰めた。


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