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たとえ貴方が地に落ちようと【簡易版】  作者: 長岡更紗


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第45話 拒否してる訳じゃ……

 部屋でサビーナは悶々としていた。

 セヴェリとの抱擁を、デニスは見てしまったのだ。ショックを受けてはいないだろうかと気になる。

 本日デニスは夜勤で、邸内を見回りにくるはずだ。その時を狙って、サビーナはデニスを部屋に引き入れた。


挿絵(By みてみん)「サビーナ? なんだなんだ、どうしたんだ?」

挿絵(By みてみん)「ちょっと、話をしたくて……」

挿絵(By みてみん)「ああ、まぁいっけど……勤務中だから、手短かに頼むぜ」

挿絵(By みてみん)「うん、ごめんね。あの、今日は……」


 しかしそこまで言って言葉が詰まってしまった。最初は謝るつもりだったが、何をどう謝ればいいというのか。

 黙っていると、デニスの方から言ってくれた。


挿絵(By みてみん)「さっきのアレ、何だよ? 何でサビーナとセヴェリ様が抱き合ってたんだ? セヴェリ様は、レイスリーフェ様との結婚が決まってるってのに……」

挿絵(By みてみん)「あの、別に、不貞とかではないんですよ!」


 小動物がいたから驚いて抱きついたと、サビーナは下手な言い訳をした。


挿絵(By みてみん)「……あんた、よくセヴェリ様と出掛けてるみてーだけどよ。いつもあんななのかよ」

挿絵(By みてみん)「あんな……って?」

挿絵(By みてみん)「セヴェリ様の護衛として出掛けてたんじゃなく、ああやっていつも一緒に食事をしてたのかって聞いてんだ」

挿絵(By みてみん)「あ…… うん……護衛も兼ねてるけど、一緒に食事してた……」

挿絵(By みてみん)「何考えてんだろな、セヴェリ様も……」


 デニスはサビーナのことを心配してくれたが、大丈夫だと答える。

 そして彼は部屋を出ようとした足を止めて、振り返った。


挿絵(By みてみん)「あのよ」

挿絵(By みてみん)「はい?」

挿絵(By みてみん)「俺もあんたの事、ちょっと抱き締めてもいいか?」

挿絵(By みてみん)「ええ?!」

挿絵(By みてみん)「んだよ、そんなに拒否んなくてもいいじゃねーか」

挿絵(By みてみん)「いや、拒否してる訳じゃ……びっくりしちゃって」

挿絵(By みてみん)「拒否じゃねーのか?」

挿絵(By みてみん)「う、うん。だ、抱き締めるだけっていうなら……」

挿絵(By みてみん)「マジで? めっちゃ嬉しい」


 サビーナが何かを言う前にグイッと抱き寄せられた。そしてそのままギューッと抱き締められる。


挿絵(By みてみん)「デ、デニスさ……」

挿絵(By みてみん)「今度の水曜、また予定空けといてくんねーか?」

挿絵(By みてみん)「え?」

挿絵(By みてみん)「渡したいもんがあるんだ」

挿絵(By みてみん)「渡したいもの……今じゃ駄目なんですか?」

挿絵(By みてみん)「まだ手に入れてねんだよ」

挿絵(By みてみん)「何だろう。すごく楽しみです」

挿絵(By みてみん)「おう、期待しとけよ。よし、エネルギー充填完了! 仕事に戻っか!」

挿絵(By みてみん)「朝まで大変ですね。頑張ってください」

挿絵(By みてみん)「おー、賊が来ても俺がすぐに倒してやっから、泥舟に乗ったつもりで安心して眠ってくれ!」


 カカカと笑うデニスがあまりに自信満々で、サビーナは「うん」と答えて送り出す。


挿絵(By みてみん)「デニスさん……泥舟には乗りたくないよ」


 そして自信満々に『泥舟』と言い切った彼を思い返し。


挿絵(By みてみん)「っぷ。クスクスクスッ」


 肩を揺らせながらベッドに潜ったのだった。



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