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第4話 キアリカさんは相変わらずお綺麗で
暇ができた日に鍛錬所に行き、ファナミィに駆け寄ろうとするサビーナ。
しかし、大男に阻まれてそれは叶わなかった。
そう言ったのは、オーケルフェルト騎士隊の隊長本人である。
恐縮するサビーナの頭を、ガシガシと撫でながらからかうシェスカル。そんな彼をバコっと叩く者がいた。
どうやらシェスカルはバツイチらしい。
リックバルドに言われても、シェスカルはサビーナに触わってくる。
「これだから会わせるのをずっと避けていたんだ。お前は素朴専門だからな……」
「いやー、素朴ちゃんも美人ちゃんも、どっちも最高じゃないですかー!」
「良い加減にしてください、シェスカル隊長!! リックさんも隊長の安い挑発に乗らないでください、情け無い」
気苦労が絶えないキアリカである。
いつもはリカルドという別の班長が抑えてくれるらしいが、今はデニスという班長と魔物退治の遠征中らしい。
「そんなわけないでしょう、あいつは乱す側! 腕は立つけど、馬鹿な美形ほど手に負えないものは無いわ」
キアリカの言葉は、辛辣であった。