↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
たとえ貴方が地に落ちようと【簡易版】  作者: 長岡更紗


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

37/115

第37話 水曜日、楽しみだな

翌日、サビーナは給湯室で仕事の準備をしながら、ため息を吐いていた。

デニスのことを考えると、胸が重い。色々と言い訳したいことがあり過ぎる。

そしてまた、一緒に気兼ねなく出かけられる仲に戻りたい。


挿絵(By みてみん)「おい、茶ァくれ」


唐突の声に驚いて振り向くと、そこにはデニスがいた。


挿絵(By みてみん)「休憩室にいっから。急いで頼むぜ」

挿絵(By みてみん)「あ……うんっ」


急いで隣の休憩室にお茶を持って行くと、デニスが一人突っ立っている。


挿絵(By みてみん)「……納得行かねーんだよ。俺、そんな迷惑な事したか? 確かにほとんど毎日食事に誘ってたけどよ、それが嫌だったんならそん時断わりゃ良い話じゃねーか」

挿絵(By みてみん)「それは……」

挿絵(By みてみん)「俺が班長だから断りにくかったか? だからって、リックバルド殿に言わせる必要はねーだろ。どうせ断られんなら、あんたの口からちゃんと直接聞きてぇよ」


どう説明すれば良いのだろうか。セヴェリと二人で外出する理由を失わず、リックバルドにも文句を言われず、デニスを納得させる方法があるというなら、誰か教えて欲しい。


挿絵(By みてみん)「……俺、あんたと居んの、結構楽しかったんだ。あんたがセヴェリ様の事を真剣に考えてくれてんのが嬉しかったし、ちょっと感動したんだぜ。真っ直ぐにセヴェリ様を生かすって言ってくれたあの言葉がよ」


 サビーナはハッとして顔を上げる。

 あの夜、彼もまた、心を揺るがす風が吹き抜けていたのだ。


挿絵(By みてみん)「最初に食事に誘ったのは、同志がいるって思うと親睦を深めたくなったからだ。次はまぁ、怒鳴っちまった詫びに……だったけどよ。でもそうして何度もメシに行って話してるうちに」


 デニスは唐突にそこで言葉を切り、真っ直ぐにサビーナに目を向けた。


挿絵(By みてみん)「なんつーか……好きになりかけてたんだと思う」

挿絵(By みてみん)「えと……あの……」

挿絵(By みてみん)「悪ぃ、まだハッキリとは言えねぇんだ。俺自身、この気持ちをちゃんと見極めてぇって思ってた。だからあんたを毎日メシに誘った」

挿絵(By みてみん)「……うん」

挿絵(By みてみん)「まだちゃんと答えを出せてねぇのに、俺をシャットアウトすんなよ。頼むから」


なんだかクラクラしてしまって、足元が覚束ない。


挿絵(By みてみん)「おい、何とか言ってくんねーか」


サビーナはまず謝った。リックバルドが勝手をしたこと、迷惑とは思っていないことを。

リックバルドは過保護だから、おおっぴらに二人っきりで食事には行けないということにしておいた。


挿絵(By みてみん)「だから、誰にも内緒なら、デニスさんとお食事に行けます」


サビーナの言葉に、嬉しそうな笑顔を見せるデニス。


挿絵(By みてみん)「じゃ、今度は誰にもバレねーように、どっか行こうぜ」

挿絵(By みてみん)「あ、でもそんなにしょっちゅうは……」

挿絵(By みてみん)「ああ、そうだな。じゃあ、いつが良い?」

挿絵(By みてみん)「来週の水曜くらいなら。仕事が終わったらすぐに向かいますね」

挿絵(By みてみん)「おう、俺もなるべく急ぐからよ。じゃ、戻んねーと。便所だっつって鍛錬抜けて来ちまったからな」


デニスが出て行ったあと、サビーナは水曜日が楽しみで、自然と笑みが溢れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。