第34話 セヴェリ様の事を知り尽くしたいんですーっ
部屋に入れてくれたセヴェリは、心配そうに尋ねてくれる。
サビーナはそれを否定し、リックバルドと喧嘩をしたこと、その理由が勝手にデニスの誘いを断ったことにあると話した。
「リックバルドも過保護なことですね。しかしあなたとデニスは付き合っているのですから、周りの言葉など気にしない方が良い」
「いえ。しかし付き合っていなくとも、サビーナの気持ちはデニスにあるのでしょう?」
「な、無いのですか!? 何度か二人でいる所を見かけましたが、とても仲睦まじい様子でしたよ?」
デニスといる時は、いつもセヴェリのことをどっちがより思っているかを競い合うのだと伝える。
「そうは見えませんでしたが……では何故、あなたはリックバルドと喧嘩をしたのですか? デニスの事が好きで、今後一緒に食事が出来なくなるのが嫌だったからでしょう?」
このままではデニスとくっつけられてしまいそうだ。それは困る。
「それは、リックが勝手に迷惑だって言っちゃったからです! 本当は、私から迷惑だって伝えるつもりだったのに……!」
思わず、そう言ってしまった。
デニスには、自分のセヴェリへの思いを軽んじられていて腹が立つ、デニスに比べてセヴェリの事を知らないから、負けてばかりなのが悔しいと。
「では、私の事を詳しく知れたなら、デニスとまた元の様に食事に行く事が出来ますね?」
彼は立ち上がると、上着を一枚羽織り始める。
「私の事を知りたいのでしょう? 今日はちょうどリカルドをからかえるネタが出来る、良い機会なのですよ」
出かけるなら護衛騎士をというと、あなたがいるからと断られる。
そして、何故か二人っきりで出かけることになったのだった。




