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第20話 自分でバカって言ってて虚しくないですか?

 リカルドが出て行った後、すやすや眠っていたサビーナだったが、突如頭に衝撃が走った。


挿絵(By みてみん)「いっだーっ!!」


 飛び起きると、そこには美形悪戯小僧の姿が。


挿絵(By みてみん)「デニスさん!? 何するの!」

挿絵(By みてみん)「へっへー、デッコピーン! 効いただろ?」

挿絵(By みてみん)「な、何で勝手に部屋に入って来てるんですか??」

挿絵(By みてみん)「え? だって鍵掛かってなかったし」

挿絵(By みてみん)「か、鍵が掛かってなくったって、普通ノックもなしに入って来ないでしょ!」

挿絵(By みてみん)「ノックならしたぜ? ぜーんぜん反応無かったけどな。鍵掛けずに寝るなんて、あんた無用心過ぎんじゃねーの?」

挿絵(By みてみん)「あの……何かご用でも?」

挿絵(By みてみん)「ん? ああ、ちょっと話があってよ。警戒すんなって! 何もしやしねーよ!」


 しばらくはリカルドの話を嬉しそうにしていたデニスだったが、途中から陰りを見せた。


挿絵(By みてみん)「けどなぁ、最近みんな隠し事が多いからよ。何考えてんのか、ズバッと言ってくれりゃあいいのになぁ」


 そう言えば、デニスは謀反賛成派だった。恐らく謀反に関する事を言っているのだろう。しかしサビーナはサイラスに言われた通りに知らんふりを決め込んだ。

 それでもなんだかデニスが不憫で、分からないふりをしながら話を聞いてあげる。


挿絵(By みてみん)「俺は……俺が意思表示すれば、みんなも腹を割って話してくれると思ってた。けど、みんな何考えてんのかほんっと分かんねぇ。何も言ってくれねぇ。シェスカル隊長も、リックバルド殿も、リカルドも、キアリカも、サイラスも……俺、信用されてねぇのかなぁ」

挿絵(By みてみん)「信用されてないなんて事、ありませんよ。そのうち、皆さんの方から話があるって言ってくれますよ、きっと」

挿絵(By みてみん)「……そっかな」


 年上だがなんだか可愛くて、デニスの頭を撫でてあげる。


挿絵(By みてみん)「……あんたさ、セヴェリ様の何だ?」


 どうやらデニスはサビーナのことを情婦だと思っていたらしい。

 違うと否定すると、彼は何故かいきなりゴロンとサビーナの太ももに頭を下ろした。


挿絵(By みてみん)「ちょ、何してるんですか!」

挿絵(By みてみん)「見て分かんだろ。膝枕だ」

挿絵(By みてみん)「いやいやいやいや、どうして私がデニスさんにっ」

挿絵(By みてみん)「最近寝られねぇんだよ。ちょっと試させてくれ」

挿絵(By みてみん)「そんなのは、ご自分の彼女で試してくださいっ」

挿絵(By みてみん)「いねーよ。今、彼女は」

挿絵(By みてみん)「デニスさんなら選り取り見取りでしょ?それだけカッコいいんだから」

挿絵(By みてみん)「もういらね」


 寝転がったデニスが、サビーナを見上げてくる。


挿絵(By みてみん)「あんた、俺と同じ匂いがすんだよなぁ。俺、同類の匂いが分かんだよ」


 同類と言い切ったデニスは、自分たちにはやれることがあると言い出した。


挿絵(By みてみん)「やれる事ってなんですか」

挿絵(By みてみん)「セヴェリ様に従い、セヴェリ様を守る事だ。あんたもそう思ってんだろ? 違ったか?」

挿絵(By みてみん)「私は、セヴェリ様を生かす。どんな事があっても、絶対に死なせたりしない」

挿絵(By みてみん)「死んでるようには、生かすなよ? そんな状態にさせんなら、生きてる意味がねぇからな」


 デニスの言葉に、サビーナは深く頷いた。

 サビーナの真剣な顔を確認したデニスは、ニッと目を細めて笑った。


挿絵(By みてみん)「決まりだな。俺は守る役。あんたは生かす役。セヴェリ様の願う通りに、俺たちは務めを果たそうぜ」


 デニスは拳を上げ、サビーナも拳をチョンとぶつける。

 満足そうに笑ったデニスは手を戻し、ゆっくりと目を閉じた。


挿絵(By みてみん)「二時前に起こしてくれ……眠れそうだ……」


 デニスは交代の時間を告げると、一瞬で寝入ってしまった。

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