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第18話 う!汗くさぁっ

 デニス(25)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)「ふうっ! あっちー!」


 そう言って騎士コートを脱ぎながら入って来たのは、長めの前髪が鬱陶しそうな超絶美形の騎士である。


挿絵(By みてみん)「ご苦労だったね、デニス」

挿絵(By みてみん)「全然、何て事ねえですよ。この辺は雑魚ばっかなんで」

挿絵(By みてみん)「サビーナ、お茶を入れてあげなさい」

挿絵(By みてみん)「あ、はい!」

挿絵(By みてみん)「あー、いい、いい。水で十分だからよ」


 水をゴキュゴキュ、汗をふきふきした後、デニスはポイとサビーナにタオルを投げた。


挿絵(By みてみん)「うっ! 汗くさぁっ」

挿絵(By みてみん)「あ? そっかぁ?」

挿絵(By みてみん)「まったく、あなたは……昔はよく女の子にいじめられて泣かされていたというのに……」

挿絵(By みてみん)「うっ、セヴェリ様! それはー」

挿絵(By みてみん)「デニスの子供の頃は、それはもう可愛かったんですよ。アンゼルード人形顔負けです」

挿絵(By みてみん)「女の人形に例えんのは止めて下さいっ」


 アンゼルード人形とは女の子の理想の集大成である愛らしい人形だ。それを比較に出すという事は、この美形男子の幼少はさぞ可愛かったに違いない。


挿絵(By みてみん)「生徒会室に泣きながら避難しに来ていた日々が、懐かしいですね」

挿絵(By みてみん)「やーめーてーくーれーっ!! 俺の黒歴史ッッ」


 言わない約束だったようだが、セヴェリは謝りつつも気にもしていない。

 デニスの方がセヴェリより一学年上だが、幼年学校から同じのため、幼馴染みのようなものらしかった。


 ユーリスの街に行く途中にある、ビネルという街で一泊することになった一行。

 リカルドがジロリとサビーナを見る。


挿絵(By みてみん)「彼女はここに置いていくべきだと私は思いますが」

挿絵(By みてみん)「厳しいですね、リカルドは」

挿絵(By みてみん)「レイスリーフェ様のお気持ちを考えると、他の女性がセヴェリ様の周りにいるのは面白くないはずです。これからユーリスの街に行くのでしたら、そのくらいの配慮はすべきかと」


 ユーリスの街は、そういえばレイスリーフェの住む街だった。きっとセヴェリは彼女に会いに行くのだろう。


挿絵(By みてみん)「クスクス……優しくする女性は、奥方だけにしておいた方が賢明ですね。シェスカルのようになっては、愛する妻に逃げられてしまいますよ」

挿絵(By みてみん)「私と隊長を一緒にしないで頂きたいですな」

挿絵(By みてみん)「おっと、それは失礼」


 セヴェリは相変わらずクスクスと楽しそうに笑っている。


挿絵(By みてみん)「まぁそう心配しないでください。彼女はユーリスまで連れて行きます。それが私の目的ですから」

挿絵(By みてみん)「失礼ですが、その目的とは?」

挿絵(By みてみん)「秘密ですよ。ね、サビーナ?」


 話を唐突に振られて、サビーナは狼狽した。『ね』と言われても、何も聞いていないのだから答えようもなく、曖昧に笑って誤魔化した。

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