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たとえ貴方が地に落ちようと【簡易版】  作者: 長岡更紗


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第13話 私のファーストキスなど、どうでもいいんですっ!

 お風呂に入った後、下着姿のまま部屋でのんびり過ごすサビーナ。

 セヴェリに本を貸す約束をしていたことを思い出し、部屋中を探し始める。しかし、どこを探しても見当たらない。


挿絵(By みてみん)「っあ! リックに片付けられたんだった!」


 リックバルドに衣装ダンスの上に置かれたことを思い出した。

 かなり高くて、椅子一つだけでは手が届かない。

 仕方なく椅子を二つ重ねて上り、本の入った箱を取る。


挿絵(By みてみん)「良かった。これで明日、セヴェリ様に本を貸せ……るっ!? ぎ、ぎやあああああっ」


 椅子がぐらつき、衣装ダンスにしがみついて、にっちもさっちも行かなくなってしまったサビーナ。


挿絵(By みてみん)「だ、誰か助け……だ、駄目だっ。何で私、服を着てないのーっ」


 と、その時ノックの音がした。


挿絵(By みてみん)「サビーナ、いますか? 何か声が聞こえてきましたが、困った事でも?」

挿絵(By みてみん)「い、いえ! ちょっと、その、今は手が離せないと申しますかっ」

挿絵(By みてみん)「ドアくらい、自分で開けられますよ。入ってよろしいですか?」

挿絵(By みてみん)「セヴェリ様、入ってはいけま……ぎゃあああっ!助けてッ!!」

挿絵(By みてみん)「サビーナ!?」


 ドアが開けられた瞬間、足元は盛大に崩れ去った。


挿絵(By みてみん)「あっ、やーーーっ!」

挿絵(By みてみん)「危ないっ!!」


 瞬間、サビーナの落下地点にセヴェリが滑り込み、ガチッと嫌な音がして何かがぶつかった。


挿絵(By みてみん)「っく……」

挿絵(By みてみん)「セヴェリ様! 血が……!!」

挿絵(By みてみん)「サビーナも、血が」


 お互い、唇から出血してしまっている。


挿絵(By みてみん)「申し訳ありません!セヴェリ様!!」

挿絵(By みてみん)「顔を上げなさい、サビーナ」

挿絵(By みてみん)「セヴェリ様、すぐにお手当てを……!」

挿絵(By みてみん)「それよりも、先に服を着なさい。目の毒というか保養というか……とにかく、目のやり場に困りますから」


 自分の姿にハッと気づいたサビーナは、慌てて服を着た。

 しかしセヴェリは辛そうな顔をしている。


挿絵(By みてみん)「やはりこんな状況では、納得がいかなかったでしょうね。あなたの大事なファーストキスを、こんな形で奪ってしまうとは……」

挿絵(By みてみん)「私のファーストキスなど、どうでもいいんですっ!」

挿絵(By みてみん)「同じ場所に、同じ傷ができましたね」


 お互いの傷に目と手をやる二人。


挿絵(By みてみん)「私に仕切り直しをさせてください」

挿絵(By みてみん)「仕切り……直し……?」

挿絵(By みてみん)「ええ。いずれ、必ず」


 よく分からずも、サビーナはコクリと頷いた。

 何故セヴェリがこんな時間にサビーナの部屋に来たのかというと、リックバルドに言われたかららしい。サビーナがお礼の品を送りたいと言っているからと。もちろんサビーナはそんな事を言った覚えはない。

 慌ててキョロキョロしていると、セヴェリが小瓶と袋を見つけて、これをもらうと言ってくれた。

 しかもその出来損ないの袋ごと、セヴェリの腰に装着されてしまったのだった。

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