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第11話 ……余計な事するんじゃなかった……
求められる同意が脅しに聞こえた。
「違うんです。誰でもいいからしたいだなんて言った、私が招いた事なんです。それに、本当に彼には何もされてません!」
そういうと、なんとか信じてくれたようだ。
セヴェリは後で話を聞くとサイラスに言って、サビーナを部屋まで送ってくれた。
「いいから。一応、あなたの兄であるリックバルドには報告しておきますよ。あまり大事にはしたくないので、口止めはしておきますが」
仕事を休む事になったサビーナ。アデラオレンジの種を入れた小瓶を手に取る。
暇なので小瓶を入れる袋をフェルトで作ったが、出来上がりは悲惨だった。
リンという綺麗な音も、カカカという雑な音に変わってしまっている。
落ち込んでいると、扉がいきなり開け放たれた。
兄のリックバルドと、先ほど襲ってきた張本人、サイラスであった。