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エピローグ

エピローグは各登場人物視点で今回の件の振りかえりです。後最後はオチ。

【エーレ】


 最初は、ウィズに対して随分なれ慣れしい子だなって思った。それでも全滅の危機を助けてもらったし、ウィズが面倒を見ることを決めたみたいだから、パーティーメンバーとして迎えた。


 少しの間だけど一緒にいて、気も合うし、いい子だなって思った。常識はないけど、話してくれたことが本当なら不安で仕方ないだろうし。少し力になって上げるのは悪くない程度で考えてた。


 だけど、上位種にあたしの腕を切られたのを治してくれたまどかに、今はすごく感謝している。あたしがウィズと一緒にいられるのは、あたしが冒険者だから。きっと戦う強さがなかったらいつか置いて行かれてしまう。その生きる意味を失くしかけたあたしを、あの子は救ってくれた。だから、これからはあたしはウィズとまどかのために冒険者として生きていこう。そう、心に誓う。そして、もう一つ心に決めたことがある。


「ねぇ、ウィズ。あたしはあなたが好き。ずっと、一緒にいてほしい」


 いつ冒険者じゃいられなくなるかわからない。いつ死んでしまうかわからない。だったら、もう遠慮して、大人ぶるのなんてやめるんだ。あたしは、あなたを支えたいし、支えてもらいたいって、そう思うから。


◆◇◆◇◆◇


【おっさん】


 子供の頃から、何でもそつなく出来た。体を動かすことも苦手ではないし、実家がそれなりに裕福だったために読み書きや数字も覚えることできた。大樹の恩恵を持っていることがわかり、魔術の素養もあると分かるととある人に弟子入りさせてもらい、実力を上げていったと思う。だけど、他の子供達に合わせることができなかった。


 それがしは他の人達の気持ちがわからないまま成長していってしまったのだ。なぜこんなことがわからないのか、なぜこんなことができないのか。そうして、それがしは人と関わることをしてこなかったのだ。


 そんなだから、冒険者になっても固定のパーティーを組むことができなかった。自分なりに人と接し方を意図的に変えてみようとしたが、どれもうまくいかない。いつしかディスクの街でそれがしより強い冒険者はほとんどいなくなってしまった。それが、さらに他の冒険者と壁を作った。王都へ行こうかと考えたこともある。が、結局は同じ状況になってしまうのではないかと思うと怖かった。だったら、少なくともこれ以上不満が生まれないこのディスクの街で過ごしたほうがよいのではないかと、いつしかそう考えるようになった。


 そこに現れたのがまどか氏である。正直に申し上げれば、最初は一目ぼれであった。そして、彼女とウィズ殿達は今までのどの冒険者とも違い、壁を作ることがなかった。それがしが、それにどれだけ救われたことだろうか。


 それでも、今回のクエストは終わってしまった。もうこの居心地の良い場所も無くなってしまうのか。それだけがそれがしにはとても怖い。


「ねぇ、グレン、次も一緒のクエストに一緒に来てくれるよね?」


「ま、まどか氏、そ、それがしの名前を……」


「ん?あ、いやぁ、おっさん、次のクエストも、一緒に行って、くれるかな?」


「あぁ、あぁ、それがし、一生まどか氏に付いて行きますぞっ!!」


「いいとも!じゃない!?っていうかなんか怖いんですけどっ!?」


 それがしはここにいても良いのだろうか?みなが許してくれるなら、まどか氏が名前を言ってくれたこの場所をずっと守りたい。それがしの居場所はきっと、ここ以外にないのだから。


【エヴィン】


 俺は結局、この三年間で何も残せちゃいないし、成長してすらいねぇ。馬鹿だった。ただ過去に捕らわれただけのどうしようもねぇ馬鹿野郎だ。


 ククはもうすでに未来を見ている目をしてた。あの嬢ちゃんのおかげだな。感謝してもしきれねぇ。俺には一体、何ができるんだろう。そう一晩中考えて、一つの結論を出す。


「俺はこの街を出て、王都へ行く。もっと強くなって、誰も死なせない冒険者って奴になってやる。まだまだ実力不足なのはわかってるけどよ、王都の連中に血反吐はいてでもしがみついていってやる。だから、お前らが来るのを先に待ってるぜ。それと、ククのこと頼んだぜ、嬢ちゃん。いや、まどか」


【クク】


 まどか姉は不思議な人だ。姉さんには見た目は全然似ていないのに、根っこがすごく似ているように感じる。回復術士なのもそうだったし、なんだかんだ、ボクのことを考えてくれている。 だから、まどか姉がボクを待っていてくれるって言葉と、これからもこの街でパーティーを組めることは本当に嬉しい。


 今回の件で死んでしまった人達にはとても申し訳なく思うけど、その人達の分までこの街に貢献していきたいと今は思う。クエストは選ぶことができない場合が多いらしいけど、だれも受けない街のクエストが中心らしい。生まれて初めて他の誰かのために働きたいと思えるようになったボクには、都合がいいとすら思う。


 今は、誰かのために、まどか姉のために、気持ちを新たに頑張って行こう。


「ねぇ、まどか姉。ボクはあなたとこの街のみんなのために、一年間頑張るよ。待っていてね」


◆◇◆◇◆◇


「ねぇ、ウィズ?今回さ、私は上位種を二匹も倒したわけじゃん?それってつまりさ、もうチートな冒険者なわけですよ?ということはさ、冒険者登録したばかりだけど、実力はもう十分と判断されて、ランクが上がってもおかしくないと思いませんか?」


「同じことをシンディさんに言ってみろ。現実はそんなに甘くないんだよ」


「ん~?どういうこと?まぁいっか。あ、シンディ~さ~ん」


 まどかとウィズは新たなクエストを受けるために冒険者ギルドに来ていた。まだまだ経験不足なまどかにクエストを受けさせるつもりだった。はずなのだが、まどかがまた突拍子もないことを言い出したのだ。そしてシンディに同じことをまどかが言うと……。


「まどかさん……。今回のクエストはこの街でも指折りの冒険者さんが集まったパーティーです。騎士も魔術師もこの街ではトップレベルですし、ウィズさんとエーレさんもアイアンにランクアップが近いと言われています。その中で、俄かには信じられませんが皆さんのお話しの通りまどかさんが上位種を倒したとしましょう。だとしても、今回の件はまどかさん一人の功績ではありません。それに、冒険者としての知識がないままランクアップするのはとても危険なことなんです。いいですが、依頼者との折衝やクエストの準備。今すぐまどかさんはできますか?」


「えっと……。それは、その……」


「というわけで、当ギルドでは実績が不十分な冒険者の方のランクアップを認めていません。しっかりと冒険者としての知識と実力を身に着けて下さい」


「は~~い……」


「な、言っただろ、現実はそんなに甘くないって」


「も~~っ!こんなの、テンプレじゃない!!」

本作は一旦ここで完結になります。反省だらけの本作ですが、ブックマークをして下さった方がいたおかげでここまで書くことができました。この場を借りて、お礼申し上げます。

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ここまでお読みいただき、誠にありがとうございました。

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