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再開
「...っ」
彼女は興奮していた
ただこの一瞬一時を
浸る汗も、高鳴る鼓動も、スカート越しに伝わる冷たい感触も
あぁ遂に...
まるで世界が自分の為に回ってるのではないかという錯覚
彼女は興奮していた
戸惑いや不安もないわけではない
初めてなのだから
人に非難されることなのだから
だがそれ以上に今は高揚している
...ダメだ、口元がにやけてしまう
彼女は興奮していた
「いけない子」
そう思うだけで背筋が少しこそばゆい
少しだけ
そう思うと顔だけは平静を装いつつ彼女は満員電車の窓越しから後ろを覗く
彼女は興奮していた
故に気付けなかった
後ろからの視線に
後ろの変態彼氏のではない
もう一人の視線
一番よく知る視線
「現実」からの視線に




