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ルーネの心がどうしようもなく壊れかけている事を

俺はこの夜思い知らされる事になる。

俺は自分の体に何かがのしかかったのを感じ目が覚めた。

真夜中ランタンのかすかな赤い光一つだけがともされており漆黒のシルエットしか見えなかったのでマフかと思ったが違った。俺の体の上にのしかかっていたのは昼間泣きつかれて寝たと思っていたルーネだった。

俺の腕は膝を絡められ動きを封じられている。


跳びかかる直前上半身を地面にこすり付け、下半身に力をためいつでも跳びかかれるように上半身を地面にこすりつけるかのようなポーズで俺の胸板に顔を乗せていた。眼を覚ました俺に気付いたのか、上体を起こしこちらに視線を向ける。服が垂れ下がりその間から小ぶりだが豊かな物が包み隠されず、全てさらけ出されていた。そして、その中心に刺さった短剣が生々しくを痛々しさを実感させる。


ルーネは薄い、素肌が透けて見えるとても薄い布の様な下着しか身に着けていなかった。そしてまるで野生の魔獣が獲物を待ち伏せし、体を地面に擦り付けるかのような動作を行い跳びかかる直前のように俺の体に自らの体を這わせる。胸元が丸見えになり、豊かだが小ぶりな胸の谷間が丸見えになっている。そしてその中心に刺さった短剣が痛々しい。

「ねぇヒュッツェ、この短剣抜いて・・・」ルーネが自らの胸元に手をやり、柄をやさしくなでる。

「すまない、俺がルッテの忠告さえ聞いていれば、師匠もお前もこんなことにならずにすんだのに」

「ん?師匠って誰?」ルーネが真顔で答える。

「すまない、俺がお前の兄貴を」俺の言葉をすぐさま遮り

「んふ、私に兄なんていないわよ。何言ってるのよ。」とルーネが笑う。

「ねぇ、そんな事より、早く抜いて。」ルーネが両手で俺の顔を包み込む。

「すまない、それだけはできない。」俺はルーネの眼を直視し断る。

「そう、じゃあしょうがないわね。すこしだけがまんしてね。」

そういうとルーネは

自らの胸元に突き刺さった短剣を引き抜こうとするが、短剣は抜けずにその手に赤い短剣が生成される。

その切っ先を、愛おしそうになめる。舌を切ったのか、唾液と赤い血が短剣をつたい妖しく輝く。

「ちょっとだけ、口を開けてくれないかしら、ほら。」あーんってとルーネが短剣を口に近づける。俺は嫌な予感がし、精一杯力をいれ口を結ぶ。ルーネは口を明けようとするが開かずに諦めた。

「しょうがないわね。ちょっと痛いかもしれないけど我慢してね。」

今度はそれを俺の右目の真上に持ってきた。俺は首を振って必死に抵抗するが片腕で、つかまれ押さえつけられる。必死で目をつぶるが、ルーネは持っていた短剣を口に咥え、余った手でまぶたを無理やり開く。唾液と血が短剣をつたい、俺の目に垂れる。前にルーネは俺目に短剣を突刺した。瞬間、砕け散った。固形物が当たった様な感触もなく、どうやら俺の目は無事だったようだ。

「ほら、ねっ、抜いてくれる気になった?」と言う問いかけに俺は無理だ。と即答する。それでも諦めないのかルーネはしょうがないわねといい

また新たに短剣を生成し、同じように口に持っていき舌を這わせる。その瞬間、自らの舌先を切り裂いた。

「おまえっ!なにをっ。」しているんだと言おうとした瞬間。ルーネの唇が俺の口を塞ぐ。

どくどくと、口の中に液体があふれ、鼻をつままれる。必死に抗うが、のどが勝手に動き、口の中にあふれた液体を飲み込んでしまう。それを確認したのかルーネが口付けを止めはなれる。その瞬間俺は猛烈に咳き込み、ルーネの顔に大量の血が飛び散った。次にルーネは俺の腕の拘束を解き俺の手を掴み、自らの胸に押し付けた。やわらかい感触が俺の手を包む。

押し付けてもなお、さらに力を込め、めり込ませる。剣の刀身に俺の手を触れさせようとしているのか、だがそれでも短剣はルーネの体にしっかりとめり込み刀身が露出する事はなかった。それでもなおあきらめず、俺の手を両手で包み短剣の柄を握らせ、ルーネが自らの力で引き抜こうとする。なすがままにされていた俺も流石に抵抗し力を込め抗う。俺の頬を冷たい感触が這う。えもいわれぬ顔をしルーネは言葉をつむぐ。

「ねぇ、剣を抜いてくらさひ。おねがひしまふ、なんれもふるから。なんれもしまふから。おねがひしまふ。なんれもしてひひから。」自らの舌先を切った直後なのに必死に懇願する。

俺はあらん限りの力を使い、ルーネとの態勢を入れ替え押さえつけ、布を力任せに引き裂いた。


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