第六話 人の優しさ
俺たちは怪我人である鈴姫を連れ病院に直行した。
医師からは全治三週間の診断がくだされ、湿布とギブスをつけてもらい、しばらくは松葉杖を使って歩かねばならなくなった。
山脇先生は鈴姫に「送っていくよ」と誘ったが、頑固なところがある鈴姫は「自分で帰ります」と拒んだ。そのかわり、「聖童くんがいるから大丈夫です」と大胆な事とを言い出し、さすがにそこは焦った。
先生は学校に戻り(成瀬は家の方向が逆のため、先生に送ってもらった)現在、俺と鈴姫、城馬の三人で帰路にいた。
「星がきれいだね~♪」
「そうだな」
城馬の発言に、何となく反応する。城馬は空を見上げ、星座を眺めていた。一方の俺は、鈴姫の荷物を持ち彼女の体勢を支えていた。鈴姫は松葉杖をつき、静かに歩いていた。
鈴姫の家はそこまで遠くはなく、学校からも病院からも近いと言うことだった。
一日を振り返ると、今日はドタバタ劇場まっしぐらな一日だった。本日体験した災難の数は今までの人生で一番多い気がする。普通なら病んでもおかしくないだろう。
「……ねえ、三笠さんの今後、どうする?」
城馬が尋ねてきた。鈴姫の今後――。
今日という一日が終わり無事に事は済んだとは言え、明日からの生活。それに、帰った後に鈴姫がどう生活していくのかが心配である。何よりそれが一番きついだろう。一人でやって行くには余りにも惨すぎる。
俺は思考を巡らせ、考えた。
「……」
両親は共に不在、このまま返しても後が心配だ。
一つ一つを整理する。まずは家事から……。
「今日は……、二人とも私の家に来て」
「……え?」
「……何?」
俺と城馬はぽかんとした。鈴姫の家?俺もか?
「司は買い物に行ってきて頂戴。城馬さんは風呂をお願いしたいの。料理は私がするわ」
「……」
状況判断――。これは大きな選択肢である。何はともあれ、どこかの形でこのような場面はやってくる。鈴姫は、この際思いっきり割り切って判断したのかもしれない。
「これ以上意地を張るのも馬鹿らしく思えてきたわ……。城馬さん、今までごめんなさい。少しの間だけ、お願いできるかしら……?」
――鈴姫が初めて、城馬にお願いした。
今まで敵視していた城馬に対して、それを払拭するかのように。
それは心彼女にを開いたようにも思えた。
「ううん、全然大丈夫だよ!寧ろ嬉しいよ。私を頼ってくれてありがとう!」
城馬は晴れやかな笑顔で応えた。自分を頼ってきてくれたことに凄い喜びを感じていた。
「少しだけじゃなくてどんどん言って!出来る限りのことはするわ!」
「ええ、そうさせてもらうわ。ありがとう……」
そういえば、鈴姫の口から初めて「ありがとう」の言葉を聞いたような気がするな……。
その第一号が城馬だったとは……。あれほど嫌っていた鈴姫が、城馬に対して「ありがとう」の一言を告げる、心境を知っている人間からすれば何だか複雑だ。
「司」
鈴姫が呼んできた。
「どうした?」
「もう吹っ切れたわ。城馬さんへの感情も、生徒会長の警戒心も……。二人に対する敵意は、全て吹っ切れた……」
ここで、鈴姫は改心を示唆するような事を言ってきた。その表情に偽りは感じられない。
人間の「優しさ」というものに触れたからこそ、そんな台詞が言えるのだろう。若干、人に対する意識が薄れたのかもしれない。
「それはめでたいことだ。俺以外にも相談相手が出来たじゃないか」
「特に生徒会長には、今日のおかげでどんな人かが、何となく分かった気がする……」
「あいつは誰とでも話が出来る。いざとなった時は彼女を頼ればいい。俺からまた言っておく」
「……そうね」
鈴姫は、少し息を吸って、静かに言った。
「しばらくの間……、迷惑かけるかもしれないけれど、お願いね」
「……任せておけ」
少しデレた、ような気がした。鈴姫のために、やれるだけのことはやろう。
昨日言ったあの一言を思い出しながら、鈴姫の頭を優しく撫でた。
「さあて!行きましょう!」
「ちょっと待て。段階をとばすな」
その場にノリで出発しようとした城馬を止める。いくら何でもはしゃぎすぎだ。
「城馬は一旦家に帰って準備をして来いよ。部活動の帰りだし、今のままだと気持ち悪いだろ」
「うん、わかった。お母さんには今回の事件、もう伝えているから帰りが遅くなるのは分かってくれてるし。事情を話せばそっちに行けると思う」
「そこは頑張って来て欲しい……。俺が風呂の介護をするのは、完全にアウトだからな……」
「了解!じゃあ、また後でね!」
言って、城馬は機嫌よくダッシュで家に帰って行った。
――振り返って走ったと同時に白いパンツが見えたことは黙秘しておく。本日三度目。
「じゃあ私たちも行きましょう」
鈴姫は松葉杖をついてゆっくりと歩き始めた。俺も鈴姫に後ろをついて行った。
十分後、鈴姫が住むアパートに到着した。二階建てのアパートではあるが、ボロ屋のイメージは全くなく、最近出来たような新築に近いアパートだった。但しエレベーターは無し。全て階段だった。
「私の部屋は一階の一〇三号室よ」
幸い、鈴姫の部屋は一階だった。階段を使う不便は消えた。それだけでも大分違う。
鈴姫は家の鍵を取り出し、ドアのロックを解除した。
「お這入り」
「……お邪魔します」
鈴姫の後に続き、中に這入った。
部屋は綺麗に整理整頓されており、六帖のワンルームだった。ダイニングキッチンが別枠に設けられ、風呂とお手洗いも一個の個室として別々にドアがあった。ワンルームの先はベランダで、主に洗濯物を干すのだろう。部屋の周りには四角い机の上にノートパソコン、小型の薄いテレビ、彼女の趣味である読書の本が数多く並んでいた。何故か本だけは本棚の数をオーバーしており、棚の隣に置かれていた。しかもジャンルも綺麗に分けられている。凄く几帳面だ。その横に押し入れとタンスがあった。布団は敷き布団のような物が脇に置かれていた。
……一言で言えば、綺麗に纏まっていた。一人暮らしをしているということもあって、部屋の掃除や家事はかなりこなせているようだった。そう言えば、家事は女子の嗜みだということを思い出す。
「シンプル・イズ・ザ・ベストだな」
「当たり前よ。何事もシンプルが一番よ。そうでないと、落ち着かないの」
「アパートも意外と新築っぽく見えたんだが……」
「私が丁度一人暮らしを始めたときに造られたところなのよ。だからそれに乗ってここにしたのよ」
「住居費は高くなかったのか?」
「その時住んでいた施設がこの土地を管理しているのよ。住居費は施設の直轄の元、約二万円ね」
「安い……!」
「生活保護を受けている身としては、非常に助かるわ。おかげで生活も上手くいけているし」
「……」
それ以上は突っ込まないことにした。話に深く入り込むのはどうもよろしくない。とりあえず、荷物を置こう。意外と重いしこれ以上は辛い……。
「荷物はその辺に置いておいて頂戴」
「あいよ」
「そこの充電器をとって」
「……?これか?」
黒く、何かを取り付けるような充電器だった。携帯の場合、今はスマートフォンの時代だからケーブルをつなげば一発だ。しかし、これは異様な形をした充電器だ。
鈴姫はブラウスの内ポケットから黒い異物を取り出した。
……おい、まさかそれ……。恐る恐る聞いてみる。
「……スタンガンか……?」
「護身用具と言ってちょうだい」
「……っ!」
――おぞましい感覚が蘇った。俺が鈴姫と初めて会話を交わした時、その日に二回スタンガンを喰らっている。もはや俺にとってはトラウマ以外何者でもなかった。
「……心配しなくとも、あなた達に仕向けることはないわ」
「いや、持ち歩くこと自体おかしいだろ……」
そこら辺はもうちょっと柔軟な考えをして欲しい。いくら何でも恐ろしすぎる。
……チンピラ共に喰らわした効果はでかかったが。
「そうでもしなきゃ、私の身が持たないわ。特に今の状態は、一人で対処し切れないもの」
「言いたいことは分からないでもないが……」
これは鈴姫の心境を理解した上で言ったことだ。普通の人間なら「頭おかしいだろ」と言われても仕方がないだろう。極度の人間不信である鈴姫にとって、今まで頼りにしてきた武器でもあるのだ。
「――私の人間不信を、侮らない事ね」
「分かっている。それを知った上でのお前のパートナーなんだ。城馬に対しても、それは少しばかりは解消されたんじゃないか?」
「貴方達三人は例外よ。それ以外は……」
言って鈴姫はスタンガンの電源を入れ、威嚇をするかのようにスタンガンの電撃を鳴らした。あの電力はかなり高いと見える。実際、喰らっているわけだし……。
「わかった、それ以上は言うな。とりあえず落ち着け」
「……」
鈴姫は少し沈黙した。やがてスタンガンを戻し、引っ張った充電器に挟んだ。充電ランプがつき、静かに
充電を始めた。
――鈴姫は人間不信であり、それは極端である。誰にも心を開かない、ダークネスで誰にも近寄らせない威圧感を放つ。男女ともに、鈴姫の恐ろしさに触れればタダでは済まない。下手をすれば命に関わるくらいだ。
俺は鈴姫の真相を知った。彼女の心に少し触れた。それはだんだん縮まりつつある。こうして彼女と過ごすことが出来るのは、お互い「似た者同士」だからであろう。「似た者同士」というのは自己解釈である。しかし、鈴姫もそれは認めてくれている。
悪い気はしない。寧ろこの関係こそが、俺にとってプラスの事なのだろう。
「……そうだ、買い物……」
「待ちなさい」
俺が鈴姫の食卓の買い物に行こうとした際に、鈴姫に呼び止められた。
「司、ちょっと……」
「どうした?」
「こっちに来て」
「……」
何も言わず、鈴姫の元に向かう。彼女は足を捻挫しているので自由に動けない。
「もっと近く」
「……?」
いや、これ以上近づくと密着してしまうぞ――っておい!?
「――っ!?」
「……」
鈴姫は、俺が近づいてきたと同時に正面から抱きついてきたのだ。俺の体にすっぽりと収まる。彼女の頭は俺の肩に乗せられていた。
と言うか、一体何があった!?
俺はその場に固まったまま、動けずにいた。
「……鈴姫?」
「……少しだけ」
鈴姫はボソリと、一言言った。
「少しだけ……、――貴方に甘えさせて……」
「……」
何も言わず、俺は鈴姫の体を抱きしめた。
相当疲れているのか、あるいはストレスを和らげるためか……。相当苦労したと思う。
シャンプーの香りや、女性特有の甘い匂いがした。そこから、甘い吐息が漏れていた。
「……」
はっきり言うと、男の煩悩を刺激されているような気がした。これはいかん。何故別の方向に思考を持って行っているんだ俺は!
今は、鈴姫を休息させてあげることが第一だ。アホな考えは早く捨てろ!
「……すぅ……、すぅ……」
寝てる……?
完全にお休みモードだった。睡魔に襲われたのか、寝息が静かに響いていた。
心身(特に精神的に)共に、鈴姫はかなり気を張っていたせいなのか、その糸が“プツン”と切れたように、鈴姫の体から力が抜けていくのが伝わった。
「……ゆっくり休め、鈴姫」
言って、俺は彼女の頭を優しく撫でながら静かに囁いた。小説によくありがちなパターンなのだが、そうは言っていられない。相当疲れているようにも見えた。明日のことも、そろそろ考えねばなるまい。
ふと、俺の制服のポケットから携帯のバイブが鳴った。鈴姫を起こさないようにゆっくりと探って携帯を取り出す。
相手は城馬だった。静かに電話に出る。
「もしもし?」
『あ、もしもし聖童くん?』
「ああ。どうした?」
『あのね。お母さんが夜遅くに出たらいけないって言われちゃって……。ごめん!今日行けそうにないんだ……』
「……そうか」
『明日も学校があるからって……。せめてご飯を届けてあげられたらと思っているんだけど……』
「ふうむ……」
こいつは参った。城馬がこれないとなると、大きく分けて二つ問題がある。
一つめは食事。先ほど鈴姫が作ると言っていたが、それには無理がある。食事は作れない訳では無いのだが……。まあ、時間短縮も考えると近くのお店で弁当を買えば済む話だ。
しかし問題は二つめだ。風呂である。これはどうしても城馬で無ければならない。男の俺がそれに足を踏み入れるのはまず過ぎる。完全にアウトだ。それは体を拭くことも許されない。
いっそここは、成瀬に頼むか……?
『あ、ちょっと待って!』
何やら城馬が電話を外し、親と話し合っているような声が聞こえた。そこから城馬の大声が聞こえた。それは嬉しさを表すかのような声に近かった。
(何なんだ……?)
疑問に思いながら、電話のマイクに声を通した。
「城馬、どうした?」
『聖童くん!あのね、お母さんが今からご飯を作ってあげるからそれを持って行ってあげなさいって言ってくれたの!あと、お風呂の介護もしてあげなさいって!だから行けるよ!』
「……おお」
思わず声が上がった。二つの問題を百八十度覆し、見事クリアした。こいつは非常にありがたいことだった。
食事は持ってきてくれ、風呂の介護も許可が出たとは…。城馬のお母さんにありがとうと言いたい。
『でも、夜遅くに何かあったら行けないから帰りは迎えに来てくれるみたい』
「そうか……。まあ、その方が安全だろう」
夜遅くに少女が徘徊するのは危険でもあり、近頃は犯罪が増えているとも聞く。それを念朗においての上だろう。
『うん!じゃあ、でき次第そっちに行くから!……ええっと、どこで待ち合わせすればいい?』
「鈴姫のアパートはすぐに分かる。学校の近くにあるコンビニを左に曲がってまっすぐ行き、突き当たりの公園の隣だ。バスが通る道添えにある。建物は目立つし新築に近いからすぐに分かる」
『……あ、何度か通ったことがある。確か、その近くに本屋がなかった?』
「ああ。目の前にある」
『一軒家のアパートだよね?分かったわ!準備ができ次第行くから!』
「ああ、了解だ。すまんが頼む。一軒家だからすぐ分かる。ちなみに部屋は一階の一〇三号室だ」
『は~い!じゃあまた後で!』
言って、城馬は携帯の通話を切った。
……何とか救われたな。俺の思考もそろそろ限界だった。今日の大騒ぎ(色々ひっくるめて)のおかげで疲れがドッと出たような気がした。
しかし、このまま眠るわけにはいかない。まずは鈴姫を寝かさないと、俺も自由に動けない。
(少し名残惜しいが、仕方あるまい……)
そう思い、鈴姫を抱きかかえ布団まで運んだ。幸い、布団は足で(行儀が悪く失礼なのは百の承知で)広げればちゃんとした形になる仕組みだった。布団を広げ、鈴姫をゆっくりと布団に下ろした。そこに掛け布団を掛け、風邪を引かないように配慮しながら鈴姫を休ませた。
さて、後は城馬が来るのを待つのみだ。窓の外を見ると、空は月と星々が綺麗に見えた。今日ほどこんなに夜遅くになるのは初めてである。現在の時刻は午後の九時である。状況的に考えて、三十分は待った方がいいな。
「……司」
ふと、後ろから鈴姫の声が聞こえた。しかも、しっかりとした声で俺を呼んだ。
「……お前、起きてたのか?」
「貴方に布団に運ばれる前から起きてたわ」
「……っ!」
それはつまり、俺が抱きかかえた時も起きていたって事だよな?……全てを踏まえてドジを踏んだ気分だった。
「……ありがとう」
「……?」
一瞬、固まった。鈴姫から礼を初めて言われたからだ。そういえば、あれからやけにデレてるな……。
一体どうしたんだろう……?
「――多分私、今狂ってる」
「……は?」
「今の私は、本来の私じゃない……。クールな私は、一体どこへ行ったのかしら……」
「別にいいんじゃないのか?無理にクールに振る舞っても、空回りするだけだ」
「狂っている」という表現は意地を張りたかったのだろう。そう思えた。そういう俺も、鈴姫の状態を見るとなんか調子が狂う。今までの彼女は冷徹にしてクールな印象だったからだ。今日の昼とは真反対である。
「ありがとう」という言葉は……、胸にしまっておこう。
「……お礼は、ちゃんと受け取ったから安心してくれ」
「……ええ」
「城馬が食事を持ってきてくれるぞ。あと風呂も彼女が手伝ってくれるそうだ」
「先ほど「無理」とか聞こえたのは気のせいかしら……?」
「一回そう言われたが、母親が許してくれたらしい。帰りは迎えに来るみたいだ」
「……いいお母さんね」
しまった。地雷を踏んでしまった。鈴姫の前で「家族」の話は禁句だった。これは暗黙の了解である。俺は片手で頭をぐしゃっと抱えた。
「……別に気にしていないからいいわよ」
鈴姫は俺の心中を察したかのように言った。ううむ、情けない。自分が馬鹿らしく思えてしまう。
その時、インターホンが鳴った。
「……来たな。ちょっと待ってろ」
ドアに向かい、鍵を開ける。そこには、制服姿でスポーツバックの城馬が立っていた。手には彼女の母親が作ってくれた料理があった。ここからおいしそうな匂いが漂った。
「……よく来てくれた、すまんな」
「待たせちゃってごめんね。極力早く行くようにしてたんだけど……。三笠さん、寝てる?」
「起きてるわ。上がって」
鈴姫は体を起こし、城馬を家に入れた。
「お邪魔しま~す」
「荷物持つぞ」
城馬から荷物(主に料理)を受け取り、部屋に招いた。料理を持って行き机の上に置く。
その際、ノートパソコンを慎重にどかした。
料理は大きな鍋でかなりの量だ。この料理の匂いは……。
「三人分の料理を持ってきたんだ。おかずはご飯と肉じゃがだよ!」
「肉じゃがですって……!?」
鈴姫がなんとびっくりしたような表情を浮かべる。おい、何だどうした?
「私の大好物な肉じゃがを……!城馬さん、貴方ひょっとして天使?」
顔は冷静だが声のトーンは明らかに高かった。それには城馬も驚いていたようで……。
「ええっと……。き、気に入ってくれて良かったよ!あはは!」
城馬よ、無理せんでいいぞ……。鈴姫のリアクションは明らかにこちらの調子を狂わすものだった。なんというシチュエーションだ……。
「ま、まあみんなで食べよ!」
「そうだな……。鈴姫。肩、貸すぞ」
「起こしてくれる?上手く動けそうにないわ……」
俺は鈴姫の体をそっと起こし、足に配慮しながらゆっくりと机の上まで運んだ。その間に、城馬が食卓の
準備をしてくれていた。
机の上には城馬が持ってきてくれた肉じゃがとご飯(何故か茶碗まで持ってきてくれた)が置かれていた。出来上がったばかりなのか、湯気がたっていた。
「それじゃあ……、いただきます!」
「いただきます」
「いただきます」
本日の夕食は、三笠の家で三人仲良くとった。
ご飯はふかふかで丁度食べ頃もよく、肉じゃがは肉は軟らかく、ジャガイモも丁度良いぐらいに煮込まれている。人参、玉葱ともに調味料とマッチングしていてとても美味だった。こんな料理、いつか俺も作ってみたいと思いながらおいしくいただいた。
こんにちは、来龍です。ここまで読了してくださり、誠にありがとうございます。
さて、ここからは第二部構成としてストーリーを進めていきます。
呼んでくれた親しい方から感想で「キャラが崩壊していると感じられた」というアドバイスを頂きました。
たしかに章を書くにつれて、キャラにブレが生じているかも知れません。
ここからの話は、もしかしたらそれが余計に目立ってしまうかも知れないです。
極力キャラクターの「軸」は固定にしていくように、また構成力や文章力もしっかり意識して書き続けていく所存です。
呼んでくださっている皆様に、心から感謝申し上げます。
またお付き合い下さいませ。




