-序章- 寡黙の令嬢
俺のクラスにただ一人、寡黙で冷酷な少女がいた。
――三笠鈴姫。
彼女はいつも一人で一日を過ごし、休み時間では本を読んで過ごしていた。ジャンルは小説やコミックなど様々である。周りの友達と話すことは一切なく、常に一人で食事を取り何もなければ寝ることもあった。体育の授業は参加しているものの、体育祭や文化祭は欠席していた。また、修学旅行にも参加していない。
俺と三笠がクラスで一緒になったのは高校二年生のときである。第一印象はすごく大人締めで控えめな子だと思っていたが、まさかここまでくるとは思ってもいなかった。
対人恐怖症とまでは言わないが、一人の人間が話しかけると必ずといって良いほどに追い返される。三笠はその人間に対して、こんな台詞を吐く。
「――話しかけないで。消えて頂戴」
人と接することを嫌い、周りに壁を作っていた。しかも噂によると、彼女は護身用としてスタンガンを所持しているという。何でも、過去に痴漢の被害を受けた際にスタンガンを使って犯人を気絶させたのだとか。以前からスタンガンを持って学校に来ているらしい。
彼女は「寡黙の令嬢」という異名をもっている。その性格が故に、だ。
人と接することを嫌う。
三笠は常に、一人だった。
初めまして、来龍と申します。
文章力皆無、この作品は大学時代の頃に書き始めた作品です。
「本当に小説なの?」と感じたときは、一から手直しして書いていました。
この作品は、元々私が小説を書く際に「自分自身の性格とは正反対の人間を書きたい」という思いから登場人物が生まれ、タイトルの「秋桜」は「ヒロインはクールであり近寄りがたい雰囲気を放つが、実は情緒不安定であり繊細な心」という意味(特に最後の部分)を込めて名付けました。
「書くことが好き」、これをモットーにしており、独創性を活かして書くことにエネルギーを注ぎ、執筆している瞬間、その時の時間を大事にして世界観に潜り込みながら現在も書き続けています。
「秋桜-AKIZAKURA-」は始めての投稿なので、なんとも言い難い出来になっています。ここでお詫び申し上げます。
ただ、私の中では様々なことを教えてくれた作品であると考えており、登場人物達は私の心の中でずっと生き続けています。
親しい友達や後輩に「是非読ませて欲しい」というありがたい言葉を頂き、一人でも多くの方に読んでいただければ幸いです。
更新につきましては、完成した文章とサイトに投稿する用に執筆中の両方がございまして、サイトで読みやすいように手直しが完了次第、投稿していこうと考えております。
どうか今後とも、よろしくお願いいたします。