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「ふう」
「だいぶ慣れてきたようですな」
小雪が手に持っていた剣を鞘に納めているとボビーが現れ、近づきながら喋る。
「まぁ、思っていた以上に私に合ってるみたいだからね」
笑顔で返事をする小雪だが、どこか緊迫した雰囲気を微かにだが滲ましながら発動しているスキル解除する。
「ふぅ・・・・それでも、まだ衝動に駆られそうになるから」
「最初の頃よりは大丈夫だろ、ユキ」
ボビーが姿を現した方角から暁が現れ、その後をユノとホロが続いて姿を現した。
「そうだね、リサに迷惑かけた時よりかは、マシだね」
三日前、リサが開いていた店で、情報屋から聞いたアイテムが自分のスキル発動に必要な物かを確かめるため、試した際、発動はしたが、突然、小雪が暴れ出し、リサの店を半壊させたのだった。
「リサさんは許してくれたのであろう」
「そうだけど・・・・」
「誰にも予想できなかったんだ。しょうがないよ」
あの時の事を思い出した小雪が申し訳なさそうな顔をして落ち込む様子に気付きボビーと暁は励ます。
「そうですよ。小雪さん、今回のクエストも半壊した店の弁償のためにきたものじゃないですか」
目的のアイテムを回収しているユノも続いて喋り、小雪の頷く姿を見た一同は、帰り支度を済ませ拠点へと帰還する。
リサの店で見せられた名前を含めた詳細が不明だったアイテムは、小雪が使用した現在はちゃんと表示されており、小雪は帰還している道中にその詳細を見直しながら進んでいた。
“名称:覚醒の兆し・・・・所有者の隠させし力を覚醒させる不思議な腕輪。所有者を破壊の衝動に駆りたてる呪われた代物として封印されていた。”
「はぁ」
「いい加減、気持ちを切り替えないと持たないぞ。ユキ」
小雪の行動を見た暁は、飽きれた様子で小雪の頭を軽く叩く。
「そう・・・だね、きゃっ」
未だに、気持ちの切り替えが出来ずにいる小雪は苦笑して返事をすると突如、ホロが飛び付いてくた。
「ホロちゃん、どいて」
「にゅ~、ユキ、変なの」
いきなりだったため、倒れ込んだ小雪は、顔に覆いかぶさっているホロを剥がそうとするが、はがれようとしないホロがペシペシと小雪を叩きながら喋る。
「やっぱり、ヘン、ヘン」
「いい加減にどかないとだめよ」
ホロのカダラが突然浮くと同時に小雪からホロを剥がした本人であるユノが叱る。
「皆、置いて帰っちゃうなんてひどいじゃない」
リサたちの修理を行っている店でクエストアイテムを渡していた小雪はいつの間にかいなくなっていた暁達に文句を言いながら拠点の扉を開くが、静まり返っていた。
「・・・・あれ?皆、帰ってないのかな?」
自室へと向かいながら周囲を見渡すが誰もいない。
「誰もいないみたいだし、シャワーでも浴びようかな」
自室へと入り装備品の入ったポーチを外した小雪は、部屋着に着替えようとして体が汚れていることを思い出すと部屋を出て、風呂場へと向かう。
「んん~、気持ちよかったぁ~、きゃっ」
シャワーを浴び終わった小雪が扉を開くといきなりクラッカーのような音が鳴り驚く。
きゅぅ~
「大丈夫ですか」
「ゆきっち、だいじょうぶかい?」
突然のことで腰を抜かし、伸びている小雪に鈴奈とかえでが近づき、遠くではユノがゆっくりと近づく姿が見える。
「やり過ぎたな。クロ」
「ははは」
「一体、なんなの?」
やっと、落ち着いた小雪がシャワーを浴びる前に見た光景とは違っていることに気付き、いろいろと言いたいことがあるが、状況を説明してもらうために聞く。
「大丈夫か。ユキ」
「クロ兄。説明が欲しいんだけど」
「あぁ、ユキが暗くなっていたから、元気つけたいって皆が計画したんだよ」
クロツキは小雪を案内する形で屋上へと向かい、いつの間にか他のメンバーの姿が見えなくなっていた。
「・・・・・」
「どうした」
「ありがとう・・・・」
屋上へと着いた小雪が見たのは豪華な食事とさっき会ったばかりのリサを含めた人たちが飲み物を持っており、テーブルにはさまざまな料理が並んでいたため、うれしさの余り、言葉が出ずにいたがすぐ隣にいるクロツキが声をかけて来たため自然と感謝の言葉が出た。
「早く食べようぜ」
「・・・うん」
暁がいつまでも屋上の扉の前に居る小雪とクロツキを呼び、宴が始まった。
これから起こるであろう物語のために..........
一端ここで、おわり♪




