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「あのぉ~、これから私たちってどうなるんですか?」

 道中、黙々と進んできた一行は、暁のマイホームへやって来た後も静まり返っていたが、鈴奈がその沈黙を破り質問を出すと、かえでと暁も喋り出す。

「わかんねぇ~、そっちはどう思う、かえで?」

「私もわかんない」

 暁とかえでの会話の後、みんながクロツキに視線を向け言葉を待っているのが伝わってきたので、首を横に振り、話題をこれからの活動に替える。

「なんとも言えないよ。ただ、これからどう行動していくのかは決めておくのが良いと思うんだが」

 クロツキの返した言葉に一瞬の沈黙が走るがすぐに返事が返ってきた。      

「・・・そうだな、でっ、なんか案はあるか?」

「そうですね。私は、解決するまでは、知ってる人達で行動した方がいいと思います」

「じゃぁ~、今のままのパーティーで行動しよ」

(いや―――パーティーじゃぁ~だめだ。ギルドを創っての行動がいいな。)

 鈴奈の意見を聞き、かえでが答えた提案にみんなが頷く中、クロツキは、首を横に振り、口を開こうとするがそれより先に鈴奈が口を開いて、抗議してきた。

「なんでですか。こんな時こそ、みんなで一緒に居た方がいいじゃないですか!」

 怒りと驚きの混じった声で鈴奈が話す中で、暁とかえでは表情を暗くしてこっちを見てきた。

「もしかして、まだあれを引きずってるの・・・・」

「クロ・・・・・」

「いったい、なんのことですか?お姉ちゃん」

 鈴奈は、暁達の様子がおかしいのに気付き、姉に質問する。

「そ・・・それは、ちょっと・・・・」

「―――昔、クロとかえでが組んでいたパーティーで事件があったんだよ」

 かえでの反応と暁の言葉で鈴奈は、静かになった。

「ち、違うよ、かえで先輩、暁、俺はパーティーじゃなくてギルドを創って対応しないといけないなと思ったんだよ」

「えっ」

「クロ・・・今なんて言った・・・・」

 クロツキの放った言葉にかえでと暁は驚きを隠せないでいるのが見ていてすぐに、わかった。また、鈴奈の方は状況を把握できずにおろおろしているのを見てクロツキは話を続けた。

「今回の事態は、数日やそこらで済む話じゃないと思うんだ。だから長期的な活動を考えてパーティーじゃなくて、ギルドを立ち上げて活動をした方がいいと思うんだよ」

 クロツキが話終わると同時に落ち着いたのか、かえで先輩がまた飛びついて来た。そして、暁はずっと頷いており、鈴奈に関しては状況を把握するために暁から状況を聞こうと質問をしているのが視界に入った。

「それで、・・・・・良ければ一緒にギルドを―――」

 クロツキが言い終わらないうちに、かえで先輩が遮って来た。

「やろう。やろう。クロちゃんがマスターのギルド創っちゃお~!」

「えっ」

「そうだな。俺もかえでの意見に、乗ったぜ!」

「わっ、私も賛成です」

「えっ、えっ」

 まさか自分がマスターのギルドを創ることになるとは思わなかったクロツキは、驚きを隠せず、ただ、ただ首を左右に振ることしかできなかった。

「言いだしっぺは、クロちゃんなんだから、当たり前でしょ!それに、私には勤まらないもんねぇ~」

「そうですよ。クロツキさん、お姉さんじゃギルドなんてもの事態、成り立ちませんよ」

「うっ」

「鈴奈、その言い方はすごく傷つくんだけど・・・・」

 どうにか、落ち着いたが、かえで先輩に文句を言えずに姉妹で言い争っている姿を見ていると、今度は暁が喋り出した。

「二人は、置いといてクロ―――俺は、クロなら勤まると思って言ってるんだが」

「ちょっ!暁まで~」

「ひどいです。暁さん」

 さっきまで言い争っていた二人は、いつのまにか暁に向かって交互に反論し始める中、クロツキはマスターになる決心をする。

「わかったよ。これからよろしく三人とも」

 クロツキの言葉を聞いた三人はやっていたことを止め、クロツキの言葉に同時に頷き、言葉を交わす。

「これからよろしくね、クロちゃん!あと、これからは、先輩は付けずにね~」

「よろしくです。わ、私もさんは付けずにお願いします」

「よっ、よろしく二人とも。それから鈴奈も俺のことはクロって呼んでいいから」

「は、はい、・・・・ク、クロさん」

 何が恥ずかしいのか顔を赤くする鈴奈の顔を見るとなぜかクロツキ自身も顔が赤くなっていく気がした。

「よし、他の二人の挨拶も終わったみたいだし、俺からもよろしくな」

「あぁ~、よろしく」

 全員の挨拶が終わった後、クロツキは、暁達をその場に残し、すぐにギルド登録をしにギルド会館へと向かう。


「ふぅ~、やっと、手続きが終わった」

 クロツキは、一通りの手続きをした後に都市図を開き、ギルドを立ち上げる場所を探していると背後から声がかかってきた。

「よっ!手続きは終わったみたいだなクロ。何を見てるんだ?」

「暁かぁ、拠点をどこにしようか探してるんだよ」

「ギルド会館でいいんじゃないのか」

「いや、この際だから別の場所に拠点を創ろうかなと思って」

「そういうことなら、こことかどうだ?」

「そうだなぁ~」

 クロツキと暁がギルドの場所について話し合っているとゲームマスターからの知らせが入ってきて話はそこで中断した。

「調査報告です。原因は未だに不明でありますが、死亡しても宮殿で復活することが確認されました」

「また、新しく実装された防衛クエストが間もなく始まることが分かりました。至急、クエストを受注して、対応してください。このクエストが失敗すると都市が機能しなくなる可能性があります。近隣のプレイヤーは参加してください」

 ゲームマスターの報告が終わると同時にクロツキは、暁と目を合わせて急いで仲間の元へ向かった。

 仲間との合流を済ましたクロツキ達は、ギルド登録が終了したことの報告を済まし、一呼吸し話を切り出した。

「今回の防衛クエストがどんなものかは分らないけど、今、都市が機能しなくなるのは危険だから、参加しようと思うんだけど」

 クロツキは、自分の意見を言い終えると同時に周りの意見を聞こうと皆を見ると頷いていた。    

「そうだね、クロちゃん!賛成だよ」

「私も賛成です。クロさん」

 かえでと鈴奈が喋った後、また、なにも言ってきていない暁の方に視線を向かわせ、目が合うと暁は頷き、喋り出す。

「これが、ギルド創設最初のクエストだな。いっちょ、派手にやろうぜ!」

「おぉ~!」

 暁の言葉に合わせてかえでが片手を大きく振り上げ、呼応する姿を見るとクロツキは、昔の事件が嘘だったかのように思え、自然と笑みが出てきた。

「行くか!」

 みんなが頷いたのを確認後、改めて、クロツキ達はクエストを受けにギルド会館へと装備を整え、出発する。


「――――遅くなった。かえで、あれをやるからオーガの動きを止めてくれ」

「了解だよ。クロちゃん」

 クロツキの言葉を聞いてすぐに、かえでは近くにいたオーガに向けてダッシュを駆け、一時的に動きを止めるスキルを発動させる。

“影縫い”

「暁と鈴奈はBランクの敵と他のプレイヤーの援護を頼む」

 クロツキは、かえで達に指示を出し、かえでの後をすぐに追い駆ける。

「分かりました」

 “天使の恩恵”

「了解」

 クロツキへの返事の後、鈴奈はダンサーの特技の一つであり、周囲にいる味方の体力を一定時間、回復させるスキルを発動させ、暁はゴブリンに照準を合わせて引き金を引く。

「これで、六体目!」

 かえでが六体目に足止めのスキルを使った後、すぐに七体目へと向かう姿を視界に捉えながら自分を強化するスキルを発動させる。

 “早撃ち”・“インパクト・ショット”・“バレット・シャワー”

 クロツキは、かえでが十体目の動きを封じた時に声をかけ、注意を促す。

「かえで!」

 “エリクシス・バル”

 かえでは、クロツキの言葉を理解したのか、敵から離れると、動きの封じられた敵の頭上に弾丸の雨が降り注ぎ、近くにいるゴブリン達を巻き込む、また、弾丸の当たったところが爆発し、全快近い体力を奪い、攻撃を受けたモンスターが次々と倒れていく。

(もう、三体目に入ってるな・・・)

 かえでの方に目を向けると、三体目の動きを止めているところだった。

 一方、鈴奈と暁は、順調にゴブリンを倒しながら仲間の支援をしていた。

「すごいですね、暁さん」

「そんなことないさ」

 暁の狙撃により一撃で、倒れていくゴブリン達の姿を見ながら鈴奈は、暁に対して素直な感想を言い、暁はそんな言葉に返事を返して次の標的に照準を合わせる。

「攻撃力を上げますね」

 “戦乙女の武勇”

「あり―――」

 鈴奈のサポートに対してお礼を言おうとした暁のすぐ隣を魔法弾が通り抜けて行くのが見え、同時に鈴奈が叫ぶ。

「暁さん、暁さん、援軍が来ました!」

 魔法弾の飛んで来た方向を見た鈴奈は、援軍のプレイヤー達の姿を発見しテンション高めにはしゃいでいた――――

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