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「この子が遺跡で暮らしてたこねぇ~」
「そうだよ~弧万智ぃ~」
拠点に到着した後すぐ、クロツキは他のギルドマスター達に呼び出され、居なくなりユノと小雪はロウデンと一緒に報告を済ませに向かい、かえではホロを抱きかかえると暁と一緒に近くで待っていたボビーたちのところへと向かいホロを紹介する。
「また、可愛らしい少女がき――がはっ」
「ふう、ごめんね、ホロちゃん怖かったでしょ」
「?」
「あははは」
ボビーがホロを見ていやらしいことを言おうとしたところでリッカが頭を叩き、ホロに謝るが状況がつかめずに頭を傾げるしぐさを見せ、それを見たかえでは笑う。
「懐かしの痛みが・・・」
「はぁ~」
「お~い」
「ユノッ」
ボビーの反応にため息を漏らすリッカの姿を眺めていると報告に向かっていた小雪達が戻ってきた。
また、ユノの姿を見たホロは名前を呼びかえでから離れるとユノに抱き着く。
「ユノ、ユノ」
「よしよし」
「完全に懐いているな」
「そうでしょ、そうでしょ」
「わたしにも触らせてください」
ユノに甘えているホロの姿を見た暁が呟くと横でかえでが相づちをし、ホロをまだ、触っていない鈴奈が近づいて行き頭を撫でる。
「何かあったんですか?」
帰還後すぐに呼び出されたクロツキは本部のテントにいた人たちに聞こえるように喋ると直ぐに返事が返ってきた。
「あぁ、正体不明だったモンスターの正体と居場所が分かって今、対処してるんだ」
クロツキに近づきながら状況を説明するヘル・ロべスは険しい顔をしていた。
「普通のやつとは違うんですね。ロべスさん」
「まぁな、詳しくは歩きながらしようか」
「はい」
二人は、本部を後にすると別のテントへと向かい歩き出す。
「正体についてなんだが、竜種の一種である地竜なんだが、見た目は人型で地竜のはずなのに早いんだ」
「速いんですか・・・・」
(ロスト・ガーデンに生息している地竜は他の種族に比べるとかなり行動力が遅く比較的狩りやすいモンスターだったはずなんだがな・・・)
ロベスの言葉を聞き、考え込むクロツキはあらゆる可能性を思い浮かべる。
「それで、名前はエンシェ―――ん?」
「あとでまた、話すか・・・・」
喋っていたロベスはクロツキが聞いていないことに気付き、呟くと黙々と進み始め、その後ろを間を開けてクロツキもついて行く。
「着いたぞ」
「ん・・・あっ、すみません。途中から聞いてませんでした」
「大丈夫だ。そう思って途中で喋るのをやめたよ」
ロベスは、考え込んでいるクロツキの肩を叩き着いたことを知らせると我に返り謝った後テントの中に入ると、忙しく動く冒険者達で溢れていた。
「ちょうどいいところに来た。ロベス君、クロツキ君」
こっちの存在に気が付いた英王が手を振りながら近づいてくる。
「例のモンスターなんだが、手に負えなかったらしく討伐隊が返ってくるらしい」
「そうか」
「そういえ他のチームの救出は終わったんですか?」
英王とロベスのやり取りを聞いていたクロツキだったが、不意に遭難者のことを思い出し、尋ねる。
「あと、一チーム救出が出来ていないよ」
「まさかとは、思いますが・・・邪魔されてるとか・・・」
ロベスの返事を聞いたクロツキは嫌な予感がしたので聞くとロベスと英王は頷いて答えてきた。
「まっ、そういうことだから、是非とも新しい討伐隊として、黄昏の夕日には向かってほしいんだが・・・」
「自分は問題ないんで他のメンバーの返事を聞いてから決めます」
「わかった。できるだけ早く返事を聞かしてくれ」
「はい」
やり取りが終わると直ぐにテントから出ると暁に連絡を入れ、急いで仲間のもとへと向かう。
「―――おぅ、わかった。着くまでに決めておくよ」
「どうしたんですか?暁さん」
暁の通信が終わった後、自分たちに関係してるのかと思い、鈴奈は暁の顔を除くように質問する。
「あぁ、クロがもうすぐこっちにくるようなんだが、着く前に救出隊と討伐隊を兼ねた参加メンバーを出してくれと言われたよ」
「そうなんですかっ!なら、わた―――」
「いっくよ~」
鈴奈はテンションが高くなったのか少し興奮気味で喋っていたが、姉であるかえでに邪魔され、不機嫌になり、姉の襟を掴むと近くのテントの後ろへと向かう。
「あれ?ちょっ鈴奈、怖い顔してどうしたの。やっごめ、ごめんって」
「なぁぁああ・・・・・」
鈴奈たちの姿が隠れて直ぐにかえでの声が聞こえたかと思うと悲鳴に変わり、少しの間が開いた後に鈴奈が出てくる。
「暁さん、私もついて行きます」
「お、おぉ」
「私も行こうかな」
鈴奈が参加することを伝えるのに続きボビーも参加することを暁に伝え、リッカとねこ丸は拠点からのサポートにまわることに決まった。
「どう?メンバーは決まったかな?」
「決まったぞ。クロ」
「じゃぁ、準備が終わり次第すぐに、向かうから」
「了解」
「はい」
クロツキが到着し暁からメンバーを聞き終わった後、かえでとボビーはすぐに準備に向かい、鈴奈は返事を返しながら準備をしており、暁に関してはもう準備が終わっているのかクロツキが英王達に連絡を入れている横で愛銃をいじっていた。
「クロ!」
「のわっ」
準備が終わり、連絡を入れた際、他の討伐隊との合流地点を聞いたクロツキ達はすぐに向かったため、まだ、だれの姿もなかったので、早く着いたと思い近くの石や木に座り込むが、クロツキは頭上から降ってきた人に驚きの声を出す。
「ライトたちか・・・」
「おぉ、また一緒に行動することになったな」
何事かと立ち上がったクロツキ以外のメンバーは大木の後ろから出来た者に警戒をするが、知っている人たちだったので構えを解き、暁がつぶやく。
「こら、ホロ、クロツキさんが困っているでしょ」
「ニュ~」
未だにクロツキの顔に引っ付いていた頭上から降ってきたホロをユノが急いで剥がしに行き、やっとのことでクロツキは解放された。
「ぷはぁっ」
「やぁ~」
「クロ、クロ、ウニュ~」
「大丈夫ですか、クロツキさん」
「大丈夫だよ」
ホロのじゃれあいにより疲れ切っていたクロツキにホロが迫り、頭を撫でると大人しくなる。その後ろからユノが心配して尋ねると片手を上げて大丈夫だと伝える。
「クロ、ライト達以外は来ないそうだから出発しようか・・・・大丈夫か?」
暁はライト達と話をした後、クロツキのもとへ向かいライトから聞いたことを報告するが、クロツキの状態を見て、心配する。
「そう、じゃぁ~向かおうか」
「了解。かえで達にも伝えてくるから息を整えながら、来てくれて構わないからな」
「ありがとう。暁」
「いいって」
暁はクロツキを心配しながら、かえで達に指示を出しに向かう。
「ホロ、クロツキさんが立つことができないでしょ。早く降りて」
「ウン」
「よっと」
ホロはユノの言う言葉を聞き、クロツキから降りるとユノの隣に移動し、クロツキは立ち上がると服に付いた誇りを叩き、ユノとホロと共に暁達のもとへと向かう。
「来たな。こっちは準備が終わっているぞ。クロ」
「ありがとな、行こうか」
クロツキが近づいてきているのを見た暁は準備ができたことを伝え、討伐と救援に向かう。




