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「閉じ込められる前と違わないか・・・・」
「・・・」
深紅の樹海が見渡せる場所に着いた冒険者達一行は仮拠点の建設をしていたが、樹海を知っている者達は唖然とし、暁の発した言葉に沈黙で返すしか無かった。
「話に聞いていた以上だな」
「そうねぇ、以前はたしか、遺跡がちらほら見えたのに今じゃぁ何も見えないただの樹木の生い茂る場所になってるものねぇ」
いったん近くのテントの中に入った代表のマスター達は以前まで使っていた地図を見ながら今までと違っている部分を確かめ合っていた。
グループごとの役割とこれから行う活動を決め終わったあたりでテントなどの設備を建てていた冒険者が完了したことを報告しに入ってきたところで代表者たちは自分たちのグループの元へと向かう。
「どうだった。暁」
「俺たちは協力関係の冒険者グループと共同で探索することになったぞ」
「そうで―――」
「かわいい女子は居るのですかな」
暁の報告に返事をしようとしたがボビーに遮られてしまった鈴奈は少しふてくされるが準備をしに荷物のある方へと向かう。
「よろしくな」
「こちらこそ」
翌朝、合流地点でパ-ティーのリーダー同士の挨拶をした暁とライトは各自のメンバーを集め自己紹介を始める。
「まずは、こちらから自己紹介させてもらおうかな」
全員が集まった頃を見計らって暁が手を少し挙げ、喋り出す。
「俺は、黄昏の夕日に所属している暁だ。主に後方からの援護を担当している」
「次、私ね。暁と同じギルドに所属しているかえでだよ。前線での戦いが得意で~す」
――――暁達パーティーの自己紹介が終わった後、ライト達は少しだけ間をおいて自己紹介を始める。
「こほんっ、では、まず自分から始めます。ソロで活動をしているライトと言います中間でのバランス型です」
「私の名はリサ、戦闘は苦手でトラップの設置・解除などが得意なトレジャーハンターよ」
「自分は、他のパーティーとの通信係兼後方からの援護を担当させてもらうロウデンだ」
「えっと、最後に私ですね。名前はユノといいます。敵のかく乱と調合が得意です。後、ソロです」
最後の一人の挨拶が終わった後、自分達のポジションと役目を話し合いが始まる。
「―――こんなもんかな・・・・それは、そうと、まさか黄昏の夕日のメンバーが化け物ぞろいなんて・・・」
「どういうことですか?ライトさん」
ライトがもらいした言葉に鈴奈が反応して質問をする。
「知らないんですか。鈴奈さん」
一部の人以外がライトの言葉についていけてない空気をよみ喋り出す。
「理由はですね。タカの目・闇の影に龍拳士に流浪のアマゾネスが居る事ですね」
「「えっ」」
ライトの言葉に鈴奈とマグロ以外のメンバーが反応して驚く中、暁とかえでにボビーと小雪が少し照れ笑いしていた。
「知ってたのか」
「知ってるも何も有名ですよ。特に闇の影とタカの目の名は・・・」
「なんか、照れるね」
ライトの言葉にそうだよなぁと納得する暁とかえでをよそにボビーと小雪はお互いに自分達のことで盛りあがり、他の者は納得する者や疑問を言い合ったりする者に分かれていた。
数分後、ようやく落ち着いた一同は自分達が突入する深紅の樹海の入り口の前に立っていた。
「準備はちゃんとしたよな」
暁の言葉にその場に居た全員が頷くのを確認したライトはロウデンに今から入る事を連絡するように頼み武器を構えて中へと入って行く。
「ふぅ、今の所外見以外は変わったものが出てこないな」
「そうね・・・目的の遺跡まであとどれくらい」
目的地に向かいながら一通りのモンスターを倒した後、武器を整備しながら暁が呟く言葉に返事を返したリサは地図を見ていたロウデンに距離を聞く。
「もう少しで着くはずですよ。リサさん」
「そう・・ありがとうね」
ロウデンの返事に礼を言うリサだが疲れたのか自分の汗を拭きながら力ない言葉だった。
「以前、目印に使っていた樹木は通ったんだからもうひと踏ん張りだよ」
リサの様子を見たライトは励ましを言葉をかけ、全員の点検が終わったのを確認するとまた、進み始めた。
「着いたぞ」
進む邪魔になる草を薙ぎ倒しながら進んでいると先頭に居たボビーが喋りながら指さす、その先を見ると樹木の中に古びているが立派な建物が建っていた。
「ここか・・・・」
「ここに仮拠点を作るか」
「そうですね」
「りょかい」
遺跡の入り口前にたどり着いた一行は暁の提案に頷き、早速、各自携帯型のテントを張り翌日遺跡に入る事を決め食事の準備などに取り掛かった。
「できましたよ」
「は~い」「今行くよ」
ロウデンの呼び声にリサと暁が返事を返しその後ろをライトとボビーがついて行く。また、鈴奈とユノは料理を簡易型のテーブルに運んいる姿が見え、かえではすでに席に座り待っていた。
「もう、姉さんも手伝ってくださいよ」
「お腹すいたから無理だよ~鈴奈」
「えっ、お姉ちゃんって・・・」
鈴奈がかえでに行った言葉にリサは驚き、ライトやユノ、ロウデンは聞き耳を立て話を聞く。
「もしかして、リアルで本当の姉妹なの二人は」
「そうだよ~リサちゃ~ん」
「・・・」
リサの質問にあっさりと返事を返したかえでの言葉にリサは沈黙するも食事の準備が終わり食べ始めた頃には黄昏の夕日以外のメンバーから質問攻めをかえでと鈴奈は受けていた。
遺跡に入ってすぐに見える分岐点のを気を付けて観察し敵が居るかどうかを確認するかえでとボビーの後ろでライトと以前の遺跡内マップを暁は見ていた。
「まさか中も変わっているとは思わなかったな・・・」
「そうですねぇ」
「右方向には敵、いなかったよ~」
「こっちもおなじですな」
暁とライトが古いマップを見ながら呟いていると偵察が終わったかえでとボビーが警戒しながらも手を振り報告をして来たので、とりあえずロウデンに連絡を入れてもらった後に右通路を進んで行く。
「敵視認・・・・数はざっと三体で、レベル六十代のゴブリン戦士だね」
「了解」
かえでの言葉に返事を返し全員が臨戦態勢をとり、ユノは幻惑魔法を発動させる。
“ネーベル・リューゲ”
「今です」
ゴブリン戦士たちが特殊な霧に包まれたのを確認したユノが合図を送るとボビーとかえでが駆け出し、手前の二体に攻撃を仕掛ける。
“リュミエール・ポワン”“急所突き・黒蜂”
光に包まれたボビーの拳の一撃を喰らい一体が倒れ、かえでの早い突きが見事に相手の心臓を刺し一撃で倒す横をライトと暁の放った矢と弾丸が横切り最後の一体に辺り崩れ去った。
「はやいねぇ・・・」
「すごいです」
「えぇ」
攻撃に加わなかったリサとロウデンは感心しユノも驚き、相づちを打つが鈴奈は当たり前だと云わんばかりに頷き、ボビーとかえでが帰って来たことを確認して奥へと進む。
「今のところ出てくる敵は変わっていないな」
敵を順調に倒しながら奥へと進む中で図鑑を見ながら呟く暁の言葉に周りも頷き、ボス部屋と思わしき場所の扉前へと到着した。
「開けるから準備はできてるね」
ライトは扉に両手を置き全員に訪ねながら開く。
「配置に着いたか」
「こちらは大丈夫です」
「こちらも大丈夫だ」
扉をくぐった暁達は少し歩いた後中央が広場になった場所を見つけたのと同時に巨大な白蛇が眠る姿を捉えたので、各自複数人に分かれ攻撃が行える場所に移動して連絡を取り合っていた。
「いきますよ」
「了解」
“ディメンション・ショット”“バインド・イーグル”
息を合わせたライトと暁の攻撃が寝ている白蛇・ウングルに直撃する。
ギャァァァッ!
ウングルの叫び声が響いたと同時に黒い影が近づき、再び声を上げる。
グギャァッ!
「どんなもんだい」
「うまくいけたな」
攻撃をした張本人であるかえでとボビーが敵から離れた後、声を上げ、また、敵に近づき攻撃を仕掛ける。
「援護します」
“天の恵み”“パラクミ・ソック”
近距離と遠距離からの攻撃、治癒や状態異常の魔術によるサポートの連携により、通常は時間のかかるはずのウングルはまともに攻撃を当てることもできず、着実に体力を削られていった。




