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007.今宵は魔女の釜でカレーを
「〜♪」
今日の食事当番は優香だ。台所から陽気な鼻歌が聞こえてくる。
そういや、コイツが料理を覚え始めた頃はすごかったっけな……。俺も親父も何度ムド○ンカレーを食わされたことか……。
ホント、殺人料理マイスターだったんだよなコイツは――と、M○NDOTVを見ながら過去の恐怖を思い出していると、そのうちに良い匂いが漂い始める。
「イーヒッヒ! イィーヒッヒ! よしっ、完成〜♪」
なんで魔法オババの真似したし!
「ゆっちゃん、お皿取ってちょうだい〜」
「あいよ」
――優香の作ったカレーはスパイスが効いてて普通に美味かった。
余計なモノも入ってなかったし、よくぞここまで上達したと思うと涙腺が緩んできやがった……。
まぁ……なぜかコンニャクが入ってたが、そこはご愛嬌ということにしといてやろう。