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005.逃げてー!
「んー……」
あくまでも趣味だが、俺は『小○家にな○う』というサイトで小説を公開している。
が、一般受けしないのかイマイチ評価がふるわない。そんなんで唸っていると、俺のベッドに寝そべって本を読んでいる優香がのんびりと声を掛けてきた。
「どったの、ゆっちゃん?」
「いや、大したコトじゃないんだが……趣味で書いてる小説の評価があまり良くなくてな。なんか良い方法はないもんかと……」
「ふ〜ん。そうだっ、私に良い考えがある」
「ほぉ……?」
嫌な予感しかしないが、一応聞いてやろう。
「どんな方法だ?」
「簡単だよー。ゆっちゃんが仕事に使ってる技術を用いて、他の人の作品を全部消してしまえばおーるおっけーっ♪」
……少しでもマトモな方法を期待した俺が馬鹿だった!
「あのなぁ……。俺を犯罪者にしたいのかお前は……」
「えー。じゃあ仕方ないなぁ、ゆっちゃんのために私が一肌脱ぎましょう♪ ゆっちゃんがメインで書いてるジャンルの上位の人の住所を割り出して、拷問器具の1つでもチラつかせてオドシを掛ければ――」
逃げて! 上位の人今すぐ逃げてー!!