001.机の下からこんにちは
俺には一つ下の同居人がいる。
リア充爆発しろ! と言われそうなくらいには可愛いヤツだが、変な女でもある。
ある日、親父がどこからか連れてきて一緒に住むことになった。
その親父は今ローマにいるらしく、この間イタリア製の食い物が売るほど送られてきた。
こんなに送ってきても俺と優香しか食べるヤツいないってのに……ったく。
「ん? そういや、今日は優香の姿を見てないな。遊びにでも行ったのか?」
依頼された仕事が一段落したところで思いっきり足を伸ばそうとして、つま先に触れるモノがやたら柔らかいこと気づいた。
「……なんだこれ?」
こんなところにクッションを置いた覚えはない。そのままグイグイ押していると今度は恨めしいやら情けないような声が聞こえてきた。
「ゆ、ゆっちゃん〜。押さないでよぅ〜」
「……」
UMAかと思ったが、れっきとした人間らしい。
スペースを開けて首根っこをつかんで引っ張りだしてやる。理由も一応聞いてやるとしよう。
「で、今日はどういう理由で机の下に隠れてたんだ、優香?」
「えっとぉ、ゆっちゃんを驚かせようと思って隠れてたらそのまま寝ちゃったみたい?」
少しだけ黒い同居人は今日も絶好調のようだ。