その1*冒険のはじまり?
初めて投稿します。
至らない点は、どうか見逃してくださいね。。。
おひさまは、今日もぽかぽかあったかい。
毛皮を撫でるみけこ母さんの舌が、とってもいい気持ち。
チャト君は、ちっちゃな前足で顔を覆うと、後ろ足をいっぱいに延ばしてあくびをしました。
カゴの中には、チャト君のほかに3匹の兄姉が眠っています。
前足と後ろ足だけが白い仔は、お兄ちゃんの『クック』。
体が大きくて、お母さんのおっぱいも葉月ちゃんのごはんも、たくさんたべます。
白い毛並みに黒い帽子を被ってるみないな仔は、お姉ちゃんの『ハット』
いつも元気いっぱいのハットちゃんは、クック兄ちゃんとお相撲したり、ふわふわぼーるで一緒に遊んでくれます。
みけこ母さんにそっくりな毛並みの女の子は、もう一匹のお姉ちゃん『みー』
おっとりさんで、おもちゃもすぐにクック兄ちゃんにとられちゃう。
母さんねこのしっぽに巻き付いている茶トラの男の子が『チャト』くんです。
みーちゃんよりもおっとりで、ちょっぴり恐がりな末っ子は、いつもみけこ母さんのそばを離れません。
すやすやすや・・・
幼いヒゲが風に揺れる、穏やかな朝の一時。
飼い主の葉月ちゃんが、お庭で洗濯物を干していました。
ひとりだけ起きてしまったチャト君は、カゴを抜け出すと、不思議な匂いに誘われるように、お庭の窓に近づきました。
いつもはきちんとしまっている窓が、この日は少しだけ開いていました。
窓のすき間は、チャト君の小さな頭が通ってしまいます。
チャト君は、すこし考えてから、もういちど頭を入れると、今度は小さな前足を使って、よいしょ!と力を入れてみました。
ぽて。
チャト君は窓から転げ落ちてしまいました。
ちょっぴりぶつけてしまった頭を振って辺りを見ると、そこは見知らぬ世界でした。
知らない匂いが、チャト君の小さなお鼻をくすぐります。
『なんのにおいだろう?』
見た事もない虫が、チャト君の前を誘うようにひらひらと飛んでゆきます。
『あれはなんだろう?』
わくわくする気持ちが、おくびょうなチャト君に少しだけ勇気をくれました。
小さな前足でいっぽ進んでみると、ざらざらした床が、やわらかな肉球を刺激します。
「みぃ!」
チャト君は、ひらひらと飛ぶ虫をおいかけました。
お花にとまったその虫を、チャト君がねらいます。
【えもの】の取り方は、お母さんが教えてくれました。
気づかれないように、あたまを低くして、お尻でいきおいをつけて…
えいっ!
チャト君はとびかかりました。
しかし、虫はひらひらとどこかへ飛んで行ってしまいました。
『あ〜あ…クック兄ちゃんに見せてあげようと思ったのに…』
チャト君が残念そうに、虫が飛んで行った空を眺めていると、きゅうにみんなが恋しくなりました。
「みぃ」
チャト君は小さな声で鳴いてみました。
みけこ母さんは、ぐっすりねむっていて気がつきません。
葉月ちゃんも、お掃除に忙しく気がついていません。
ほかの兄姉たちも、ぐっすり眠っていて起きる気配もありません。
「みぃ!」
チャト君は心細くなって、もうすこし大きな声で鳴いてみましたが、やっぱりだれも気づいてくれません。
どうしたらみんなのところに帰れるのか、チャト君にはわかりません。
どんどんこわくなってきて、チャト君は走り出しました。
「みぃ!みぃ!みぃ!」
チャト君は、おうちとは反対の方向へどんどん走って行ってしまいます。嗅いだことのない匂いが、どんどん強くなっていきます。
『こわいよぉ!お母さん!』
チャト君は心の中でお母さんを呼びました。
そんなチャト君を、くろい大きな影がじっと見ていました。
読みにくくてすみません。。。
絵本っぽくしたかったんですが、力量がたりませんでした。。。