第1章 第1話 最弱の弓使い、世界を欺く
東京湾を見下ろす高層ビル群の夜景に、突如として光の柱が走った。
街は瞬間的にざわめき、SNSには「ダンジョン出現」の速報が流れる。
霧島アラタはスマートフォン越しに状況を確認し、淡々と呟いた。
「またか……」
前世では最弱と呼ばれた弓使い。
誰からも見下され、勝利の記憶よりも敗北の記憶だけが残っていた。
だが、今世は違う。
このジョブには隠された無限の成長ポテンシャルと、暗殺者のような一撃必殺スキルがある。
アラタはジョブ選択画面に指を置く。
「アークシューター――決定」
初心者向け、最弱。だが、彼の戦場はこれから始まる。
ホログラムが浮かび上がる。
配信画面、ステータス、アーク値、視聴者コメントがリアルタイムで流れる。
> コメント欄:
「また弓かよw」
「初心者ジョブで無理ゲー」
「誰得…?」
アラタは微笑む。
この侮蔑こそ、戦場での彼の原動力だった。
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廃倉庫ダンジョン
湾岸の廃倉庫に足を踏み入れる。
影が交錯し、錆びた鉄骨が不気味に揺れる。
群れを成すモンスターの気配が迫る。
「音を立てず、死角から一撃……」
矢が空を裂き、モンスターは瞬時に倒れる。
光と影が交錯し、観戦する配信視聴者は息を呑む。
> コメント欄:
「初心者ジョブでここまで……!」
「影の狩人、やばすぎ」
「弓一本で全滅とか神」
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ヒロイン初登場:雨宮ライラ
奥の倉庫で白い光の粒が舞う。
光術師・雨宮ライラがモンスターの動きを封じていた。
アラタは影から接近し矢を放つ。
群れは瞬時に消滅する。
ライラの目に驚愕と興味が入り混じる。
アラタは微笑むだけで言葉を発さない。
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配信・視聴者連動
視聴者のコメントが戦術補正としてリアルタイムに反映
アーク値が微増、戦術の選択肢が広がる
読者も配信者視点で戦況を疑似体験可能
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ボス級モンスターとの遭遇
迷宮奥で地響きがする。
群れを従えた大型モンスターが姿を現す。
アラタは微笑む。
「さて、次は主役だ」
矢を握る指先に力がこもる。
AIノードαが異常値を検知し、世界が静かに動き始める。
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第1話ラスト
廃倉庫ダンジョンを攻略し、配信視聴者数は急増。
ライラの注目を集め、影の狩人として世界に名を刻む予感が漂う。
> 「最弱の弓使い――だが、その矢は世界を欺く」
夜の闇に、矢の軌跡だけが光として残った。




