深層の魔物
俺は長考を終えてどうすべきかを伝えるコトにした
「やっぱり倒そう多分苦しんでるしもう意識や心
その人その人たらしめるモノが無い気がするんだ
ユダのお母さんもソレを望むハズだ……心が無ければ種族以前にもう人間じゃ無いんじゃないか?」
ユダは少し考えては首を振り何度も何かを振り切ろうとする、多分ソレは記憶や家族への想いだろう
「ユダさん貴方は主の言葉を聞いてどう思いますか?
私は失礼ですが甘ったれてると思いましたね!
私のいた世界…時代にもよりますが親や家族や友人
ソレに恋人も我が子も…死に方を選べないのが
当然でした、イヤ無理矢理選ばされ決めた者のなんと…なんと多いコトか貴方が決めて良いんです、
覚悟して殺さず被害を見逃すソレも選択です……
貴方が家族で有る貴方だけが決めて良い
グダグダ言わず目を逸らさず決めてください…ね?」
ビダンの言葉は重いモノだったがユダへの
信頼が伝わって来る、これが彼の時代の言葉なの
だろう、どちらを彼が選んでも見届けよう
「スミマセン…僕は…いや私は今まで覚悟が足りな
かったようです…でもちゃんと考えました……
この思いに嘘は無い兄さんを倒して母さんを怪物から
解放したいたとえ家族の血で手を汚しても……
歩んで来た時間を無駄にしたく無い家族ならもう
此処にいます私は臆病でしたね、もう…決めました」
ユダがアンデット達を見、決意する俺達で倒そう
今までを乗り越えて行くんだ!そうだなユダ!
扉前の両壁を同時に押すと壁がズレてカッコ…ン…
という音が鳴り扉が開くさぁ決意が変わる前に
倒し切るんだ……行くぞ!キメラモンスター!!
「「タス…ケ……テ…タス…ケ……」」
なっ!?コイツ一人どころじゃ無い何人取り込んだ?
頭部から胸に取り込んだ人達が埋まっている
何でこんなコトができる?異常だとは思っていたが
人の範疇を越えた異常だユダの兄は何処にいる?
「ユダの友人かい?…初めましてユダの兄の
ナタといいますイヤ大司教様の方が……
馴染んでるかな?まぁマズイモノ見たと思ってさぁ…
帰ってくれると楽なんだけど?なぁ……」
何言ってるんだ?コイツこれだけの事をして
マズイモノ?見逃せ?何考えてるんだコイツは!!
「帰れって言うのはさぁ……慈悲…だよぉ?
分かるかな君の感情じゃ無く俺の意思で全て決まり
全ての生命は生かされてるんだ……君なんて単キャラ
必要無いんだ俺を中心に全てが進んで行く……
今度の……枢機卿選挙もね?ユダは知ってるだろ?
お兄様の偉大さを……やってる事は今の今まで
気づかなかったのに、ああ…笑える、ウケルぜ本当…
何で何の疑問も持たなかった?オマエ達家族の方が
よっぽど異常だよ…オマエもコイツらも…
信じてさ…信仰?そんなモン無駄無駄だって
教会のてっぺんが変わったコトにも気づかなかった」
何を言ってるんだ?変わった?何のコトだ?
最初からコイツが主犯で他の奴らを操って
たんじゃ?無いのか?コイツは元々ナタじゃ無い?
「初めまして私はナタで有り神話時代の
悪魔で有り天使でも有るマスティマと呼ばれたり
します、試練の男神からの人類への贈り物どうです
中々エッジの効いたサプライズでしょう?
ナタ君は受肉の際に消え失せましたよ?
今皆様どんな気分でしょう?悪意に…試練に負けず…
立ち向かってくださいよ!皆様方よお!!」
何だコイツ理解が出来ない、いや理解する必要が無い
こんな異常者にユダは…家族を…全て奪われた!!
「オマエは人間の上に立つ存在じゃねぇ!
糞以下…いや…ソレ以下の存在だマスティマ!!」
俺が怒りを叩き付けるとヤツは何故か笑っている、
こんなヤツが男神の使徒だって?ただの異常者だ!
神が使わせたなら神が異常だ!本当の悪魔をこの異常を、世界に放ったっていうのか?何故人を苦しめる!
「私が人を苦しめるのは神が決めた、試練で有り
使命で有り、罰で有る、だから人類への愛、愛、愛、
深い愛故に君達を試すのさ、甘受したまえ君達」
スキル加速連撃とスキル防御拳術で素早く数発
ブン殴るが場所が退がるだけでダメージが通っている
感じがし無い何故だ何故こんな異常者にスキルを
あたえた?硬いなら何度だってブン殴ってやる
「チッチッチッ僕はねぇ普通の人間には傷すらつけ
れ無い得意体質でね悪魔か天使を呼んで来なよ?
君じゃ何度何年殴ろうと、傷一つ付か無いんだよ?」
何でそんなふざけた能力ついてんだ、この異常者が!
「無駄ですよ?僕に人間程度が傷など無駄…無駄…」
何か何か無いか天使や神なんて知り合いに……
いる!神も天使もいないが一人役に立つかも
分から無いが何かあったら言え……だったよな!!
「来てくれるか分からないがいっちょ呼んでみるぜ!
来てくれぇえ!!ユウ・ギジョー……!!」
その瞬間天井から閃光がマスティマに叩きつけられる
「やれやれ家族や上司の無茶振りには慣れてますが
同僚を倒せとは貴方中々のモンスター客ですよ
ちなみに私だけでは難しいので貴方も良く知るだろう
悪魔使いを連れて来ましたほらぁ今の攻撃彼ですよ」 ユウ・ギジョーが紹介したのは俺の良く知る人物
「オマエ無事だったのか?ルーク!」
そう言うとルークはチッチッチッと指を振り言う
「色々あってね今の僕はソロモンと呼ばれてるんで
そっちで頼むよ兄さん……ソレにしてもよくも
兄さんや未来の姉さんを脅してくれたな?
何か言いたげだが僕らサモナーには脅しにすぎない
今日で神の元に帰れ、俺達は中々厄介だぞ?」
ソロモンはコイツを倒せるっていうのか?
「少し恥ずかしいが」懐からカードを数枚出し
奇妙でスタイリッシュな動きをし叫ぶ
「憑依変身!!」カードから悪魔が出てソロモンの
身体に入り姿が変わっていく鬼のような角がついた
フルフェイスの頭鎧に一見軽装で脆そうなどう鎧
鋭く短い爪の生えた手脛までで分厚い飾り鎧
まるでというか特撮のヒーローそのものである
ゆらりと敵を指差して「さぁ祓いの時間だ!」
何かキャラまで変わっている!悪魔達の影響?!
そう言ったソロモンはマスティマにむかって行く
なら俺達はこのキメラモンスターを倒すのか
こっちは変な体質無いよな?頼むぜ!ったく!
「お待ちを!この天霊剣マバライを使ってください
ソロモンの必殺武器なので後で返してくださいよ?
あと敵の名前はコープスブロックス核が有ります」
そんなモン使って良いのか?ただ凄みってか
エネルギーを感じる剣だ大剣ってとこが俺好みだ!
ソレに良い情報も聞けた核を探してぶった斬る
「それじゃあ行くぜコープスブロックス確かに
悪霊の塊っぽいな?核をスパンとぶった斬る!!」
剣を持った瞬間どう動けば良いかが頭に浮かぶ
敵の攻撃も僅かに分かる凄い剣だ!でもコレが
無いソロモンは大丈夫か?かなりの業物だし強いぞ?
そんなコトを考えていたら核が見えた
急いで断ち切る!!紅い玉が切れ虹色の断面を見せる
「なっ……何をする…!!僕のだぞ!!コープス?
ああコープスブロックスが僕のペットが死んじゃった
……いや…待てよ…コレも試練の男神が使わす試練か?なら良い素晴らしい……次のペットは君達でどうだ!そうだ君達は試練を越えた……
相応しいだろ!!」何を言ってるんだ
コイツはやっぱり存在が理解が出来ない不気味だ……
「耳を貸すな兄さん精神をやられるぞ!
コイツみたいな悪魔は珍しく無い何処にでも
普通にいる異常なんださぁ憑剣を払う時だ……」
いつの間にか天霊剣はソロモンの片手に移動してる
「善悪懲罰天霊二刀連撃剣!!」微妙にダサイ響の
技でマスティマが切り刻まれる……やったか?
「残念だが僕を切っても試練は続くよ?神のご意志…
だからね?人間いや全生命への大愛なのさ……
不様な最後で悪いねぇ?フフフフフッああ楽しい?」
楽しくねえよ!!本当の悪魔め!しかし案外呆気ない
全員無事に終わったみたいだな?アレはどうするか?
コープスブロックスの遺体を見ながら考えたのだが
「アレから近々取り込まれた人間は蘇生出来ますよ?
上手くいけばコアの力を使って全員いけますが?」
えっ?つまりユダの父や母に他の被害者も助かる?
そうしてユウギジョーのサポートのもと被害者は
無事蘇り家に帰って行ったのだが?何故か何故か
ユダの父と母は遺体のまま戻ら無い何故?
数回目の蘇生の結果魂は呼び出せたものの
拒否されたのだ何故なら彼らは人と鍵でありながら
愛し合い今回の事件の火種になったからだ、
罪を無かった事にはせず受け入れ天に帰ると決めた
だから最後にユダに言葉を残す時間をくれソレが
彼らのたった一つの願いだったソレぐらい許せよ!




