第6話 雷撃
「あの魔法・・・? 」
少年はニルに目を向ける。
「話は聞いてただろ。お前はどう思う? ニル。」
ミネラが言う。ニルは顎に手をやり仕草を取った。
「・・・そうだな。使えるかもという言い方は違うかもな。逆にこいつはあれを使わないと倒せねえ。やってくれるよな? ニル。」
ニルはしばらく考え込むと立ち上がった。
「もちろんだ。だが援護は頼んだぞ。」
ニルは剣先に魔力を集中させる。
「よし! みんな時間稼ぎだ!」
そう言うとミネラは少年に斬りかかった。それと同時にラディウスが流星舞を放つ。
「炎魔法 -爆竜- 」
ミアが放つ炎は少年の周りを一周した。そしてミネラが離れると同時に爆発した。爆発中も流星舞が少年の肩をかすめる。そして爆発終了と同時にミネラが少年を吹っ飛ばす。
「模倣した魔法を使う暇もないですね。今ので左腕が折られましたよ。ですがあなた方のジリ貧負けです。爆竜、炎刀、流星舞、風刀、渦火。魔融合 -レーヴァテイン- 」
森全体が光に包まれた。それと同時に起こる爆風が辺り一面を吹き飛ばした。
「終わりですね・・・。ん?」
「わざわざそっちから目くらまししてくれるとはね。」
ニルが少年に猛接近する。剣には青色の稲妻が纏われている。
「あの稲妻、なんて出力なんでしょうか。圧倒的出力で僕の魔法をかき消しましたね。ですが、当たらなければ意味はありません。」
少年はニルの一撃をかわした。そしてニルの腸を切り裂いた。
「次は喉、終わりです。」
少年はニルに向けて剣を振り下ろす。
「させないわよ。」
ラディウスが流星舞を放つ。少年は流星舞を放ち相殺した。
「魔法使い2人は結界のせいで仕留め損ねましたね。ですがあの巨漢は」
ミネラが少年に斬りかかる。だが右腕が爆発で欠損状態のため、少年に弾かれる。
「こいつまで。ですが、作戦は失敗ですね。あの落ちこぼれがしくじった以上、あなた方に勝ち目はないです。」
「それはどうかな?」
そう言うとニルは少年に斬りかかる。
「馬鹿な!? あの傷で何故?」
「落ちこぼれなもんでね。タフさと根性だけが取り柄なんだよ!」
ニルの稲妻が少年に放たれた。稲妻は森全体に広がりかつてないほどの大爆発を見せた。