第3話 救出
「おい! ニル!」
ミネラの声にニルが目を覚ます。既に場所は森の外だった。
「っ・・・。みんな。」
ニルは弱弱しい声で言う。
「目が覚めましたか。傷が深いので寝たままで大丈夫ですよ。」
ミアは手当てをしながら言う。
「・・・ありがとう、ミラ。」
ニルはまたも弱弱しい声で言う。
「あら、あなたお礼言えたのね。」
ラディウスが笑いながら言う。
「・・・言えるよ、そりゃ。」
ニルはふらつきながら立ち上がった。
「ノヴァが敵にやられたのは俺のせいだ。これであいつが死んだら俺が殺したも同然だ。そしたら人のこと言えねえからな。」
ニルはのろのろと森の方へ歩き出した。
「おい、どこ行くんだよ?」
ミネラが言う。
「ノヴァを助けに行く。」
ニルは口から血を垂らしながら言う。
「はぁ、それじゃ死にに行くだけですよ。」
ミアは医療品を鞄に詰めるとニルの方へ小走りした。
「これでノヴァが死んだら仇を討たないといけませんからね。私に殺されたくなかったら精々頑張りなさいよ。」
ミアが言う。
「ふっ、そうだな。そのときは俺を殺してくれよ。」
ニルがそう言うと同時にラディウスがニルに回復魔術をかける。
「ラディウス・・・? 一度もその魔法俺に使ったことないのに。」
「安心しろよニル。お前は足手纏い確定だから俺が守ってやるよ。」
ミネラがニルの肩を叩く。
「みんな、なんでそんな優しいんだよ。」
「勘違いするんじゃないわよ。あんたのためじゃなくてうちらのリーダーのためよ。」
ラディウスが言う。
「そうだな。ノヴァを助けに行こう。俺はもうお前らの仲間じゃないけど今回だけは協力しよう。」
4人はキラのいる森へと向かっていった。