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ふわもこ坂

作者: 星野☆明美

田舎に越してきた。

人口密度すかすか、山と海に囲まれて、坂だらけ。

「ふわー、この坂を登んなきゃ帰れないのかああ」

傾斜45°あるんじゃないか?そりかえったら後ろに転げ落ちそう。

きゃー、なの。

きゃわきゃわ。

白いものがころころ転がって行く。

ころころ、ころころ、ずずずずず、どわあっ!

堰を切ったように何か白いものが坂を埋め尽くして後ろに転がってゆく。

なんじゃこりゃあ!

きゃわきゃわ。

ちょっと待てい。

ぐわし、と白いものを掴み取る。

きゃー、きゃー。

なにこれ?

ふわもこの妖精?

目が合うと、それは恥ずかしそうに頬を赤らめた。

か、かわええ。

一匹持って帰るか?

しゅうううう。

手に持っていたのがしぼんで消えてしまった。

お持ち帰りできないのか?

しばらくすると、全部転がってしまったのか、跡形もなくなってしまった。

なんだー、つまんない。

くすん。

再び坂を登ってゆく。

なんだったのかなーと思いながら、夕食食べてお風呂に入り、床につく。

翌日。

外出先から帰ってきて再び坂を登っていると、また、ふわもこ軍団が転げ落ちて行った。

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