ナンパの撃退方法
「ねーねーえ〜っと?ハルちゃんだっけ?ならハルルンだね!よろしく〜♡」
来ましたよ。ハーなんちゃらとかいうナンパ野郎が。……前世でナンパの撃退方法調べとけばよかったと少し後悔が募る。バリバリスマホっ子だったよ。私。
(こんなのが貴族か……)
「生まれ育ちってレッシェルトン領?僕レッシェルトン領のお肉好きだよー!柔らかくて美味しいよねー」
確かに私の養父様がお肉が好きでレッシェルトン領は牛、豚、鶏はもちろん。魔物の肉もある。……ワイバーンのお肉とか
「ありがとうございます。」
素っ気なく返すはお構いなしにグイグイくる。……ねぇ。「かわいい子もっといたよ」って言ってもいい?
「あの、そろそろいい加減に……!」
「ハーリャイルさん。ハルさん困ってますよ?」
そう話に割り込んできたのはシルブィエースだった。
「あ……ごめんね…こういうやつグイグイ行ったほうがいいかなっテ……マジでごめんね」
「いえ……お気になさらず…」
意外とすんなり謝ったな……結構素直?
「……」
「なんでしょう。ラサイアさ……」
『やっぱりハルちゃん!!』
いきなり頭に響いた。思いっきりシルブィエースの声だか、彼は口を開いてない。なら……魔術。相手の脳に干渉する魔術って上級魔術だった気がする……あれ…私の入試の下って誰だっけ……この人だっけ?
『ハルちゃんでしょ?覚えてない…?ほら、君のお父さんの主の息子で……』
「……わたくし、生まれも育ちも侯爵家です。“ハル”という名前が珍しいのは存じております。しかしあなたが言ってるハルさんは別人です。子爵家風情がとは言いませんが、あなたとも、クラスメイトとも仲良くなる気はありません。」
我ながら完璧な棘ゼリフだ。これでこの人はもう話しかけてこないだろ……
『それでも!髪の色とか目の色とか、血色いいところとか……あ!あと、顔!可愛い顔!!』
え?何??この人もナンパなわけ?
『あー……ナンパじゃなくて……その……めちゃくちゃ似てる!』
「違うと言っていますよね?もうそろそろウザいですよ」
「……うん。ごめんね。」
やーっと下がったか……
◇◇◇
「みなさんオッハー☆天才的踊り子アーンド使い魔科授業担当エフィルス・ニーフェイスだっよー☆1-Ω組さ〜ん?元気〜?」
「おー……?」
まばらまばら声が聞こえてくる。この人……王家専属の踊り子の人か……。名前くらいは聞いたことあるよ。老若男女を魅了する圧倒的カリスマ性と完璧なパフォーマンス。憧れる人も多いとか?
「は〜い!今回の授業では使い魔ちゃんの召喚だよ☆みーんな!説明はよく聞こうね〜」
ニーフェイス先生のぐだぐだで、どうでもいいこと混じりの説明を要約すると、
1,自分の血を専用の召喚紙につける。
2,〚テキテデ〛と言い、召喚紙を燃やす
3,召喚紙を燃やしたときの煙が具現化し、使い魔が出てくる
……みたいなやつだ
呪文どうしようか悩みに悩んだ結果、デテキテを反対に言った、テキテデにしたサクラヅキです!めんどくさいですね、呪文って……
次は使い魔召喚ちゃんです!!