病弱者
みなさんこんにちは。異世界転生したハルです。ときはわーっと流れ私は3歳。前世の記憶があるため、歩くコツも喋るコツもあり、結構『天才少女』と噂されるようになりました!そんな私は今……
「はぁ……っはぁ……っ」
熱出してます。何故か熱を出しやすい体質で、3日に1回は熱を出すという軟弱すぎる私である。熱出すと井戸まで水を汲みに行ったり、体を拭いたりしなきゃいけないから家族にめちゃくちゃ心配と迷惑かけてるんだよね……ごめん。顔少し青くなってるし…
「ハル……大丈夫?欲しい物とかは……」
「大丈夫だよ……安心して……ゴホッゴホッ」
安心できるわけないですよね。ごめんね。
「じゃあ俺は仕事に行くからな……」
ジュファーは領主のところで護衛騎士をやっている。そして人がいい領主様とも仲がいいんだ。家も近いし私も数回あったことがある。めちゃくちゃいい人だったよ……夏織とちがって。
「いってらっしゃい」
「私も、お手伝いに行かなきゃ。ごめんね」
そうそう。ミレルは私と4歳差。私が3歳ならミレルは7歳。もうお仕事のお手伝いをしなきゃいけない。この世界は13から成人で、7歳から成人への準備期間だ。子供がそんなことできるの?とか思ってたけどここの子供、意外と賢い。小学生男子とかいないよ
(さて……寝よ。はやく治さなきゃ……)
◇◇◇
俺はジュファー。綺麗で仕事が早い妻と、可愛らしい2人の女の子に恵まれた幸せな男だ。領主様の護衛騎士団の団長を努めており、何不自由なく暮らしてきたが……
「ううっ……う〜っ!」
「何やっているんだ……ジュファー」
次女が病弱!!最高神ウィシュテーイル様は俺に試練を投げた。ハルの苦しむ姿を見るだけで俺の心も苦しくなる。領主様の護衛騎士団団長ではあるが、お給料でたっかい薬は買えない……っ!この悔しさ…最高神様はなんてお酷いんだっ……!
「あぁ。そういえばジュファーのところの子供、1人病気にかかりやすいんだったな……ごめんな。給料少なくて…」
「いえ……領主様の気にすることではございません……っ!これは最高神様からの試練!乗り越えられるよう努力せねば!」
「頼もしいなぁ。ハルちゃんの病気ってどんなのだい?特徴を言えばなにかわかるかもしれない」
特徴……やっぱり、ハルの近くが氷のように冷たい。今は夏で、大歓迎だがハルの近くに行けば夏の暑さが恋しくなる。それに……気の所為かもしれないがハルの青い目が赤に見えるときもある……。それを領主様に伝えると酷く驚かれ、
「……いいか。これから言うことは家族以外誰にも言うな。」
いつもの明るく、気さくな感じはどこか行き、『領主』の顔を見せた。
「は、はい」
「ハルは……魔力持ちだ」
時間の進め方がわかんないサクラヅキです。生後一ヶ月からのいきなり3歳。えぐいですねハハハ。
さて、魔力持ちとは一体どういうことなんでしょう?領主様が必死に隠す理由は?次回、魔力持ちについてです