神様って、いるの?
生まれてから1ヶ月経った。だいぶこの環境に慣れてきたし、赤ちゃんだということを認め恥を捨てた。オムツ替えられるのは苦痛でしかない。オムツを替えられたあと少し不貞腐れているとミレルが声をかけてきた
「ミレルおねーちゃんと図書館行こ!」
図書館があるということは、結構印刷技術が発達してきた頃だろうか?でも家には1冊も本がないからまだ印刷技術発展途中というところか。
「気をつけて行ってきてね。あと帰りに市場でピチュを買ってきておいて。」
ピチュと言う言葉を聞き、ミレルの顔がパアッと明るくなった。ピチュって何?食べ物?美味しいのかな……聞いたことないけど
「ピチュってことは今日ピチュ煮込み!?」
「まじか!?エーリア!!よっしゃ!今日は仕事早く終わらせるぞー!」
ピチュ煮込み……やっぱり食べ物か……この世界の食べ物を何一つ知らないので少し楽しみに思ったが、私は赤ちゃんだからまだミルクじゃないか。ちょっと残念…
「じゃ、行ってきまーす!」
◇◇◇
図書館と聞き、大っきくて広い図書館を思い浮かべたが、実際には家1つ分の平屋。中に入れば椅子と机は数個。本棚はざっと5ぐらい。小さいねー……
「えっと、じゃあハルに読み聞かせさせよ!」
そうミレルがいい、本を数冊取り席に座った。
「『7柱の神様と13の眷属』!」
◇◇◇
この世界は、最高神である、
命の女神、ウィシュテーイルと、
炎の神、デリュウィレーア、
水の女神、フーリュネシュ、
風の神、ネーリインド、
光の女神、ホーレイピュラ、
闇の神、ライーシャード、
土の神、リュシャイア
と7柱の神に仕える13の眷属のおかげでこの国は成り立った。
◇◇◇
「えっと……ウィシュテーイルの…い、妹?でもあるホーレイピュラは……ライーシャードのこ、こ……い…」
いきなりたどたどしい喋り方になった。えっと……字はお勉強中なのかな?まだ5歳にもなってなさそうだし……まぁ、私3歳まで一言も喋らなかったらしいんだけどね。前世は。
「えっと……?」
「そこは恋人。『光の女神のホーレイピュラは闇の神のライーシャードの恋人で、同じくホーレイピュラが好きだった土の神、リュシャイアがそのことを知り激しく怒り、この国は壊れかけたが、そこを最高神の眷属が止め、その眷属は死を持って国を守った』……ってこと。だから7柱の神様のうち、最高神の眷属が1人しかいないんだよ」
ミレルが困っていたのを助けたのは1人の男の子だった。まだ3歳ぐらいかな…?すごいな……3歳まで喋らなかった自分が恥ずかしい……
「すごいね、君……私よりも年下そうなのに……」
「父に叩き込まれたんですよ。字はまだ少ししか……」
やっぱり賢そう。これが真の天才ってやつかな?おー怖い怖い。
「それじゃあ、またいつか会えたら」
私が怖がってる間に、その男の子は図書室から出ていった。……名前ぐらい聞きたかったな
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???Side
「ただいま。」
「おかえりなさい。旦那様、坊ちゃま、遅かったですね。もう夕方ですよ?」
「しょうがないじゃん。隣の領から帰ってこの領の端まで来たらおそくなるよ。まぁ、字が読めなくて困ってた姉妹を助けたりはしたけどね。」
「おや、人助けですか。お優しいですねお坊ちゃまは。流石。レッシェルトン侯爵家次期領主、ネーデイル・レッシェルトン様。」
「…ありがと」
ショタが大好きなサクラヅキです。ミレルおねーちゃん助けてくれたのってお貴族なん…?神様の名前とか色々出しちゃってすんません。覚えなくてもストーリーに支障が出ないように頑張ります!神様の名前マジ適当です