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ラストスマイル〜辛い過去持ち天才少女は幸せになる〜  作者: サクラヅキ
二部 学園生活は大忙し
16/18

偽物の栄光

まだ毒の痛みは収まらず、おぼつかない足でただ立つことしか出来なかった。


「ここまでほとんど自分の手を使わなかったハル・レッシェルトンがこの程度の攻撃かわせなかったのですか?」


そう挑発してくる彼の目は毒に苛まれる私を見ているものではない。新たな魔法の召喚のためにどれほどの毒で私を負かすことが出来るか計算している目だ。しかし、このまま何もせずに突っ立っていると、また攻撃を仕掛けられる。


負けるのは嬉しいが、痛いのはごめんだ。こんな、ジリジリと……趣味の悪さが感じられる。どうすればこの痛みから抜け出せるか。どうしたら普通に負けられるか。必死に考えてもあまり考えはまとまらない。毒のせい?


「反撃無し?」

「わたくし、そういうつまらないものには興味がなくて。」


嘘。大ありだ。こんな毒さえ回ってなかったら朱雀たちにぶっ飛ばしてもらった。……いや、そもそも毒が回ってなかったらこの殺意は湧き上がらない……?あ、でもぶっ飛ばしちゃったら私が優勝……


「強がりですか。」

「少しうるさいですね」


やばい。口喧嘩になってきた。あともう一撃くらい入れてくれたら私的にも負けやすい……さぁ、来い。もう一撃!!


「私達の主ちゃんに手出すなんて……ねぇ?」


その一言で場は凍りつく。この声、呼び方は……


「青龍様への挑発と受け取っても問題ないわよね?」


私の使い魔。茶髪青眼の美少女……青龍である。角や鱗が出て半魔獣モードだ。


「主様……毒が回っております!とっくに呼吸困難になっててもおかしくない状況……ご無事で何より……!」

「あの、玄武……?これは、わたくしの試合で……あなた達の手を使うことは無いと先程……!!」

「主が危険と判断すれば出てくると申し上げました。」


ぐうの音も出ない……流石に人型4体は勝ってしまう!!優勝なんて言語両断。前世から目立つのが大嫌いなんだけど?平穏に生きたいんだけど??


「あー……使い魔バトルにしますか?」

「絶対に嫌です……」


どこの漫画の主人公だ!!優勝なんて……俺TUEEEE系じゃないんだけど??考えろ……考えろ……


ボソッ「んーあっちの使い魔の方が格上だろうしなー……リタイアが身の為……」

「は、今なんて?」

「なんか飽きました!ハル強かったし僕の負けだー(棒)」


…………………………(考えたくないため思考放棄。)


『え、あ、リタイアを受理します。今年度武道大会勝者はハル・レッシェルトンです!!!』

「「「「「「「ワァァーーーッ!!!」」」」」」」

「さっすがぁ主ちゃんだね!」

「けっ何もしてねーだろ」


最悪な夢だ。何なんだこの夢……優勝なんてありやしない。まぁ?平民時代天才少女って呼ばれてたけど?自分でも一般人よりは喧嘩強いんだろうなーって思ったけど??待て待て。ありえない……


「み、認めませんっ!!!」


ギャラリーも、相手も水を打ったように静かになる。当たり前だ。優勝を認めないなど。並大抵の努力をしても取ることのできない栄光。これを拒否するなど……しかし、ここで止まる訳には行かない……!


「最終決戦でリタイア?そんな面白味もないジョークはお止め頂きたい!正々堂々と勝負して貰わなくては!こんな虚構の栄光はいりません!!」

「……そうだね。僕が間違っていた。やっぱりリタイアは無しでお願いできる?」

『あーはい……』


よし!体を張った甲斐があった……!平民出身の私なんかより、お貴族様の方が経験も実力も豊富なはず……!!


「『ベノム』」

「え、毒はちょっと……」


やばい……これ色的にやばいやつだよ……硫化水素入りとかじゃないよね??溶けちゃうんだが


「シ、『シールド』!」


びしゃっ


良かった。跳ね返すことは出来たみたい……しかし相手は毒魔法の使い手……潔く倒せる魔法の使い手だったら良かったのに……水とか、風とか、氷とか……


「考え事はやめた方がいいですよ」

「っ!」


早い……普通に物理で行けばいいのに……!!あれ……私大切なこと忘れてるような……


暴食(グラトニー)発動してない……??」

「今更?」


発動しない条件って何なの……??属性の問題?毒は発動にはしないタイプ?

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